本物の【悪魔】を呼び起こす禁忌の黒魔術
平伏するソフィアを前に
レティアは慌てふためく。
ソフィア『顔を上げて!!!!!』
ソフィアは立ち上がる。
すると前にいた兵士が
レティアに怒声を浴びせた。
兵士『ソフィア様はヘレボルスの王女だ!!
お前如きがタメ口を聞くなど、不敬極まりない!!!!』
レティアは兵士のあまりの勢いに
ビクッと肩を震わせた。
レティア『!!!!!
失礼‥‥‥』
レティアが謝ろうとすると
ミラがレティアの前に立ちはだかり
兵士と対峙した。
ミラ『なんだお前は。
俺もレティアも、ヘレボルスを助ける義理はないんだぞ。
俺らに頼む分際で
言葉遣いがどうとか言える立場なのか!!』
ミラは兵士を睨みつける。
兵士『なんと野蛮な!!!!!』
兵士とミラはバチバチだ。
レティア『ミラ‥‥‥!』
兵士とミラの間にソフィアが躍り出た。
ソフィア『やめなさい。ニゲル。』
兵士はニゲルというようだ。
ソフィア『私の兵が無礼を働いたわね。
ごめんなさい。』
ソフィアは頭を下げた。
ソフィア『敬語は不要よ。
あなたのいう通り、こちらが頼む側だもの。』
ニゲル『ソフィア様‥‥‥!』
ニゲルが声を張り上げる。
ソフィアはニゲルの顔を見て
首を横に振った。
ソフィア『彼はニゲル。
反乱軍の隊長よ。
真面目が故に、先ほどのように
突っ走ってしまうところがあるけれど‥‥‥
信頼できる男よ。』
ニゲルはまだレティアとミラを警戒しているようだ。
睨めるように二人を見つめている。
ソフィア『2人の名前を、まだ聞いてなかったわね。』
レティア『私はレティア‥‥』
ミラ『俺はミラだ。』
ソフィア『レティアにミラ‥‥‥。
あなたたち不思議な力があるわよね。
ミラ、あなたはとんでもない五感を持っているわ。
人間離れした身体能力‥‥‥。
レティアは私の名前を当てた。
そしてマルメロが懐いたわ。』
ミラ『俺は特別な力なんかないさ。』
ニゲル『ソフィア様!!信用なりませぬぞ!!
この2人がディセントラの手下ではないと
どうして言い切れるのですか!!!
確かに、マルメロはこの女に懐いておりますが‥‥‥!!!』
ソフィア『‥‥‥‥。』
ソフィアはレティアの腕を掴む。
レティア『!?』
レティアはソフィアの顔を見た。
ソフィア『魔力を込めて見てみなさい。』
ニゲルは全身に魔力を込める。
ニゲルの体にオーラが集まった。
レティア『!!!』
ニゲル『な!?!?!?
なんだと!?!?!?!?』
ニゲルはレティアの手首を見て後ずさる。
ソフィア『そう‥‥‥。
彼女は熾天使の娘。
‥‥‥なぜか人間の私たちにも姿が見えて‥
翼もないけれど‥‥‥‥。』
レティア『な!!!!!』
レティアは目を見開いた。
ミラにも自分にも見えない紋章が
彼らには見えるというのだ。
ニゲル『まさか‥‥!!!!
どういうことだ‥‥!?』
ソフィアは目を閉じ
一呼吸おいて 話し始めた。
ソフィア『天使は人間を
害しはしないわ‥‥‥‥
それに‥‥
焼かれて空っぽになってしまった
精霊の国の魔力を‥‥‥
天使である彼女だけが、どうにかできるかもしれない‥‥‥』
ソフィアは静かな声で言った。
ニゲルはレティアの前に跪く。
ニゲル『天使様‥‥‥!
先程は失礼いたしました!!
どうかお願いです!!
ヘレボルスを共にお助けください!!
そして焼かれてしまったこの森と
精霊の国を、どうか‥‥‥!!』
レティアはオロオロと戸惑い始める。
ミラは、先程の態度とは180度変わったことが気に食わないようで
腕を組んで不機嫌そうにニゲルを見つめていた。
レティア『ど、どういうことなの‥‥!?』
レティアは頭がこんがらがり
湯気が出てパンク寸前だった。
ソフィア『‥‥‥天使は、人間界や人間を守る存在。
ヘレボルスの森にある、精霊の国も
天使様に助けられたことが何度もあるわ。
天使は、ヘレボルスを害しはしない。
だから私は
すぐにわかったわ。
あなた達2人がディセントラの手下ではないということがね。』
ミラ『天使ってだけでそんなに信用があるのか。』
ニゲル『当然だ!!!
天使様はいつも、人間界を守ってくださる。』
ニゲルは鼻息荒く答えた。
レティア『精霊のトーアから聞いたけど、
ディセントラのせいで国王が操られているのでしょう?』
ソフィア『ええ‥‥‥‥。』
ミラ『ディセントラは何者なんだ?』
ソフィア『‥‥‥‥』
ソフィアは何かの紙切れを取り出した。
真っ黒で不気味な絵と紋章のようなものが描かれていた。
レティア『何これ‥‥』
ミラ『不気味な絵だな。』
ソフィア『黒魔術よ。』
ミラ『黒魔術!?!?』
ソフィア『ええ‥‥‥‥。
それも、本物の【悪魔】を呼び起こす
禁忌の黒魔術‥‥‥。
古の聖者が命懸けで封印したはずの
知られざる邪術よ‥‥‥!』
ミラ『なぜ知られざる邪術ということを
ソフィア、お前が知っているのだ。』
ミラは鋭く疑問をつく。
ソフィア『‥‥‥‥はるか昔
ヘレボルスにいた聖者が
この黒魔術を命懸けで封印したからよ。
知っているのは、限られた者だけなのに
どうやってディセントラが
黒魔術を知ったのかは
わからないけれど‥‥‥。』
レティア『そんなことが‥‥‥』
ソフィアは
冷たい目をして力強く頷いた。
ソフィア『ディセントラは‥‥‥
魔界にいる悪魔に‥‥‥!!
魂を売って
恐ろしい能力を手に入れたのよ!!!
国王を操り
托卵した子供を王にするつもりだわ!
そして、ヘレボルスの森を‥精霊の国を焼き尽くしたわ!!!
神聖なるヘレボルスを乗っ取るつもりなのよ!!!』
ミラ『なっ!!!???
じゃあ‥‥‥ディセントラの力は‥‥悪魔の仕業なのか?!』
ソフィアは力を込めて頷く。
ソフィア『魔界にいる悪魔こそ‥‥!!
人間の心の隙に入り込み
直接手を下さずに
人間や国を滅ぼそうとする存在なのよ!!』
ソフィアは叫ぶように言った。
レティア(ますますわからない‥‥‥
じゃあ私の子供達を殺したのは‥‥
魔界の奴らだというの‥‥?
天の神子という
天界にとって尊い存在が邪魔だったから‥‥?)
レティアは考えるたびに
ズキリと痛む頭を抑えた。
前回は、レティアが天使の頃
熾天使や首長の動きが怪しかったですが
今回は魔界の悪魔の【黒魔術】が出てきました。
ソフィアは『悪魔は人間の心の隙に入り込み、人間や国を滅ぼそうとする存在』と言っています。
黒幕は 悪魔なのか天使なのか‥
それとも人間なのか‥‥‥
一体誰なのでしょうか‥‥。




