偽悪か真悪か
ミンは背後からレティアの首元に剣を当てがい高笑いした。
レティア『あなたがアウロ様を誘拐したの?』
ミン『何のことかしら。』
レティア『とぼけないで!』
レティアは振り向き
アウロに習った剣術でミンに対抗する。
カキン!という剣と剣がぶつかり合う音が森に響き渡る。
ミン『愚かな小娘‥』
ミンは再び不敵に笑うと
剣の一振りでレティアを吹っ飛ばした。
レティアは地面に叩きつけられる。
レティア『ぐっ‥!!』
ミンはレティアに近づいた。
レティア『アウロ様は‥どこ!!』
ミン『‥知らないわよ。
オルレアの部下でしょ?オルレアに聞けば。』
ミンはぶっきらぼうに答えた。
レティア『オルレア様がそんなことするはずないわ!!
あなたでしょう!?自分の息子にまで手をかけた‥!!!』
ミン『アウロとかいう男に興味ないから知らないわ。』
レティア『ラナンの遺体はどこへやったの。』
ミンは再び高笑いすると言った。
ミン『教えて何になるの?
まさかアンタが、ラナンを生き返らせるとでもいうの?』
レティアはその言葉に逆上し
ミンに刃向かう。
ミンとレティアの力の差は歴然で
レティアの攻撃はかすりもしない。
ミン『キレると周りが見えなくなるのね。
‥‥頭の悪い小娘!』
ミンは急にキッと殺気のこもった目で睨む。
レティアは背筋をゾクリと震わせた。
立ち向かおうとするも、足がすくんで動かないほどの凄まじい殺気だ。
ミン『アンタが逆上しているうちに‥
あの双子‥どこ行くかしらね。
‥‥これが罠だったら、小娘‥!
手遅れなのよ。』
ミンは低い声で言い放つ。
レティアはハッとした。
ソニアとサンダーを探していたのに!
レティアはその言葉を聞いて子供たちを探し始める。
ミンはレティアを追わなかった。
ミン『‥‥‥。』
レティアの背中を、ミンは無表情でじっと見つめていた。
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ーその頃、双子達ー
ソニア『サンダー、にんげんさ、
さいきん たすけても
ありがとうもいわないよね。』
サンダー『たしかに。
ぼくたちをみると
もっとしあわせにしてください!!
とかいってくるひと いるよね。』
ソニア『うん。なんか、わがままだよね。』
サンダー『ね!にんげんをたすけても
ぼくたちの おやつが ふえるわけでもないのにね。』
ソニアとサンダーは無事だったようだ。
人間界で沢山の人を救っているものの、
天の神子のことを知っている人々からは
ソニアとサンダーを見かけると
【もっと幸せにしてください】
【金持ちにしてください】
【名誉が欲しいです】
など、私利私欲に塗れた願いを叶えるようにと
迫ってくるのだった。
天の神子は魔法使いではない。
どんな願いも叶えられる力はないのだ。
ソニアとサンダーには
人間達はとても傲慢に見えるようだった。
サンダー『あ!あのおにいちゃん!!』
サンダーが指差す方に
翳丸が木の上で寝ていた。
翳丸『何だお前らか‥』
ソニア『おにいさん、にんげんじゃないでしょ?』
翳丸『よくわかるな。』
ソニア『うん。ぜんぜんちがう。
なまえは?』
翳丸『俺より強くなったら教えてやるよ。』
翳丸はそう2人に言うと木から降りた。
翳丸『それより、ここから先は行くな。』
翳丸は奥深い森を指差す。
サンダー『なんでだめなの?』
翳丸『魔界に繋がってるぜ。
お前ら、戻れなくなるぞ。
早く引き返せ。親はどこだ。』
ソニア『あ!そういえば
ママ!!』
サンダー『あー!ママのことわすれてた!
ママのけはい、ちかい!』
ソニア『むかいましょ!
おにいちゃん、じゃあねー!』
サンダーとソニアは翳丸に手を振って戻って行った。
翳丸『‥‥。
あいつら、引き離されたな。
わざと女から‥
俺がいなければ
あいつら、魔界の道へまっしぐらだったぜ。』
翳丸は険しい顔をする。
すると、翳丸の前に
女が現れる。
翳丸は剣を握る。
翳丸『お前か?
ガキ達をわざとこの道へ誘ったのは。』
翳丸は鋭い目で睨む。
『ええそうよ。』
翳丸の前に、ミンが立ちはだかったのだった。




