表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/84

この地を去る

皆は酔い潰れて寝てしまった。



レティアとミラだけが起きていた。

アケミも‥。



レティア『ミラ。あなたにそんなに辛い過去があったなんて‥』



ミラ『レティアには敵わないよ。』



レティア『何をいうの。あなたの方がずっと辛いわ‥‥


私ね、自分だけが不幸だって思ってた。

そして‥


私は全てを恨んだ。

あなたは恨みもせず 色んな人たちを助けた。



‥‥格の違いを思い知らされた。

ミラ、あなたって本当にすごい人。

優しくて強い人‥。』



レティアは涙を滲ませた。



ミラはフッと笑った。



ミラ『そんなことないさ。

レティア‥。』



アケミ『‥‥行くんだろう?ミラ。』



ミラ『ああ。』



レティア『?』



レティアは何のことだかよくわからなかった。



ミラ『レティア。俺は

もしも女だということがバレたら

この街を出て行くつもりだったんだ。』



レティア『!

そうなの!?どうして‥』



ミラ『‥ユウカが死ぬ前に俺に言ってくれたんだ。



【もう少し大きくなったら

絶対この街を出な。


あなたの 目が映すのはさ

キラキラした世界だけでいいんだよ。】

ってな‥』



ミラは視線を落として言った。



レティア『ミラ‥‥』




ミラ『俺のこと、買い被りすぎなんだよ。

ユウカはさ‥



でも、俺は

レティアの過去を聞いて‥自分と重ね合わせる部分があった。


俺くらいの女の子で、同じような辛い目に遭ってたと知って‥


気になっていたんだよ。レティアのこと。』



ミラは笑った。



アケミママ『レティアも辛い過去があったんだね。

天界から飛び降りるほどのさ。』



レティア『ママには話してなかったわね‥』



レティアはアケミにも話し始めた。


熾天使と悪魔の娘として生まれたこと。


毎日 多くの天使たちから

呪詛の言葉をかけられいじめられたこと


唯一味方をしてくれたラナンを

自分を庇ったことにより亡くしたこと


自分を常に守ってくれた師匠アウロも

ある日突然失踪したこと‥


皆に疫病神と罵られたこと‥


幸せを産む天使に選ばれ双子を出産するも

我が子を残虐に殺されたこと 


そしてその後 母は自害したこと‥



アケミ『あんたも相当辛かったね‥レティア。

そりゃ、恨んで当然だよ。

天界ってそんな陰湿なんだ。』



アケミママは一緒になって怒ってくれた。

それがとても嬉しかった。



アケミママ『確かに、ミラとレティア。

少し似ている境遇があるね。



元々ミラは、ここを出るつもりだった。

そこにちょうど レティアが現れた。

運命かもね。あんたたち。』



アケミママは笑った。



ミラはレティアに向かい合って言った。



ミラ『レティア。復讐の手伝いをさせてくれ。

誰が黒幕なのかさえわからないなら

壮大な旅になるだろう‥


俺ももっと強くなりたいんだ。

強くなってもう2度と‥

男として生きなくてもいいように

再び女として 怯えることなく生きられるように‥


そして傷ついた奴らを助けられるように‥

俺自身も 成長したいんだ。』



レティア『‥‥いいの?』



ミラ『もちろんだ。


‥強くなろう。共にさ。

世界を平和にしたいな。レティア。

それは壮大すぎる夢かな?』



そう言ってミラは笑う。



レティアは涙を流した。

嬉しかった。死ぬほど嬉しかった。

こんな自分の仲間になってくれる人ができたことが。



アケミママは2人の会話を聞いて

優しく微笑んでいた。




ミラ『早速、レティアが守護していた

ヘレボルスを目指そうか。』




レティア『ええ。

でも果実団の仲間は‥?

あなたがいなくなるなんて

信じられないはずよ。

あなたは慕われているんだもの。』



ミラ『‥‥俺の意思は変わらない。

これはずっと決めていたことなんだ。


しばしの別れになるな。』



ミラは寂しそうに微笑んだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ー次の日の朝ー



ミラとレティアは早速 旅の準備をしていたところ、

果実団の皆が起きてきた。



布道『ミラ。レティア。おはよう。

何やってるんだ?随分早いな‥』



その声でみんなも起きてくる。



柚子『おはよ。

‥本当に何やってるの?』



すだち『どっか出かけんのか?』



全員が起きてきたところで

ミラは皆に言った。



ミラ『みんな。急にすまない。

俺は旅に出る。』



全員『!!!!!!』



ライム『どうして‥!!!』



ミラ『元々決めていた。


もしも俺が女だとバレたら

この街を出ると。』



ラガー『おい!ミラ!!んなこと気にすんなって言っただろ!!』



ミラ『違うんだ‥。


昨日、ユウカの話をしたな?

死にかけの俺を拾って

娘のように二年間育ててくれた‥。』




カボス『ああ。

すごく優しい姉ちゃんだろ!?』



ミラ『ユウカの最期の言葉だったんだ。


【もう少し大きくなったら

絶対にこの街を出な‥】



‥‥。でも俺はそもそも街を出るつもりはなかった。


だから女ということがバレたら

もしもバレてしまったら旅に出ると決めていた。

ママにも話してあった。


絶対にバレないつもりで暮らしていた。

しかし今回ばれた。


そして‥レティアと出会った時から

レティアの辛い境遇が

自分の過去と重なったんだ。


‥‥彼女の敵討に協力したい。

その思いが強くなった。


だから俺は

レティアと旅に出ることに決めた。』



ミラは土下座した。



ミラ『皆‥今日からはラガーがお頭だ。


身勝手ですまない。でも俺は前から決めていたことだ。譲れないんだ。』



ゴーキー『オメエがいない果実団なんて

あり得ねーだろ!!』



桃『そうよ!!

それに、私はレティアにどんな過去があったのか聞いてないわよ!?!?

行くというならどんな過去が聞かせてちょうだいよ!!


ミラがいなくなるなんて耐えられない!!』



桃は取り乱した。



ラガー『落ち着けよ‥!

確かにレティアの過去はかなり辛いものだったぜ‥

無理に話させるのは‥』



桃『あらラガーも知ってるの!?!?

私は知らない!!


ミラと離れるなんて絶対に嫌‥!



レティア!!話してちょうだいよ!!

あなたにどんな辛い過去があったというの!!』



ラガー『やめろって‥桃‥!』



レティア『いいの‥。話すわ‥‥。』




レティアは再び

皆にレティアの過去を話した。



熾天使と悪魔の娘として生まれたこと

毎日いじめられたこと

自分を庇って唯一の味方だったラナンを亡くしたこと

師匠アウロも失踪し 疫病神と罵られたこと

幸せを産む天使として双子を産むも

残虐に殺されたこと

母が自害したこと‥



レティア『‥‥息子のサンダーはすでに息絶えていた。

心臓を抉り取られ‥目を見開いて‥』




桃『なっ‥なぜそんな‥酷いことを!!』




ゴーキー『誰の仕業なんだ!!

一体よお!!!!

ったくどいつもこいつもなんでそんなクソみてえな奴らなんだ!!』



布道『全くだ!!!

天界は真っ白な世界かと思っていたが‥

かなり‥ドロドロの世界なんだな。』




レティア『‥‥。


ソニアにはまだ息があったわ。

誰にやられたか聞いた。


ラナンに手をかけた、ラナンの母、ミンなのかと思って聞いたわ。


でも違うと言った。


【ちょうちょ‥ちょうちょの もよう‥】

そう言ったの。それが何を意味するのかいまだにわからない。



【ままだいすき】

そう言って ソニアも亡くなったわ。』



レティアは暗い瞳で言った。



すだち『残酷すぎる!!!

そんな辛かったら

天界から飛び降りるのも当然だ!!』



いちご『レティア‥話してくれて‥ありがとう‥

あなたにも‥そんな辛い過去が‥あったのね‥』



柚子『‥レティアも若くして子供がいて‥その子達を亡くして‥』



桃『レティア‥ごめんなさい。

さっきひどいことを‥』



桃は頭を下げた。



レティア『謝らないで‥。

私だって 桃の立場なら

ミラに行ってほしくない。

そう思うわ‥。』



ライム『でも、本当に途方のない話だな。


まず黒幕が誰なのか‥ってさ、

そのサンダーとソニアは天の神子だっけ?


その子たちは天使にも 人間にも姿が見えたんだろ?

あとその‥父親の妖にもだろ?



それならさ、まず犯人が

人間なのか、天使なのか、魔界の奴らなのか‥


それも絞らないとダメだよな。』



カボス『確かにな!?


しかも心臓を抉るってやばくねえか?

なんでそんな殺し方をしたんだ!?』



ラガー『天使たちの失踪‥

残虐に殺された子供‥』



レティア『そういえば‥水の氣を持つ子供たちが、当初は行方不明に‥』



布道『水の氣‥?なんだそれは‥』



レティア『オーラっていうのかな‥。


ほとんどの天使は火の氣だったの。

多くの熾天使は炎の氣だったから

水の氣を持つ者たちは、重宝されていたの。


悪魔が炎の氣を持っているから。

水は炎すら消すことができるでしょう?

だから‥』



ゴーキー『難しい話はよくわかんねーけどよ!!

それなら 悪魔の仕業なんじゃねえのか!?


だって悪魔が嫌う水のオーラ?を持つ子供が殺されてたんだろ!?!?


しかも人間に天使なんか見えねーじゃねーか!!』



ライム『確かにな‥‥』



レティア『そのうち、多くの天使たちが攫われた。

でもだんだん水の氣関係なく

誰でも構わず‥』



柚子『んー‥。

やっぱり不可解よね。

人間に天使は‥見えないし。』



アケミママ『でもさ、シャーマンがいる国あったね。

たしかそういう目に見えないモノが見える人々なんだよ。』



レティア『はっ‥!そこはラナンの父親がいる国だわ‥!』



桃『えっ!?

ラナンは母親に殺されたのよね!?!?

まさか両親が‥他の天使まで‥!?』



レティア『でもね、ラナンは傷一つなく殺されたのよ‥


まるで眠っているかのように‥』



ラガー『なんだそれ。殺し方が違うのか。

ますますわからねえな。』



ミラ『墓とかはないのか?

流石に天使は俺たちに見えないのかもしれないが

その‥ラナンやレティアの子供達の墓があれば

掘り起こして死因を調べることができそうじゃないか?』



レティア『我が子たちの墓‥

そういえば 殺されたあとすぐ飛び降りたから‥

あの子たちの墓がどこにあるかすら知らない‥



ラナンの墓もわからないの。

ミン様が ラナンを抱き抱えてどこかに行ってしまったから。』



ラガー『なんとなく殺し方が違いすぎて

ミンって女じゃなさそうだよな。


それにソニアもミンじゃないと言っていた。


でもなぜ、ラナンに手をかけたのか‥』



レティアも あの時のことを

思い出そうとした。


不可解な点があった気がする。



ズキリ、と頭がひどく痛む。



レティア『っ‥』



レティアは頭を抑えてよろけた。



ラガー『おっと!大丈夫か!?』



ラガーが支えた。



レティア『ええ‥ごめんなさい。』



ミラ『まだ癒えていないんだ。

無理もない。



‥‥俺らはヘレボルスに向かう。

レティアが守護していた地域だ。

何か手掛かりがあるかもしれない。』



ラガー『ミラ!!俺もついていく!!

女2人じゃ物騒じゃねえか!!

まあ俺は‥ミラより力ねぇけど‥!!



皆は此処に実家があるけど

俺はねえから お前たちみたいに

街 出られるしさ!!!』



ラガーは恥ずかしそうに頭を掻いて言った。



ミラ『フッ‥


ラガー。お前は此処を守ってくれ。

果実団のお頭として。』



ラガー『でも‥!!』



ミラ『俺は‥自分が再び女として胸張って生きられるようになったら‥

また帰ってくるよ。



いつか俺が‥昔みたいに自分を

【私】と呼べる日が来たら‥


その時は着いてきてくれないか。』



ラガー『‥‥わーったよ!!

絶対帰ってこいよ!!』




ミラは微笑んだ。



ミラ『もちろんだ。



‥皆、今まで世話になった。


ママ‥本当に今までありがとう。』



アケミママ『此処はあんたの故郷だよ。

ミラ、辛くなったらいつでも帰ってきな。


辛くなくてもたまに寄りなよ。

ご飯くらいなら作るから。



レティア、あんたもね。

実家みたいに帰ってきなよ。気軽にさ。』



レティア『ありがとうございます‥』



レティアは笑顔で言った。




ミラとレティアは凋落の街を去る。



ヘレボルスへと向かう旅が始まった。



ライム『元気でなー!!』




ゴーキー『ミラー!いつかお前を超えてやるからな!!!!くたばるなよ!!』



布道『気をつけろよー!!!』



すだち『またなー!!!』



カボス『帰ってこいよなー!!』



桃『大好きよー!!ミラー!!!

レティアも頑張れー!!』



柚子『2人ともー!!

また会おうねー!!!』



ラガーは陰に隠れて泣いていた。



いちごは優しく手を振り

アケミママも2人の背を見送っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ