謎の取引
レティアは走って息子と娘を探していた。
『ママー!!』
レティア『!』
レティアはソニアの声で振り向いた。
見るとソニアもサンダーも笑顔でレティアに近づいてくる。
レティア『よかった‥‥あなた達‥。
無事だったのね。
本当に良かったわ‥‥!』
レティアは2人を抱きしめる。
サンダー『ママ、きずだらけだね。
どうしたの?』
ソニア『ほんとうだ!!』
レティアは眉を顰めて笑った。
レティア『‥‥ママね、ドジだから
転んでしまったのよ‥あなた達を追いかけて。』
ソニア『そうだったんだ。ママ、あしおそいから
こんどからゆっくりあるいてあげましょ!
サンダー!』
サンダー『うん!そうしよう!!』
レティア『ありがとう‥2人とも。
そうしてね。2人を見失うと、心臓が止まりそうになるからー‥‥。』
3人は帰路に着いた。
レティアは歩きながら考えた。
何故、ミンがいたのかと。
まるで、自分が其処へ来るのを知っていたかのように。
自分に殺気を込め、剣を向けておきながら、
意味深な忠告をして
最後は追って来なかった。
ラナンに手をかけた残虐な女だ。
失踪した天使達の何らかの手がかりも知っているのではないかと思った。
【アンタが逆上しているうちに‥
あの双子‥どこ行くかしらね。
‥‥これが罠だったら、小娘‥!
手遅れなのよ。】
(ミンが私に殺気を送ってきたくせに!
それの何が罠だ!!!)
レティアはそう思った。
ミンの意味深な言葉を
レティアは何一つ理解できなかった。
ミンが何を考えているのかすらわからない。
我が子に手をかけた女なのだから。
しかし、未だに天使達が度々、謎の失踪を遂げてるため、
ソニアとサンダーのことは絶対に見失わないように
片時も離れないようにしなければいけないと
肝に銘じるのだった。
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ー翳丸とミンー
翳丸『はぁ‥はぁ‥はぁ‥』
ミンと翳丸は2時間ほど戦っていたようだ。
ミンの方が強く、翳丸は満身創痍だった。
翳丸『‥‥‥お前、魔界の奴じゃないだろう?
強いな‥‥どうなってやがる‥‥』
ミンは何も言わずに翳丸を見つめていた。
翳丸『俺は魔界の住人だ。
‥‥命乞いはしないぜ。
魔界では強者こそが正義。
弱き者は捕食対象だ。
俺の負けだ。
煮るなり焼くなり、好きにしろ。』
翳丸は笑った。
清々しいほどまっすぐ笑っていた。
ミン『ああそう。
じゃあ頼みがあるの。』
翳丸『!?』
ミンの意外な言葉に、
翳丸は目を見開いた。
翳丸『‥その前に一つ教えろ。
‥‥知っていたんだろう?
ここが魔界に通ずる道だと言うことは。』
ミン『ええ。』
翳丸『何故あのガキらをこんなところに来るように仕向けたんだ。』
ミン『‥‥翳丸、アンタが此処にいるのを知っていたから。』
翳丸は目を見開く。
翳丸『不気味な女だな‥
俺はお前を知らない。
何故お前は俺を知っている!』
ミン『‥‥私の恩師の娘が
アンタの子を産んだから。』
翳丸『‥!?
お前、天使なのか?』
ミン『そう。‥元、ね。』
ミンは翼を広げた。
抜け落ちた灰色の羽が、宙を舞う。
翳丸『‥‥。訳がありそうだな。』
ミン『話せば長くなるわ。
時間がないの。』
ミンはゴニョゴニョと
何かを翳丸に話した。
翳丸は驚く顔をする。
翳丸『俺が信用できる奴だと思うのか?
妖だぞ!!
あの女にも伝えたぜ。
俺はガキらのことも女のことも興味がない
俺に二度と関わるなと。』
ミン『‥‥アンタは少なくとも、
あの双子を害しはしない。
それに、目を見たらわかるわ。
‥‥アンタこそ、此処で死ぬわけには
いかないんじゃないの?』
ミンは剣の切先を翳丸に向けた。
翳丸はフッと笑った。
翳丸『参った。
‥‥いいだろう。』
2人は謎の取引を終えて去っていった。




