表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/82

番外編 ミラの過去③ 『因縁のティルケ国と王子ティラ』

残酷なシーンあります。

苦手な方、今ちょっと精神的に元気がない方など

ご注意ください。

ミラが10歳になりたての頃

街で優しい青年に声をかけられた。

見た目は10代後半くらいで

ブロンドヘアの端正な顔立ちだった。



すぐに貴族だとわかった。


ミラの住む街には似つかないくらい華美な服を着て

キラキラと光り輝く宝石を身に纏っていた。


いつもならミラは

相手の初動を読んで

すぐに宝石の一つや二つを掠め取り

姿をくらませただろう。



でも できなかった。

美しい青年の姿を一目見て

初めて恋に落ちたからだ。


青年は あたたかな眼差しと笑顔を  

ミラに向けた。


自分に笑顔を向けてくれたのは

後にも先にも 母だけだった。


青年の優しさが嬉しくて ミラは一瞬だけ

刻が止まったように感じた。



青年『かわいいね‥。

こんなに若いのに、1人なの?可哀想に。

名前は?』



青年は 声まで美しかった。

耳がくすぐったいほどに心地いいと感じた。 


いつもこの街から聞こえてくるのは

誰かの怒鳴り声と泣き叫ぶ声と

銃声だったからだ。



ミラ『ミラ‥』



青年『ミラ‥。

可愛い名前だね。』



そう言って青年はにっこりと笑った。



ミラ『あなたは‥?』



ミラは問う。



『ティラさ。』



そう言って再び

優しい笑顔をミラに向けた。


これがティラとミラの出会いだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


当時からミラは 

髪が肩につくくらい伸びると

持っていたペティナイフで髪を切り落とした。


常に何かを盗み

それを売るか食べるかして 生きていたのだ。

走って逃げるのに髪は邪魔だった。



ティラ『ミラ‥君はきっと長髪が似合う。

だって綺麗な顔をしているから。

きっと君の母上も、美人だったんだろう』



ティラに言われて久しぶりに思い出したのだ。

母の記憶を。


顔もよく覚えていないが

綺麗なひとだったと言うことだけは覚えていたからだ。



ミラは あんなに邪魔だった髪すらも

早く伸びて と願った。

ティラから掛けて貰った言葉で

ミラは髪を伸ばすことを決めた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ティラは月に1度、

ミラの街へやってきた。

毎回 ミラに会いに来た。



ミラに美しい服をくれたり

お腹いっぱい食べさせてくれた。



ティラ『ミラ、美味しいかい?』



ミラは こくりと頷く。


どんなにこの街で

ティラにもらった美しい服を着たくても

すぐに狙われる。

売れば いい金が手に入るから。


ミラはせっかく

初恋の相手がくれた服を

失いたくなかったのだ。


いつも人気のない場所に隠して

ティラがやってきた時だけ 身に纏った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーある日ー


ティラ『‥‥ミラ、おいで』


ティラが毎月遊びに来る生活にも慣れた頃

ティラはミラを求めた。

ミラもそれを受け入れた。


まだ あまりに幼い娘だった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ー2年が経った頃ー



ミラはついに孕んでしまった。



それに気づいた後、ティラはいつものように

ミラに会いに来た。


ミラのいつもと違う様子に

ティラは不安そうに声をかける。



ティラ『どうしたんだい。ミラ‥』



ミラ『赤ん坊が‥いるみたい‥』



ミラはつぶやいた。


その瞬間 ティラの目つきが変わった。

いつもの優しい目ではなく、

恐ろしい目で ミラを見つめた。



ゾクリ とミラは背中を震わせた。

何故なら それは殺気だったから。



ティラの元に家来が駆けつけてきた。



家来『ティラ様!!

今、聞こえましたぞ!!

まったく、貴方様という人は!!


万が一国王にバレれば‥!!』



ティラは手で何かを合図した。



家来2人に捕まえられ

ミラは人気のない路地に連れて行かれた。



ミラ『離せ!!』



ミラは蹴りを入れた。

男と戦うのは日常茶飯事だった。



家来『痛っ‥!!

このガキめ‥!!』



家来は何度もミラを打った。



ティラ『2人でしっかり捕まえておけ。』



家来は 返事をする。



ティラは無言で

何度もなんども

ミラの子宮はらを殴った。



ミラ『ぐっ‥うぐっ‥』



ミラは下腹部が収縮するような感覚を覚えると

足に血が伝っているのに気づいた。



しばらく殴られた。

もう抵抗する体力も残っていなかった。

足元に溜まる血を見て

赤子はもう流れたと悟った。



殺されることも 悟っていた。

【こんな最期なのか。あっけないな】と思った。

自分でもびっくりするほど生に執着がなかった。

死ぬことをすでに 受け入れていたのだ。

恐怖も感じなかった。

毎日がサバイバルだったから。



ティラ『もしも国王ちち

孤児を孕ませたとバレればまずい。 


そしてこいつが仮に生き残り

赤子を抱いて城に現れて

【あの時の子供だ】と言い張ってもまずい。

今のうちに 子宮はら

再起不能にしておけ。


そうすれば容疑すらかけられない

こいつは元々、孕めない体質だったとな。』


ティラは冷たい目をして言った。


さらにミラは殴られた。

今度はティラと、家来2人に

3人係で殴られた。



意識も朦朧としている中

残酷なほどに美しい声でティラは言った。



ティラ『あの店の 入り口の前に捨てておけ。

殺されるか、売り捌かれるか、野垂れ死ぬかだ。


俺らが殺したのが

バレたらまずい。最後の手は下すな。』



家来『ははっ‥』



ミラは薄れゆく意識の中思った。


【もう女として生きるのは懲り懲りだ】と。

番外編ミラの過去は、あと1〜2話続きます!

その後 再び物語の続きが始まりますので

どうぞよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ