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【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


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伏魔殿

レティアは悪魔の姿で

我が子2人を抱きしめる。



声も出さずにただ涙を流し続けていた。



翳丸は立ちすくんでいた。

ソニアとサンダーの死と、悪魔のレティアの姿に‥‥



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ー天界ー



マツリカ『大変です!!ロニス様!!

人間界で悪魔が現れたようです!!

とてつもない邪悪なオーラを放っております!!』



ロニスの部下が走って駆けつけた。



ロニス『何!?!?

倒した刺客のボスか!?』



ヘリオス『ロニス!!ナルシス!!行くぞ!!』



ナルシス『おう!オルレア!!お前は天界を見張っていろ!!』



オルレア『了解!!』




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ロニス、ヘリオス、ナルシスは

部下達を引き連れて人間界へと急いだ。



ロニス『レティアとソニア、サンダーも人間界にいます!!

3人の身も危ない!!』



ヘリオス『そうだったのか!!

急がないとだな!!

あっちの森の方に邪悪な気配を感じるぞ!!!』



ナルシス『とんでもないオーラだな‥!

殺気がすごい‥なんなんだ‥!!!』




熾天使達は悪魔の気配の元へと急いだ。



ヘリオス『ここだな!!!』



地上に降り、熾天使達は走り出す。



ナルシス『なっ‥!!!!』



ナルシスは後ずさる。



ロニス『‥!?!?

レティア!!!サンダー!!!ソニア!!!』



ヘリオス『何が‥‥‥あったと言うんだ!』



見ると、悪魔の姿になったレティアが

ずっと涙を流し続けている。


心臓を抉り取られ、目を見開き息絶えているサンダーと

全身を切り裂かれて息絶えたソニアを

両手で抱き抱えながら‥‥




ロニス『レティア!!!レティア!!!

ソニア!!サンダー!!


何があったのです!!!』



レティアは声の方を見た。


レティアの赤と黒のオッドアイが

熾天使達を映す。



ナルシス『おい!!!何があった!!!

悪魔のオーラは‥お前だったのか!?

レティア!!!!!!』



レティアは何も言わない。

隣には翳丸もいた。

放心状態だ。



ナルシス『おい!!翳丸だったな!?

何があった!!!』



翳丸『女の叫び声が聞こえて向かった。


向かったらこのザマだ‥

ガキ達が惨殺されていた。』



ロニスは慄いた。



ロニス『な‥なんと‥‥!!!

なんということだ!!!!』



熾天使達は足元を見た。

雨で滲んだ大量の血が あたり一面に広がっていた。




ヘリオス『これは‥‥一体‥‥

誰の仕業なんだ‥‥‥!!!!』



ナルシス『惨すぎる‥!!!!


皆連れて天界へ帰るぞ!!!』




レティアは子供達を抱き抱えながら

仰向けに倒れた。



倒れた瞬間 悪魔の姿は消え、

いつもの青緑色の髪と灰色で乳白色の翼に戻ったのだった。



ロニス、ナルシス、ヘリオスは

レティアと亡骸のソニアとサンダーを抱えて

天界へと戻って行った。




残された翳丸は、ミンの行方を探すために

傷口を抑えながら

【あの扉】の前に向かうのだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ー天界ー



『きゃーーーっ!!!!』



天界では、ソニアとサンダーの亡骸を見た天使達が次々と悲鳴を上げた。



オルレア『な‥なんてこと‥』



首長『誰の仕業なのだ!!!』



ナルシス『一刻も早く、犯人を暴き出すぞ!!!』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


レティアは目覚める。

次の日の朝だった。




レティア『‥‥ソニア‥サンダー‥


蝶々の模様‥‥』



レティアは呟きながら部屋を出る。



いつものいじめっ子達がジロジロとレティアを見た。



『疫病神!!!!』



『今度は自分の子供まで殺されたとか‥』



『お前が殺したんじゃねーの!?!?』



『忌まわしき悪魔め!!』



レティアはぶつぶつと何かを呟く。



『あん?何だよ!!聞こえねー‥』




レティア『黙れ!!!!』



レティアは怒りに震えた。

もう失うものなどなかった。


アウロもラナンも我が子達も亡くしたのだ。



レティア『もう‥なにもかもどうでもいいわ!!!』




レティアは怒りに打ち震えると

レティアの目は青から 赤と黒になり

翼も漆黒に染まった。



『ひ‥ひぃっ!!!悪魔!!!』



レティア『お前らの息の根をここで止めてやる‥‥。

私はもう‥全て‥どうでもいい‥‥!!!』




レティアは笑った。壊れたように笑い続けた。

いじめっ子たちに手を翳した。



『レティア!!!落ち着いて!!』



するとオルレアが走ってやってくる。

純白の翼でレティアを抱きしめた。



オルレア『あんた達!!覚えていなさい!!』



『は!はい!!!』



いじめっ子達はオルレアに睨まれると去っていった。



オルレア『レティア‥辛かったわね。

レティア‥‥落ち着いて。』



オルレアは純白の翼で抱きしめてくれた。


浄化作用があるのか、レティアの翼は普段の色に戻って行った。



レティア『オルレア様‥‥母は‥‥シランは‥?』



オルレア『‥‥‥驚かないで聞いて。

‥突然亡くなったわ。』



レティア『え‥!?』



レティアは目を見開く。



オルレア『首長に案内させるわ‥

内密にね‥まだ、天界で

知る者は‥限られていて‥』



レティア『なぜ亡くなったの‥』



オルレア『‥自死‥

遺書が見つかって‥‥』



レティアは ハッ‥と笑った。


なぜ急に自死などするのだろうか。

ソニアとサンダーが惨殺されたと言うのに。



本当に勝手な女だ。

許嫁ロニスを裏切り

天界が忌み嫌う悪魔の子を身籠って産んで

いじめられているわたしを助けもせず

時たま姿を現しては抱擁して終わりだった。


何が熾天使だ。

我が子も‥孫すらも助けられないくせに

何が最も高貴な熾天使だ。



レティアは錯乱しながら

シランへの憎悪を膨らませた。



オルレアは首長の元へ走りどこかへ行ってしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



すぐに首長がレティアの元に駆けつける。



首長『レティアよ‥‥

本当に、何と声をかけて良いのか‥‥


‥‥こっちだ。お前は入ったことない空間だろうが‥‥』



首長の後をレティアはついていく。


普段過ごしている広間とは違い

空高い場所へと向かう。



高貴な天使達はこんなにも高い天上の空間で暮らしていると言うのか。

翼があっても慣れてないと足がすくむほどだった。



どれくらい歩いただろう。

天界がこんなに広いとは知らなかった。


ふいに首長が足を止めた。



首長『ここだ。』



首長が部屋を開けると、

そこには横たわるシランの姿があった。



レティア『お母さま‥‥』



レティアは声をかける。

手を握るとまだほんのりあたたかかった。



普通に眠っていて、呼吸をしているようにすら見える。

美しい女は、死ぬ時でさえ美しいのだろう。




レティアはあっさりしていた。




レティア『‥‥行きましょう。』



首長『あ、ああ‥‥』



首長はあまりにあっさりしているレティアに

少し驚いたのだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


首長とレティアは広間にまで戻る。



ソニアとサンダーの遺体に、

白い布がそれぞれ被せられていた。


一瞬、シランへの憎悪で

現実を忘れていたが

すぐに引き戻される。



レティア『ソニア‥‥!サンダー‥‥!』



レティアは再び錯乱する。


何故我が子は殺されたの。

何故あんなに残虐に殺されたの。

誰が殺したの‥!

人間?悪魔?それとも‥天界の誰か?

刺客の正体は一体何だったの。

‥母は何を知っていたの。


【サンダーとソニアを連れて人間界へ逃げなさい!!

片時も離れてはいけないわ!!】



母の言葉が頭から離れない。


レティアは頭を抑えた。



レティア『うっ‥‥』


考えるほど、割れるような頭の痛みが襲う。



首長『レティア!!!!大丈夫か!?』



レティア『首長‥‥昨日の刺客は‥

誰なの‥‥』



首長『‥‥知らなくて良い。

知ってはいけない‥‥』



意味深な言葉で誤魔化される。


レティアは何も言わなかった。



一つわかったことがあったのだ。

天界は、伏魔殿のようだと言うことだ。

陰謀が渦巻く世界なのだ。


母を含め皆‥

何かを隠しながら影で暗躍しているのだ。



そうでなければ

簡単に天使達が攫われたり

惨殺されたりするはずがない。


それに、ラナンやアウロ様‥

優しく真面目な者たちばかりが

消えていくはずもない。



レティアは

全てに絶望した。


天界ここも シラン

運命も 我が子を殺した犯人も

ラナンに手をかけたミンも 

アウロを消した何者かにも

いじめっ子の奴らも‥




『全部 ぜんぶ

恨んでやる。』



レティアはつぶやいた。

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