古傷が痛む
雨が止み、霧が晴れる頃、
時刻はすでに17時を回っていた。
すだち『やっと 止んだな。』
布道『ああ。』
ゴーキー『おい!山降りたらママんところじゃなくてどこかに泊まるぞ!!
こんなビショビショ 泥だらけのまま
帰宅できるかってんだ!!』
ラガー『そうだな。今日はみんなでどこかに泊まろう。
確か山降りてすぐのところに宿があったはずだ。』
ミラは皆の声で起き上がった。
ミラ『ふわぁ〜‥‥今何時だ?』
ライム『17時過ぎだよ。』
ミラ『そうか‥。』
ゴーキー『よく熟睡できるなお前!!
大雨だったんだぞ!?!?
顔から足までずーっと雨に濡れてたんだぞ?!
地面は冷てーし痛えしよー!!』
ミラ『そうか?このくらい普通だろう。』
ゴーキー『ほんとに変な奴だなお前は!!』
カボス『まあまあ‥』
ラガー『ミラ。みんな服も体も汚れてるから
今日はママんところじゃなくて山降りてすぐの場所に泊まろうぜ。』
ミラ『‥‥。ああ。わかった。』
ミラは立ち上がるが
雨のおかげで髪は濡れ、全身泥だらけだった。
ゴーキー『うわぁっ!ミラ!
お前寝転がってたから後頭部やべえぞ!?!?』
ミラ『おっと。本当だ。』
ミラはあっけらかんとしている。
女子達も山小屋から出てきた。
柚子『やっと止んだね!行きましょうか。』
桃『ミラ!!泥が!!大変!!』
ミラ『ああ。
ここで寝たからな‥
山降りてすぐのところに泊まるらしいから
そこでシャワーを浴びるよ。』
桃『よく寝られるわね!ミラ。
まあ‥水も滴るいい男だわ‥♡』
いちご『桃‥相変わらずね‥‥』
皆は再び歩き出した。
山を降りた頃には、時刻は18時30分を回っていた。
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ー宿ー
あいにく、一部屋しか空いておらず
全員で同じ部屋に泊まることになった。
幸い大きな部屋で 皆寝られそうだ。
布道『部屋には風呂がないらしいが
大浴場があるそうだ。
珍しいな。』
すだち『ちょうどよかったな。
女子もいるし。
お互い大浴場の方が気を遣わないだろう。』
カボス『そうだな!』
桃『はぁー疲れた!!ティルケ国行くだけで1日がかりだったよ〜』
柚子『本当にね!早くお風呂入って寝たいわ。』
ラガー『ミラ!大浴場あるんだってさ!!
早く行こうぜ!!全身濡れて気持ちわりーだろ!?』
ミラ『ああ。
その前に、ちょっと必要なものがあるんだ。
買い物行ってきてもいいか?』
ゴーキー『おいミラ!!そんな全身泥だらけで店なんか入れるわけねーだろ!!!』
ミラ『流石にこのままは入らないさ。
綺麗にしてから入るよ。』
ラガー『なら風呂入ってから行けばいいじゃねーか!!
行こうぜ!早くスッキリしたいしさ!!』
ミラ『閉店時間が近いから今行くよ。
風呂は先にみんなで行ってきてくれ。』
ラガー『そうか?わかったよ。
じゃあ気をつけて行ってこいよ!!』
ライム『部屋は305号室だぞ!!』
ミラ『ありがとう。わかった!』
ミラは素早く宿を出てどこかへ向かった。
桃『謎多くて‥そこがまた‥素敵‥♡
何買うんだろ‥!』
レティア『ふふ‥桃さんは本当にミラが好きなのね。』
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ミラは全力疾走で
凋落の街に 1人戻っていた。
アケミママの家に入る。
ママ『!
ミラ!おかえり。
大丈夫かい。』
いつも少しのことでは動じないママが
この時ばかりは心配そうにミラを見つめていた。
ミラ『ああ‥。』
ママ『‥すごい汚れてるね。
シャワー浴びてきな。』
ミラ『悪いな。』
ミラはアケミママにシャワーを借りた。
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ミラは五分で出てきた。
ミラ『ママ。ありがとう。
助かった。』
ママ『みんなは?』
ミラ『山降りてすぐのところにある宿さ。』
ママ『そうかい。』
ミラ『山頂付近で雨が降ったんだ。
山小屋はみんなでは入れないくらいの大きさだったから
俺らは外で過ごした。
男達は雨に濡れて泥だらけになったから
ここに帰る前に泊まろうって話になったんだ。』
ママ『なるほどね。』
ミラは急に腹を抑えてうずくまった。
ママ『大丈夫かい。』
ミラ『古傷が痛む‥‥』
ママ『‥早く薬飲みな。
今日は大変だっただろう。
よく行ったよ。
私はあんたを心から尊敬するさ。
私があんたなら行かないよ。』
ミラは冷や汗を滲ませながら、ママに向かって笑顔を向けた。
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ミラは何かの薬を口に入れると
すぐに回復したようで
アケミママの家を出て
皆が泊まっている宿に向かった。
ラガー『おーミラ!!帰ってきたか!!
遅かったな!!』
ミラ『すまないな。』
ゴーキー『なんだお前、どっかでシャワー浴びてきたのか!?綺麗になってるじゃねえか!!』
布道『鎧も服も替えてきてるな。』
ミラ『ああ。
あまりにもビショビショだったから。』
ラガー『俺ら売店で服も下着も買ったんだぜ。
わざわざママんところに帰ったのか?』
ミラ『そうだ。
ちゃんとラガー達の話を聞いておけばよかったな。
ここで風呂に入っていれば
無駄足を踏まずに済んだ。
まさか売店もあったなんて。』
ミラは笑った。
ラガー『買い物はできたのか?』
ミラ『ああ。おかげさまで。』
ラガー『そうか!
女子達は寝ちまった。
俺ら、この後飲みながらトランプするけど。』
ミラ『そうか‥。
すまない、今日はとても疲れた。
俺も寝る。』
ラガー『珍しいな。
わかったよ。ゆっくり休めよ。』
すだち『ミラ、寝る時くらい鎧外したらどうだ??
暑くないのか?』
ミラ『フッ‥昔からの 習慣でな。
鎧を脱ぐと落ち着かないんだ。』
すだち『そうか。お前がいいならいいんだけどさ!
重そうだから。』
ミラ『気にかけてくれてすまないな。』
そう言ってミラは 部屋の端まで歩いた。
布団も敷かずに 畳の上に寝転がると
一瞬のうちに眠りにつくのだった。




