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【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


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紅茶に入った惚れ薬を回避せよ!

ディセントラ『あらお二人とも‥?どうされたのですか?』



ディセントラが2人の視線に目をやる。



ミラ『いいえ‥‥珍しい剥製が置かれているなと思いまして。

色んなものを見てきたけど、初めて見たものですから‥。』



さすがはミラだ。

何ひとつ動じない。


ディセントラと会話をしながら、

ミラは立ち尽くしているレティアの手を掴んで

座る様に促したのだ。



レティアは我にかえるように

ミラに促されるまま着席した。



ディセントラ『フフ‥お目が高いわね。


あれは本物の天使の死体ですよ。』



ドクンドクン



レティアの心臓が 再び高鳴る。

ミラとディセントラの会話に全く集中ができない。



ミラ『天使なんて本当にいるのですか?

俺、人間だから‥そういう目に見えない存在

見たことがなくて信じられないのですが‥』



ミラは優しい笑みを浮かべて

ディセントラに投げかける。



ディセントラは穏やかに話す青年ミラ

いたく気に入ったようで

分かりやすいほどにミラを意識している態度を見せていた。



ディセントラ『フフフ‥

私も普段は見えませんわ。

けれど‥


能力や魔力を 全て失った天使の死体は

私たち人間でも 見えるみたいですのよ‥。


天使って普通は、

特別な力を持ってるみたいですから。』



レティアはいまにも発狂しそうなのを深呼吸して抑えていた。



【能力や魔力を全て失った天使の死体は

人間にも姿が見える‥!?】



レティア(まさか‥‥)



レティアは思った。

あの天使も、かつての8人の子供達のように

惨殺されたのだろうと‥


行方不明のままだったあの見覚えのある女天使‥

生きていれば自分と同じくらいの年齢だっただろう。



レティアはアウロのことを考える。

生きているという望みを抱いていたのに

ガラスケースに入った天使の剥製を見て

もしかしたら‥と最悪の事態を考えずにはいられなかった。



今にも叫びそうだった。



レティア(なぜ、ディセントラが天使の剥製を‥。)



レティアが色々考えていると

お茶が運ばれてくる。


カチャ と食器の音がする。

メイドがポットに入った紅茶を注ぐ。


高そうなマグカップに入れられた紅茶は

うっとりするような良い匂いがした。



ミラ『‥‥‥どこで天使の剥製これを?』



ミラもレティアと同じことを考えていたようだ。

レティアは、ミラは何てタイミングが良いのだろう!と思った。



ディセントラは不敵な笑みを浮かべた。



ディセントラ『そんなに天使が気になりますの?』



レティアはビクッと肩を震わせる。



ミラ『フッ‥俺は元々盗賊団と商売していたものですから‥‥‥

珍しいものには目がなくて。

聞きすぎましたね。』



すみません、とミラはディセントラに言う。



ミラは心理戦まで完璧なようだ。



ディセントラ『謝らないで‥‥。

あれ、どこで買ったかしらね‥‥

気に入ったの?』



ディセントラはそう言って

確信的なことについては口を閉ざした。



レティアは2人の会話を横で黙って聞いていた。

落ち着こうと、

マグカップを手に取った。


紅茶を一口飲もうとする。



『レティアちゃん!!絶対に飲んじゃダメだ!!』



レティア『!』



視線の方に目をやると

トーアが立っていた。



トーアはディセントラたちに姿が見えないのを利用して

城の中に招待された2人の後をついてきたようだ。



トーア『不審がられるから、視線落として聞いて!

ミラちゃんに聞こるように話すと他の人間にも聞こえちゃうから

レティアちゃんにしか聞こえてないし、僕の姿も見えていないからね。



いいかい、その紅茶には妙薬が入ってる。

絶対飲まないで。


惚れ薬が入ってるから。


毒ではないから死にはしないけど

効果は異常な欲情だ!!



ディセントラの目を見た。

あの毒婦おんな、ミラちゃんを堕とす気だ!!

本気で気に入ってる!!



ディセントラ、ミラちゃんより大きい息子、ラヴィエがいるのにとんでもない女だ!!

息子より幼い子を異性として狙うなんて』



レティア(私の紅茶の中にも?どうしたらいいの‥‥)



声にすら出せないレティアは心の中でつぶやいた。



トーア『レティアちゃんの中にも入ってるよ!!

ラヴィエや別の男に狙われる危険がある!!

ディセントラはミラちゃんを誘惑するためならどんな手を使っても君を引き剥がす!!


口に含んで手拭きに吐く方法もあるけど

口にすら入れない方がいい!

とにかく、ミラちゃんにも飲ませてはいけないよ!!』



トーアはレティアの心の中の言葉をキャッチして、方法をひとつ伝えてくれた。



レティア(そっかトーアは‥心の中で会話ができるんだものね。)



トーア『うん!!でもかなりの魔力使うから、もうレティアちゃんの心の中の言葉をキャッチできない。ごめんよ。


ミラちゃんの目を見た。

ディセントラのこと かなり警戒してる。

引き出せる会話ことは何でも引き出して

聞き出そうとしている!


けど、気をつけて!

あの毒婦おんなは残酷だから。

まさか城の中にまで呼ばれると思ってなくて‥

僕も油断しちゃったけど。


そろそろ、魔力尽きそう‥

まだ祠復活するまで、かかるんだ‥

限界だから戻るよ。


レティアちゃん!必ずミラちゃんと森に戻ってきてね!ソフィアたちもくるから!』



トーアはそう言って、消えてしまった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


レティアはマグカップを置いた。

ディセントラはその様子を見逃さなかった。



ディセントラ『あら‥!

紅茶はお口に合わなかったかしら。』



レティア『!

い、いえ‥‥』



ディセントラ『もしや‥‥

ヘレボルスの王妃である私の出したお茶が‥

飲めないと‥仰るの?』



レティア『!』



ディセントラはレティアに容赦がない。



レティア『滅相もございません。』



レティアはすぐに頭を下げた。



ミラ『‥‥。

すみません。結婚前にお恥ずかしい話‥‥


彼女は身重。カフェインの入った飲み物は‥

控えております。』



レティア『!』



レティアはミラを見た。

ミラは優しい笑みを浮かべている。



レティア(なんていう機転なの‥!


けれど、もし

ミラが私の分まで飲むことになったら‥)



ディセントラは妖麗な笑みを浮かべた。



ディセントラ『あらあら‥それは失礼したわ‥。


まさか、彼女さんがおめでただったなんて‥』



ミラ『ええ‥‥』



ミラは笑顔を絶やさない。

もしもミラがいなかったら、生きて帰れなかっただろうとレティアは思った。

まあそもそも、自分だけならお呼ばれしなかっただろうが‥‥



ディセントラ『ミラ‥‥‥ではあなたが

彼女さんの分まで‥‥どう?』



ディセントラはとびきりの笑みを向けた。



レティア(丸わかり‥‥‥

ミラを欲情させる気‥‥‥!)



ミラは無言で

マグカップを手に取る。



ミラ『魅惑的な香りですね。』



ミラはそう言って、ディセントラに笑いかける。



ディセントラはその笑顔を見て、

さらに恍惚な表情を浮かべた。



レティア(ミラ‥飲んじゃダメ!!)



レティアの心の叫びは虚しく、

ミラには何も聞こえていない。



ミラはマグカップに口をつけようとした!

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