魔法攻撃と武器攻撃
ソフィア『魔法攻撃と武器攻撃で分かれるわ!
レティア。私とマルメロと来てちょうだい。』
ニゲル『ミラは俺とだぞ!!』
ソフィア派の反乱軍たちは
【魔法攻撃】と【武器攻撃】の2部隊に分かれるようだ。
ミラは小屋の屋根に登り、
ヘレボルス全体を見下ろした。
遠くの方‥‥‥城の周辺で、大勢の兵士たちの姿が見える。
敵側の軍だと思われる兵士たちは
【白い鎧】と【紫の鎧】を着ている者に分かれていた。
ミラ『なあ!白い鎧と紫の鎧着てる奴らが
俺らの敵ってことでいいんだろう?』
ミラは声を張り上げて問う。
ニゲル『そうだ!!!
白の鎧の方はラヴィエの兵たちだ!!
あいつらは魔法を使う!!!
ミラ、俺らは【紫の鎧】を着たディセントラの兵たち‥‥
主に武器で戦う奴らが相手だ!!!
だが油断するな。
魔法を使える奴らが一定数紛れているからな!!』
ミラ『了解。』
ミラは素早く小屋から降りると
ニゲルの後を追おうとした。
しかしすぐに、後ろを振り向き止まった。
ミラ『その前にー‥‥‥!!!』
ミラは、斜め後ろの方角に
素早く飛び掛かる。
ニゲルと、ニゲル部隊の兵士たちも
一斉にミラの方に視線を向けた。
?『うわああああっ』
ニゲルたちが気づいた時には
ミラが全身真っ黒の服を纏った男を捕らえていた。
ミラは短剣を首に当てがっている。
ニゲル『何!?!?』
ミラ『お前か。
ずっと俺らの小屋の前で‥‥‥
殺気を向けていたのは。』
ミラはドスを効かせた声で男に問う。
?『ひぃぃぃっ!!!』
男は悲鳴を上げながら
手に何かを持っている。
ミラは男の手首を
短剣の柄で 強打する。
?『あたっ!!!』
男が何かを落とす。
カラン、と高い音が地面に響いた。
ミラは瓶に入ったそれを拾い上げる。
ニゲル『ミラ!!!なんだそれは!!!』
ミラは無言で、捕らえた男をニゲルに投げつける。
ニゲルは逃げられないように男を強く押さえつけた。
ミラは瓶の中の液体のにおいを嗅いだ。
ミラ『はっ!!!
これは猛毒だ。』
ニゲル『何!?!?』
ニゲルは叫ぶ。
反乱軍たちも 一斉に声を上げた。
ミラ『トリカブトだ。』
ミラは鋭く睨みをきかせ、
瓶の中身を 男に近づける。
?『ひぃぃぃぃっ!!!』
ミラ『お前、誰の手下だ。
正直に言え。
俺は‥‥‥優しい人間じゃない。』
?『ディセントラ様ですっ!!
命はお助けを!!!!』
ミラ『これ、誰に使おうとしていた?
ディセントラはどんな秘技を隠し持っている?
包み隠さず教えろよ。
嘘ついたらこの毒、お前の口に突っ込んでやるからな。
‥‥ああ、俺の短剣に塗って
切り裂いてやってもいい。
すぐには死ねない程度にな‥‥‥』
普段優しいミラから想像もできない言葉が飛び交う。
罪のない人間を傷つける奴に対して
ミラは容赦がないのだ。
?『ひ、ひ、ひ‥‥‥‥!!』
男が恐怖で浅い呼吸を繰り返し、
声にならぬ声を出した。
?『ディセントラ様は‥‥‥』
男が言いかけたその時、
何かが素早く飛んできた。
先の鋭利な『それ』は
一直線に近づいてくる。
ミラ『!!!
全員伏せろ!!!!!!』
ミラとニゲル、そして兵士たちは皆一斉に伏せた。
ザクッという音が聞こえた瞬間
男はその場に倒れた。
飛んできたものは鋭い槍で
男は口封じのために 殺されたようだ。
ミラとニゲルが素早く槍が飛んできた方を見ると
【紫の鎧】を着た ガタイの良い男が
不敵な笑みを浮かべてこちらを見ていたのだった。
ニゲル『行くぞ!!!
俺の後に続け!!!!』
ニゲルは叫びながら、
その男の方角へと走り出した。
ミラも兵士たちも一斉に
ニゲルの後に続いた。
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【一方、ソフィアとレティア、マルメロ達】
ソフィア『レティア。私たちは、
なるべく争いはしたくない。
攻撃魔法は、城も街もめちゃくちゃになるから‥‥‥。
今から、民達が住んでいるエリア全体に結界を張るわ。
罪のない者たちを傷つけるわけにはいかないから。』
ソフィアはそう言うと杖を振り上げた。
ソフィア部隊の兵士たちも、一斉に杖を振り上げる。
ポワアアアアアアア、という不思議な音が響くと
優しい、オーロラのような光の膜が、
結界のように包み込んだ。
レティア『わあ‥‥‥。綺麗ね。』
レティアは光の膜を見つめて言った。
ソフィア『ラヴィエの得意な攻撃魔法は、炎なの。
その魔法で、私の愛した森も、精霊の国も、動物たちも焼かれたわ。
だから私たちの部隊は、水の魔法を磨いてきた。』
ソフィアは強く杖を握りしめた。
その姿に、レティアは
ソフィアの強い怒りを感じた。
ソフィア『ラヴィエは、攻撃力が高い魔法ばかり使う。そして素早いわ。
けれど弱点がある。
魔力の消耗が激しいことよ。』
ソフィアは歩き出す。
マルメロもそれに合わせて歩き出した。
ソフィア『魔力を尽きさせたところで
一気に催眠の魔法をかけるわ。』
ソフィアの目は力強かった。
レティア『‥‥‥わかったわ。』
レティアもまっすぐに前を向いた。
すると急に
マルメロが前方めがけて唸り出す。
牙を剥き出し、今にも飛び掛かる勢いだ。
マルメロ『ヴヴヴヴヴ‥‥』
ソフィア『‥‥‥前方から攻撃魔法が飛んでくるわ!!!
全員、攻撃を避けながら、
敵軍の魔力を削ぎなさい!!』
ソフィアの兵士たちは一斉に返事をした。




