一難去ってまた一難
ラガーとレティアは屋根から飛び降りる。
目の前は誰かの家の真ん前の狭い道路だった。
3人の男が立っている。
チンピラのような見た目でいかにも悪だ。
1人は歯が全くない男で、
1人は髪が全くない男、
最後の1人は、酒を煽りながら剣を握っていた。
年齢は、歯無し20代、髪なし30代、酒煽り男50代といったところだろうか。
歯無し『果実団とか言う奴らはお前らか?』
ラガー『そうだけど?
この町に何の用だ。』
髪なし『幻の鴉が放蕩地区で出たと聞いて向かったついでにこの街に寄ったんだよ。
果実団、いつも俺らのお宝を勝手に奪っちまうよなぁ!!
許せねえ!!』
ラガー『そもそも、お前らが人から物を盗まなきゃいいだけだろ!?
俺らはお前らに盗まれた物を、依頼人のために取り返してるだけだっての。』
酒煽り男『それだって立派な盗みだろぅがぁっ!!ひっく!!!』
酒煽り男は相当酔っており、
1.5メートルくらいの距離がありながら
酒の匂いが漂ってきた。
歯無し『まあいいぜ。幸いヒョロイお前と弱そうな女が相手だ。』
歯無しと髪なしが剣を握る。
髪なし『お前らを殲滅してやる!!!』
ラガーは余裕の笑顔で地面を蹴り、
一瞬で男たちの方へと一目散に向かった。
レティア『はやい!』
バキッ、ドスッという鈍い音が聞こえたと思ったら、
ラガーの前で3人の男は気絶して倒れていた。
レティア『な!?』
レティアはラガーを見た。
ラガーはレティアの視線に気付き、レティアにニッと笑って見せた。
レティア『あなた‥人間なのよね?』
ラガー『そうだ!』
レティア『驚いた‥こんなに強いんだもの‥』
ラガー『ありがとう!
だが、まだ終わってないぜ!
レティア、縛るの手伝ってくれ!』
レティア『ええ!』
レティアはラガーと共に、男3人の足と腕を縛り上げた。
ラガー『よし!上に登るぞ。
誰が手こずってるか‥見なきゃな!』
ラガーが建物の上に登る。
それに続いてレティアも登った。
ラガー『こいつらはさ、下っ端なんだ。
だから弱い。俺でも簡単に倒せる。
盗賊団蟒蛇のボスとその取り巻きが
恐ろしく強いんだよ。』
ラガーは望遠鏡を取り出してのぞいた。
レティア『何も知らずに着いてきてしまったけど‥
盗賊団蟒蛇って、どんな奴らなの?』
ラガー『あいつらは本当の盗賊団だ。
盗むためなら平気で人も殺すさ。
いろんなところで悪さしてるみたいだぜ。
あいつらは、逃げ足が早いんだ。
行方をくらますのが上手い。
レティア、油断せずにな。』
レティア『わかったわ。』
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ミラは屋根から飛び降りると、一瞬、盗賊の男たちの方を向いた。
男たちがミラに気づいたのを確認した後、
ミラは全力で走り出す。
錆びた遊具のある小さな公園に入ると、ミラは不意に足を止めた。
ついてきたのは、
刺青だらけの男と、片腕のない男だった。
刺青男『お前がミラか。』
ミラ『‥‥。』
片腕の男『小柄なのに1番強いんだって?
すげえ奴だ。
だが‥俺はお前に今日ここでくたばってもらう。
そうしなきゃ、俺らが殺られるからな』
刺青の男は、剣を構えた。
片腕の男は、銃をミラに構える。
ミラ『銃か‥得意じゃないな‥』
ミラはボソッと呟いた。
その声を聞き逃さなかった片腕の男は、
銃の引き金を引いた。
パァン!という音が、あたりに響き渡る。
ミラに懐いていたイーグルが、
どこからともなく
キィーッという鳴き声をあげて舞い上がる。
片腕の男『殺ったか!?』
片腕の男が目掛けて撃った先に、
ミラの姿はいなかった。
片腕の男『何!?!?確かにいま‥目の前で‥
ん!?』
片腕の男は、ふいに
首筋に冷たい何かが当たっていることに気づいた。
刺青男『おい!!ジャン!!
後ろ!!』
片腕の男、ジャンは、
視線で 自分の首を見た。
ミラが一瞬のうちに、
首に短剣を当てがっていたのだった。
片腕男ジャン『何!?!?』
ミラは銃を握るジャンの手首を捻り上げた。
ジャン『痛っ!!!』
ガチャン‥と銃が地面に転がり落ちる。
ミラは銃を拾い上げた。
ジャン『お前‥どうなっていやがる!!!』
ミラ『銃は嫌いなんだ。
‥この世から抹消したいほどに。』
そう言うと、ミラは銃を高く掲げ、
弾がなくなるまで引き金を引き続けた。
あたりに
バン、バン、という銃声が響き渡る。
刺青男『な!なにを!!!』
銃弾がなくなったのを確認すると、
ミラは足で思いっきり踏みつけ、銃を破壊した。
ジャン『ひぃっ!!!』
ジャンは後退りする。
刺青の男は、剣を持ってミラに飛び掛かる!
ミラは自身の短剣で男の攻撃を受け止めた。
キン、カキン、という
剣の音が響き渡る。
刺青男『随分余裕だな!!』
ミラ『まあな‥‥』
すると、ジャンが背後にまわり、ミラを押した。
ミラは体勢を崩し、前のめりによろける。
刺青の男は、その隙にミラの左腕を斬りつけた!
ミラの腕から血が噴き出す。
ミラは一切動じずに、ジャンの首元に手刀を入れる。
ジャン『うっ‥!』
ジャンはドサッとその場に倒れた。
ミラ『んっ‥!』
ミラは斬りつけられた腕を押さえる。
体が震えて動かなくなったのだ。
刺青男『あーっはっはっは!!
効いてきたな!!!!
この剣には毒が塗ってあるんだよ!!
お前の体は麻痺してきているんだ!!
かなりの猛毒だ。
お前も終わりだ。残念だったな!!』
ミラ『くっ‥‥』
ミラはガクッと膝をついた。
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ーその頃、柚子たち 南の港にてー
柚子『ミラの采配の通り!
3人で1人倒したわね!
ふぅ、これでよしっと。』
柚子は気絶した男の足と腕をしっかりと縛り、
最後はタルにくくりつけた。
盗賊の男は大きなタンコブが頭にいくつもできていた。
桃『さすがはミラね!!
私たち街の中心へ行ってゴーキーと合流しましょう!』
いちご『ええ‥‥!』
3人は街の中心へと走ったのだった。
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イーグルが再び、キィ!と鳴く声が響く。
ラガー『あっちの方角‥!
公園の方だな‥!
レティア、行くぞ!!』
レティア『ええ!!』
レティアとラガーはその方角へと走った。
走っている最中、
『キャーーーーーーッ』という叫び声が響き渡る。
桃の声だ。
ラガー『!
桃か!?
レティア!!手分けだ!!
公園の方に向かってくれ!!
俺は桃の方に向かう!!』
レティア『わかったわ!!』
ラガーは桃の悲鳴の方へと一目散に駆け出した。
レティアもイーグルが声を上げる公園の方へ
全力で走るのだった。




