国王ラインハルトの元王妃カトレアと現王妃ディセントラ
2人は店の外に出た。
レティア『なんで‥
ヘレボルスの森はね、とても神聖で‥
天界と同じくらい オーラが澄んでいたの。
そこにいる動物たちも
とっても澄んだ目をしていたのよ。
焼かれてしまったなんて‥!』
ミラ『‥‥そうか。
何故戦争になるのだろうな。
レティアが守護していた時は
そんな気配なかったんだろう?』
レティア『ええ‥特には‥‥
はっ!!!』
レティアは思い出した。
オルレアが、ヘレボルスのことを【不穏な空気】と言っていたことや
シランにヘレボルスを守護することを伝えた時、シランの顔色が変わったことを。
ミラ『何か思い出したのか?』
レティア『母の友達の熾天使様が
ヘレボルスのことを、【不穏な空気】と言っていたことを思い出したの。
あと、母にヘレボルスを守護することが決まったと伝えた時
一瞬 母の顔色が変わった。
でも、私が降り立った時は
特になにも無かったはずよ‥』
ミラ『そうか‥。
とりあえず、向かおう。
途中で人に聞いてみようか。』
レティア『!?
行くの?!ミラ、危ないわ。
私の復讐に、あなたの身を危険に晒すわけには‥』
ミラ『大丈夫、俺は気配を断つのも逃げるのも得意だから。
盗賊だったんだぞ。
レティアを背負って逃げることもできる。
ゴーキーのことだって軽々持ち上げられるんだからな。
危なければ、すぐに逃げよう。』
ミラの力強い言葉に
レティアは顔を綻ばせた。
レティア『ありがとうミラ‥。
頼もしいわ‥。』
2人は走ってヘレボルスを目指した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー夜ー
ミラ『だいたい中間地点まで来たな。
レティア、さすがだな。俺の走りについてこられるのはラガーくらいだった。
息ひとつ切れてないな。』
レティア『あなたこそ、息ひとつ切れてないじゃない。
どうなってるのよ‥』
ミラは笑ったあと、空を見た。
ミラ『荒れそうだな‥‥』
レティア『よくわかるわね。』
ミラがそう言った途端、
大粒の雨が降り始めた。
ミラ『どこか泊まるところを探そうか。』
ミラとレティアは走った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1時間走った先に、街が見えた。
2人は街に入る。
レティア『なにここ‥
すごく‥荒れてるわね‥』
ミラ『本当だな。』
どこの家も畑も
燃えたような跡があったのだ。
ミラ『あそこに酒場がある。
レティア、入るぞ。
酒場はいい情報が手に入る
うってつけの場所なんだ。』
レティア『さすがミラね。』
ミラ『そういえば言ってなかったが
とにかく、俺は男ということにしてくれ‥
頼むな。』
レティア『わかった。
でも、鍛冶町パームラで
彼女だと言われた時は
戸惑ったわよ。』
ミラはプハッと笑った。
ミラ『すまないな。
でもそれが1番話が早いだろう?』
レティア『‥‥まあね。』
ミラ『また彼女だと言うかもしれないが
よろしく。』
レティアは頷いた。
2人は酒場に入る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー酒場ー
男『あ〜もうやってられねえよ〜!
ラインハルトの野郎〜ぶっ殺してやるぞ〜!』
眼鏡男『おい!声でかい!
兵士がいたら俺らが殺されるぞ!』
男『知るかってんだー!!
ラインハルトとラヴィエのせいで国民はボロボロだってんだ〜!』
ミラ『!』
レティア『!』
2人は酒を片手に耳を傾ける。
ミラは唐突に酒場のマスターに問う。
ミラ『なあ、ヘレボルスの国王はどんな奴なんだ?』
マスター『お客さん。旅人?
国王ラインハルトは、暴君なんですよ。
昔は穏やかな王様だったはずなんだけどねえ‥。
カトレア様が亡くなり、妾だったディセントラが王妃になってから
国王は人が変わったように残虐になってしまったんですよ。
外、見たでしょう?
ここだって焼かれたんですよ!!』
ミラ『なぜ焼かれたんだ。』
マスター『こっちが知りたいですよ!
おかげで街がボロボロです!』
ミラ『!?
カトレアというのは、前の王妃だったのか?』
マスター『そうですよ。
ただ、カトレア様はなかなか子供を授からず‥
国王ラインハルトが、ディセントラという謎の女を孕ませてしまって、妾にしたんですよ。
ディセントラの産んだ子供がラヴィエ。
その後 王妃カトレア様も身ごもられ
ソフィア様を産みましたが
カトレア様はある日突然 謎の死を遂げ‥
ディセントラが王妃になったんです。
そこから国王が残虐になりました。
俺は、あの毒婦のせいだと思っています。
きっとカトレア様は殺されたんだ!』
ミラ『!』
レティア『!』
マスター『カトレア様は凛としていて
自立した女性でね。
愛想を振り撒くようなタイプではないけど
民のことを思ってくれる美しくていい王妃だったんですよ。
国王ラインハルトのことを引っ張るような感じかな。
ラインハルトも尻に敷かれながら
なんだかんだ幸せそうに見えたのですがね。』
ミラ『ディセントラはどんな王妃なんだ?』
マスター『なんか‥毒々しいんですよ。
根拠はないんですけど。
まあ美しい女ですよ。
セクシーというか。派手な感じですね。
カトレア様が清楚だったから
真逆ですね。』
ミラ『カトレア元王妃は、高い身分の出自なのか?』
マスター『そりゃそうですよ。
マグオートって国知ってます?
伝説の剣士を輩出している国なのですが
そこの国の第七王女でしたよ。』
レティア(そういえばラナンと一緒に‥
アウロ様から聞いたことがあるわ。マグオート‥)
ミラ『そうか。
ディセントラの出自は?』
マスター『マグナフォボス出身としか聞いたことがないです。
あの妙薬師のいる国ですよ。』
ミラとレティアは顔を見合わせた。
ミラ『そうか。色々ありがとう。』
マスター『お客さん、気をつけな。
反逆したら殺されるから。
しなくても‥国王やラヴィエの機嫌で
殺される人もいるんですから‥』
レティアとミラは酒場を出た。




