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【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


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トーアの復活とミラの不調

ソフィア『そろそろ、ディセントラの軍が動き出すわ。

私たち反乱軍を殲滅させるつもりでね。』



ミラ『よくわかるな。』



ニゲル『そりゃそうだ。反乱軍こちらの内通者がいるんだから。』



ミラ『なるほどな‥‥‥。』



ソフィア『さっき、トーアに会ったと言っていたわね。どこまで聞いた?』




?『ソフィアがさっき2人に話した

ディセントラとラヴィエの悪事、戦の計画‥‥‥

全て出会った時に話したよ。』



全員、一斉に声の方を見る。



ソフィア、ミラ、ニゲル

反乱軍たちは声を上げた。



ソフィア『トーア!!!

魔力が戻ったの!?!?』



なんと、全員にトーアの姿が見えるようになったらしい。



トーア『うん。


レティアちゃんが、熾天使様の羽入りのネックレスをくれてね。

熾天使様の魔力も込められていた。


そのおかげで、僕の魔力は回復した。


そして‥‥‥

もう少しで祠の魔力も復活しそうなんだ!!』



ソフィア『本当に!!!

素晴らしいわ!!!!

奇跡の大逆転よ!!!

ありがとう、レティア‥‥!』



ニゲル『天使様!!!

ありがとうございます!!!』



ニゲルと反乱軍は跪いてレティアに頭を下げた。


レティアは再びオロオロと慌てふためき

皆に顔をあげるように伝えたのだった。



トーア『あとは祠の魔力さえ戻れば

精霊達全員で、国王ラインハルト達を浄化できるからね。』



ミラ『トーアだけならどこまでできるんだ?』



トーア『ディセントラの目を見て別の秘密や正体を暴くことかな。


僕だけじゃ国王ラインハルト1人浄化するのもきつい。

黒魔術を使っているから、膨大な魔力がいる。


精霊全員で取り掛からないと。』



ミラ『そんなに大変なのか。』



トーア『白い絵の具に

一滴でも黒い色を混ぜたらさ、

どんなに白を足しても黒は消えないでしょ?

どうしたって白は霞む。


‥‥‥浄化はそれと似ているんだ。

【黒】を【純白】に戻すことだから。

一点の穢れもなくね‥‥』



トーアは寂しそうな目をして言った。



レティア『聞いただけで息切れしそう‥‥‥』



レティアは胸に手を抑えて呟く。



ソフィア『いい?ニゲルがさっき言ったけれど

私たちの内通者スパイが、城に潜入している。

ディセントラの兵に紛れているの。


戦が始まる時、彼が

この森に見えるように、花火を打ち上げるわ。


花火が打ち上がったら、私たちと共に戦ってちょうだい。

時間稼ぎよ。

精霊達の魔力が回復するまでの‥‥‥』



ミラ『もしも祠の魔力が回復する方が早ければ、こちらから攻撃か?』



ソフィア『それならばいいのだけど‥‥‥


多分もう、明日、明後日には動き出すはず‥‥』



ミラ『そうか。

トーア、祠の魔力が回復するのはどれくらいだ。』



トーア『早くてあと2日はかかる。』



ミラ『間に合わないな。』



ソフィア『ええ‥‥‥』



ニゲル『戦法はもう決めている。


だがもう時間がない。

地理を含めて覚えてもらう時間がない。


だから天使様とミラは、戦の際は

俺の後に続いて

指示に従ってくれ。』



レティア『わかったわ。』



ニゲル『罪のない民達の死者は

1人も出さないようにするぞ!!』



ニゲルの熱の入った声に、

反乱軍達は威勢の良い返事をした。



ソフィア『とりあえず、体力を温存して

しっかり食べましょう。』



そう言って、ソフィアは魔力で火を起こし

持ってきた食材を焼き始めた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ミラは立ち上がると、

ズキリと古傷が傷んだ。



ミラ『っ‥‥!!』



ミラはその場にうずくまる。



レティア『ミラ!!!!大丈夫!?』



レティアはミラに駆け寄った。



ミラ『ああ、すまない‥‥‥』



ニゲル『なんだ。どこか痛むのか。』



ニゲルはぶっきらぼうに

ミラに投げかける。



ソフィア『どうしたの!?』



ミラ『なあ‥‥今からマグナフォボスに行ってもいいか?


俺の薬‥‥切れちまった‥‥。』



ニゲル『ああっ!?

ディセントラの国だぞ!?!?

今近づけるわけないだろ!!!』



ニゲルは叫ぶように吐き捨てる。



レティア『でも!薬がなければ

ミラは倒れてしまうわ!!!』



ソフィアは目を閉じて、静かに口を開いた。



ソフィア『‥‥‥ニゲル。

ミラを連れて行って。


馬に乗って行きなさい。』



ニゲル『でも‥‥‥!!』



ソフィア『本当に辛そうにしているわ。

‥‥‥連れて行ってあげて。』



ニゲルは不服そうな顔をして

ソフィアに返事をした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ミラとニゲルは1頭の馬に跨る。


ミラが前に座り

ニゲルが後ろで馬を華麗に操っている。



ミラ『うっ‥‥‥』


ミラは苦しそうにお腹を抑える。



ニゲル『おい!!

どこが痛むんだよ!?!?』



ミラ『腹‥‥‥』



ミラは浅い呼吸を繰り返し

額に汗を滲ませている。


だんだんと自力で座れなくなり

後ろに座るニゲルに寄りかかる体勢になった。


さっきまでバチバチにやりとりしていたニゲルだが、

ミラの様子に只事じゃないと思ったようだ。



ニゲル『大丈夫か!?

もうすぐ着くぞ!!』



ミラ『悪い‥‥な‥‥‥』



ニゲルは馬の手綱を荒く動かし

馬を全力で走らせた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーマグナフォボスー



ニゲル『おい!!ついたぞ!!』



ミラ『た‥‥助かった‥‥』



ニゲルとミラは馬から降りる。


ミラは真っ白な顔をして、

背中を丸めた体勢で

絞り出すように声を出した。



ミラ『‥ニゲル‥‥‥


これ‥‥妙薬師んところに着いたら‥‥

渡してくれ‥‥‥


俺の薬の処方箋だ‥‥‥

これ見せれば‥‥出してくれる‥』



ミラはそう言って、紙切れをニゲルに渡す。

ニゲルはそれを奪うように手に取った。



ニゲルは処方箋を読む。

古代文字で書かれたそれは、普通の人間には読めないだろう。



ニゲル『な!!!!!

なんだこれ!!!!


おい、この処方箋は誰のだ!?

天使様レティアさまのじゃないのか!?』



ミラ『バカ‥‥か‥‥‥。

俺のだ‥‥‥。』



ドサッという鈍い音が 静かな夜に響く。

ミラはその場に倒れてしまった。



ニゲル『おい!!ミラ!!!』



ニゲルはミラに駆け寄る。



ニゲル『‥‥‥これ‥

‥‥女用の薬じゃないか!!!』



ニゲルは、倒れたミラの背中と膝に

手を差し込んで 抱き上げる。



ニゲル『な!?!?』



ニゲルはあまりに軽く、

そして男にしては華奢すぎるミラの体に

ハッとした。



ニゲル『まさか‥‥‥ミラ、お前‥‥‥!』



ニゲルはミラの真っ白な顔を覗き込んだまま

少しの間 放心して立ち尽くしていた。

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