強靭な肉体
ーティルケ国ー
ミラ一行は兵士たちに案内され
ティルケ国にたどり着いた。
果実団の皆とレティアは
ティルケ国王の御前に跪いていた。
ラガーが真ん中で跪き、
ミラは1番端っこで跪いていた。
王は細身、ブロンド色の髪で、
年齢は40代後半くらいに見える。
国王『よくぞ来てくれた。
其方たちが、あの凶悪盗賊団、蟒蛇を倒してくれたと聞いた。
我が国の民たちが 何人も命を奪われ
警察や兵士たちも太刀打ちできぬほどの力を持っていた。
若い其方たちが一瞬で倒してくれたと聞いた。
すごい力だ。感謝する。』
王は家来に何かを命じると、
たくさんの宝石を持ってきた。
国王『持って行きなさい。』
ラガー『受け取れません。
俺たちはそんなつもりで倒したわけでは‥』
国王『はっはっは。
欲のない若者たちだ。今どき珍しいな。
ますます気に入った。
たしか、お頭がミラという名前だと聞いた。
其方か?』
ラガー『はい。』
国王『そうか。
ティラ!!来なさい!』
ミラ『‥はっ‥』
ミラが小さくあげた悲鳴が
レティアの耳に入ってきた。
他の皆は気づいていないくらいの
小さな声だった。
ティラ『父上。』
ブロンドヘアで肩くらいの髪の男が跪いた。
20代半ばくらいの歳だろうか。
国王『うむ。
‥果実団の皆。此奴は私の息子だ。
皆と同じくらいの歳だろうか。
ティラ。この者たちが
あの凶悪盗賊団蟒蛇を倒した。
中には女子もいる。
力や勇気がないと立ち向かえない。
若いのに立派だ。
それに、彼らは褒美を辞退したのだ。
自らの危険を顧みず
大勢の人々を助けた。
お前と同じくらいの歳の少年少女らがだ。
彼らを見習い 強くなりなさい。』
ティラ『はっ。
皆さん。はるばるありがとうございます。
ご恩は忘れません。』
ティラは笑顔を向けてお辞儀をした。
自信に満ち溢れる表情だった。
端正な顔立ちをしていた。
国王『とは言っても、褒美は受け取ってもらぞ。
そのために呼んだんだ。
売るなり、捨てるなり好きにしなさい。』
ラガー『はっ。有り難く頂戴致します。』
ラガーは代表して受け取った。
国王『うむ。
せっかくだ。泊まって行きなさい。』
ラガーはチラリとミラの方を見た。
珍しく真っ青な顔をしていた。
ラガー『‥ありがたいのですが、
生憎、この後すぐに仕事がありまして‥』
国王『そうか。
残念だが仕方ないな。
急に呼んだのはこちらだ。忙しい中悪かった。
何かあればいつでも寄ってくれ。』
皆は跪いて一礼し、ティルケ国を後にした。
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兵士たちが送ってくれ、
再びミラ一行は山の前まで来た。
ラガー『おい。ミラ。顔色悪いぞ。
大丈夫か?』
ミラ『ああ。問題ないよ。
すまないな、ラガー。
おかげで助かった。』
ミラは笑顔で言った。
ラガー『気にすんな。』
すだち『それにしても
すごい財宝だな‥!!』
布道『本当にな。これ売り捌いたらいくらになるんだ?』
ライム『どうしよ、億万長者になったりして!!』
ゴーキー『おい!!お前ら!!
ほしいヤツ被ったらじゃんけんだからな!!』
カボス『おうよ!!受けて立つぜ!!』
柚子『はいはい。全く‥』
いちご『‥‥帰る頃は、19時くらいになってるね‥‥』
桃『ね!というか、ケーサツ達、近いって言ってたけどさ‥‥
確かに歩いて行ける国ではあったけど、
普通、こんな距離あるなら徒歩では行かないわよねー。』
ライム『確かにな。
ってか、行きは凋落の街から車で2時間だったよな?
どーせ警察の奴ら、帰りは迎えに来てくれないだろ!?
ママんところに着くの21時とかじゃねーのか?』
すだち『うわっ‥そうじゃん!
街の警察ら、頼んだ後はもう用済みと言わんばかりの対応だしなー。
歩きで4時間だろうな。』
カボス『今が14時で‥帰りは21時か。』
ゴーキー『こりゃ褒美なのか罰ゲームなのかわかんねえぜ!!
ったくこんな財宝だけじゃ割に合わねえな!!!』
布道『まったくだ。』
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ー山道ー
ミラは最後尾で歩いている。
レティア『ミラ、大丈夫?』
レティアは心配そうに見つめる。
元気がなく顔色が悪いからだ。
ミラ『大丈夫だよ。』
ミラはそう言うと、鎧の中からこっそり何かを取り出して 素早く口に入れた。
ラガーは気づいていないようだ。
ラガー『レティア。やっぱりお前もそう思うか?
ミラはさ、風邪引いたこともないくらい強いんだよ!
それにわざと毒草とかを悪い奴に食わされてもさ、
ピンピンしてるんだぜ。俺なんかくたばってるのに。
そのくらい体が強いのに、今、顔色悪い気がするんだ。』
レティア『そんなに強いのね‥!
確かに盗賊団蟒蛇達を倒した時
ミラ、毒剣で攻撃されたのだけど、すぐに回復していたわ。
いくら解毒草を使ったって、普通あんなに早く回復しないわ。』
ラガー『そうだよな!?
おいミラ!!無理すんなよ!?
まあお前、ティルケ国行くの嫌がってたから
そのストレスのせいだろうけどさ。』
ミラ『心配かけてすまないな。
別に俺は体調悪くないぞ。大丈夫。』
見るとミラの顔色は元に戻っていた。
ラガー『あれ?もう顔色いいな。気のせいだったのか?
まあもう訪問も終わったしな。』
レティア(ラガーは気づいていない。
ミラはさっき何かを口に入れたわ‥
あれは一体‥)
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ー山頂付近ー
すだち『おいおい、なんかすげー風強くなってきたけど。』
カボス『ホントだよな。天気も怪しいし、霧が濃くなってきたぞ。』
桃『ついてないわねー!やっと山頂付近なのにさー。』
ライム『確かさ、ここら辺の近くに山小屋なかったか??』
布道『あったな。
霧も濃い。一休みするか。』
ゴーキー『ったく!!ガチで罰ゲームだな!!!』
ラガー『ミラ、山小屋行くってみんな話してるけど。』
ミラ『ああ。これは大雨が降るぞ。
いい判断だな。』
皆は山小屋を目指すことにした。
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ー山小屋ー
ゴーキー『んだこの山小屋は!!狭すぎるじゃねーか!!』
皆で11人いるが、詰めても8人がギリギリくらいの大きさしかなかった。
布道『おいおい。これから大雨が降るってミラが言ってたのによ。
どーするよ。』
ミラ『桃、柚子、いちご、レティア。
女子達優先で 入れてやってくれ。
俺は外で寝るから気にするな。』
ミラはそう言うと、外の地面に寝転がって目を閉じた。
山頂は肌寒く、天候も悪いため地面はぬかるんでいる。
レティア『ちょ!!ミラ!!いくらなんでもそこで‥!!!』
レティアがそう言いかけたところで、
ミラから寝息が聞こえてきた。
すー、すー、と規則正しい呼吸をしている。
レティア『なっ‥!?ミラ‥一瞬のうちに眠りについたと言うの!?!?』
ラガー『あー、もう寝てる。』
レティア『ええっ!?』
すだち『ミラはどんなに暑くても寒くても、
外でも中でもどこでも寝られるんだよ。』
ラガー『そうそう!それも一瞬で!!』
レティア『えええええっ!?!?』
ラガー『な!?ミラ強いだろ!?!?
敵が来たらすぐ飛び起きるんだぜ。
一生ミラに敵う気がしねえよ。』
レティア『驚いた‥!』
レティアはあまりに驚愕して言葉を失った。
桃『レティア。中入りましょ。』
レティア『でも‥悪いわ‥』
ラガー『いいって。
ミラくらい強くなりたいから 俺も外にいる。
それに女を外で寝かせるわけにはいかねーだろ!?』
ラガーはイタズラっぽく笑って
レティア達の背中を押して山小屋に入れてくれた。
結局、男性陣はみんなミラに倣って外に寝転がっていた。
女子達に気を使ったのだろう。
ゴーキー『なんだこのぬかるんで寒い地面はー!!
石ころも痛えしよー!!
ったくミラはどうなってやがる!?!?
なんでこんな寒い冷たい汚え痛い地面で一瞬で寝られるんだ!!』
布道『俺も思う。
それなのに敵が来たらすぐ飛び起きて剣握ってるしな。
最早才能かもしれん。』
その後大雨が降り、
ゴーキー、すだち、ライム、カボス、布道、ラガーは
ギャーギャー言いながら霧が消えて雨が止むのを待った。
ミラはその間にも眠り続けた。
雨がミラを濡らそうとも
ミラはお構いなしだった。




