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【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


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お頭ミラと相棒ラガー

ラガー『ママ。女の子は目覚めた?』



ママ『いいや。まだだ。』




ラガーとママと呼ばれる女は

眠っている女の子を見下ろした。


髪は青緑色に黒が混じっていて

肌は真っ白。

体は傷だらけだった。

皮膚は焼け爛れており

あちらこちらから血が滲んでいる。



ママ『どこでこの子を拾ったんだい?』



ラガー『放蕩地区さ。』



ママ『ああ、あんたたちが変な鴉が出たとか言って向かったとこ?』



ラガー『そうだ!!』



ママ『ふぅん。』



ママは煙草に火をつけた。



ママ『見ない服装だね。』



ラガー『ああ‥

大丈夫かな‥

全身怪我してるからさ。』



ママ『さあね。

ミラが帰ってきたら

薬草を調合するだろう。


もしも目覚めなければ

それはこの子の寿命さ。』



ママはふぅっと煙を吐いた。



すると盗賊たちが帰ってくる。



柚子『ただいま!ママ。』



ママ『おかえり。』



桃『女の子はどう?』



ラガー『全く目覚めないぜ‥』




いちご『‥‥何が‥‥あったのかしらね‥‥』




柚子『本当にね。

痛々しい傷だわ‥‥』



ゴーキー『女なんて助けずにそこら辺に捨てちまえばいいものをよ!!』



ライム『まあそう言うなって。』



ミラだけはまだ帰ってこなかった。



桃『あれ?ミラ、先に向かったのにまだいないんだ。』



ママ『草を探してるんだろう。』



布道『そうだな。

んじゃ俺は風呂入ったらまた行くぜ。』



ママ『まだ変な鴉を探しに行くのかい』



布道『当然さ。あの盗賊団より先に

見つけられてたまるか!』



布道は去っていく。

カボス、すだち、ライムもどこかへ行ってしまった。



入れ違いでミラが入ってくる。

たくさんの草を抱えてやってきた。



桃『あ!ミラ!!』




ママ『おかえり。』



ミラ『ああ‥‥

ママ、すまないな。いつも世話になって。』



ママ『いいのさ。

お前はいつも 私に良い物

持ってきてくれるからね。』



ママは笑った。



ミラ『目覚めないのか。』



柚子『そうみたい‥』



ミラは今採ってきたであろう草を

すり鉢とすりこぎでゴリゴリと砕き始めた。



桃『ミラってさー、本当すごい!!

なんで、草見ただけで薬作れるの?!

お医者さんみたいじゃん!!』



いちご『‥‥ね。

‥盗賊らしくないくらいの‥博識‥‥』



ママは2人の会話を聞いてつぶやいた。




ママ『‥彼奴ミラも訳ありなのさ‥‥』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ミラは調合した薬草を

眠ったままの女の子の口元に流し入れた。


塗り薬も作ったようで、ミラは女盗賊たちに言った。



ミラ『柚子、桃、いちご。

服で覆われた部分に塗ってやってくれ。』



柚子『わかったわ。』



柚子は器を受け取った。



ミラ『ママ、あとは頼んだ。

俺もまた探してくる。』



そう言うと、ミラも外に出てしまった。



ラガー『ミラ!待ってくれ!俺も行く!!』



ラガーも大急ぎでミラの後について行った。



桃『気遣いも素晴らしいよね‥

はぁ‥♡ミラ‥謎多きイケメン‥♡』



柚子『心の声ダダ漏れよ、桃。』



ゴーキー『ふん!俺は寝るぜ!!』



ゴーキーは去っていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ー深夜ー



『‥ニア‥!ンダー‥!

ソニア‥!サンダー‥!

目を開けて‥いかないで‥!』



いちご『‥‥うなされてるね‥‥‥‥』



柚子『よほど辛いことがあったのね‥‥』



桃『‥zzz』


桃は机に突っ伏して寝ていた。



ママも部屋に入ってくる。



ママ『うなされてるのか。』



柚子『ええ‥‥』



ママはうなされて大量の汗を滲ませている

女の子の額に

絞ったタオルを置いた。



ママ『この子も訳ありだろうね。』



するとミラが帰ってきた。



いちご『ミラ‥‥!』



ミラはすぐに女の子の眠る部屋に入った。



柚子『すごくうなされているの‥』



ミラはその姿をじっと見つめた。



ミラ『そうか‥

だが、意識が回復してきたようだな。

もうすぐ目覚めるだろう。』



ミラは口元を覆っていた布を剥ぎ取ると

優しく笑った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ー朝8時ー




『はっ!!!!!』



女の子が飛び起きる。



辺りを見渡すと、初めて見る空間が目の前に広がっており

ベッドに寝かされていたことに気づく。



50代くらいの女性が近づいてきて

声をかけられる。



ママ『目覚めたかい。

ミラ!目覚めたよ。』 



それを聞いて、ミラたちが駆けつける。



柚子『よかった!目覚めたのね!』



ラガー『みんな心配してたぜ!!』



ミラ『大丈夫か?嬢ちゃん、名前は?』



『レティア‥‥』



桃『可愛い名前ね!でも初めて聞く名前。』



ラガー『レティア、傷だらけだったけど

何があったんだ?』



レティアは何が何だかわからない。

天界から死ぬために飛び降りたのだ。

ここは、天国なのか?地獄なのか?

‥‥全くわからない。



レティア『あの‥ここは、天国ですか?

それとも地獄でしょうか‥』



みんなそれを聞いて

頭の上に はてなマークを浮かべる。



ゴーキー『頭打って、おかしくなっちまったんじゃねえのか!?』



カボス『ここは、凋落ちょうらくの街だ。

レティアは放蕩地区で怪我だらけで倒れてたんだぜ。

元々、どこに住んでたんだ?』



レティアは初めて聞く地名に頭が混乱した。



レティア『あの‥私は天界に住んでいたのだけど‥』




ライム『テンカイ?そんなとこあったっけか?』



すだち『まあ‥世界は広いから俺らが知らない国かもしれないな!!


そのテンカイってとこはどこら辺だ?』



すだちは地図を広げた。



レティア『この地図には載ってなくて‥

空高くにあるところなのだけど‥‥』



皆はそれを聞いて 呆気に取られる。



ゴーキー『やっぱり、頭狂っちまってるぜ。

テンカイって、天の界って書いて、天界のことか!?』



レティア『ええ‥そうだけど‥‥』



ゴーキー『んじゃお前はなんなんだ?人間じゃねえのか!?』



レティア『私‥天使で‥』



ゴーキーは吹き出した。



ゴーキー『おいおい!自分で自分を天使とか言う女を初めて見たぜ!!!』



ラガー『やめろって。ゴーキー。


レティア。お前はテンカイ?に住んでいた

天使だったんだな?

‥‥ここは、人間界だぜ。

俺らみんな、人間。』



レティア『!』



レティアは、人間界に落ちてきたことを知る。



レティア『私は、生きていると言うの?』



ラガー『ああ。無事に目を覚ましたぜ!』



レティアは背中を見る。

翼が消えていた。



ライム『多分、疲れちまってるみたいだから、

俺ら、お暇するぜ。』



ライム、カボス、すだち、ゴーキー、柚子、桃、いちごは去っていった。




ミラとラガーがレティアの前に残る。



ミラ『‥お前は天使だったのか?レティア。』



レティア『‥ええ。

翼があったはずなのだけど‥‥』



ミラとラガーは顔を見合わせる。


ラガーが部屋を出て何かを持ってきた。



ラガー『これか?』



レティア『はっ‥!』



ラガーは漆黒の翼を持っていたのだった。

血だらけでぐちゃぐちゃになっている。



レティアはこくりと頷いた。



ミラ『そうか‥‥』



レティア『‥‥。助けてくれてありがとう‥。』



ラガー『いいんだ。


俺らは盗賊でさ。

ミラがお頭なんだ。』




ミラ『俺はお頭なんてタチじゃないんだがな‥

ラガーは俺の一番の相棒だ。』



ラガーはそれを聞いて嬉しそうに笑った。



ラガー『俺らは10人グループの盗賊団だ。


ミラを筆頭に、お宝なんかを【真っ当なルート】で集めたり

何か依頼があれば依頼者の欲しいものを【まともな方法】で手に入れたり

あとは逆に、誰かから不当に盗まれたものを取り戻すような仕事もしてるぜ。


盗賊と聞けば 聞こえは悪いが

俺らは普通とはちょっと違った盗賊団なんだ。


ここら辺の街の治安を守ってるのさ!!』



ラガーは大事な部分を強調してレティアに伝えた。




レティア『正義の味方みたいね。』



レティアは笑った。



レティア『なぜ慈善活動をしているのに

盗賊だと名乗るの。』



ラガー『俺らが自ら正義のヒーロー名乗ってたらダサいだろ!!』



レティアはそれを聞いて吹き出した。



レティア『なるほどね‥‥!』



ラガー『大丈夫だ!ちゃんと依頼人からお金はもらってるから!!

俺らみんな浮浪者じゃないからな!!』



レティア『心配してないわよ、そんなことー‥。』



レティアは面白い人達だと思った。



ミラ『ん‥‥?』



ミラはレティアをジッと見た。



レティア『!?』



ミラ『ちょっとすまない。』



ミラはレティアの腕を優しく掴んだ。



ミラ『もう‥傷が治ってないか?』



ラガー『!?

本当だ!!!!』



見ると、先ほどまで皮膚が爛れ、

血が滲むほどだったレティアの傷口が

全て塞がっていたのだ。



ミラ『すごい回復力だな。』



ラガー『ミラが調合した薬草のおかげじゃないのか〜?』



ミラ『いや‥効き目はあっただろうが

普通ここまで早く回復はしない‥


すごいな。』



ミラは微笑んだ。



ラガー『レティアは天使だったんだもんな!

すげえや!!』



レティアは目を見開く。


レティア『人間なのでしょう‥?

本当に私の話を信じると言うの?』



ラガー『信じるさ。

少なくとも俺とミラは信じるさ!

な!ミラ!』



ミラ『ああ。もちろんだ。』



ミラとラガーは笑った。



レティア『‥‥ありがとう。』



レティアも優しく微笑んだ。



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