懐胎
ー次の日の8時ー
オルレアとロニスのグループの天使たちは
広間に集まり、集会に参加していた。
位の順に並んでおり、
近くにアウロはいない。
レティアは最後尾に立っていたからだ。
前の方でロニスの声が聞こえる。
レティアにはその声が子守唄のように感じられ
立ったまま眠りそうになった。
ぼんやりと周りを見渡す。
2グループだけで、
こんなにたくさんの天使たちがいることを
改めて認識する。
人間界にいる人間と同じくらい、
天使たちも存在するのだ。
普段はだだっ広い天界の中で
位に合わせて活動や生活が行われ
人間界に降り立ったり、弟子を指導したり
あるいは天の神の御前にいたり
それぞれがそれぞれの役割を果たしているのだ。
自分が出会う天使の数などたかが知れている。
こんな機会でないと、生きているうちに
一度も会わない天使が殆どだろう。
皆の翼は真っ白で綺麗だった。
レティアは最後尾で良かったと心から思った。
自分の醜い翼を見る者がいないからだー⋯。
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しばらく立っていると
レティアは目の前が霞み出す。
まるで天界が揺れているような
目眩を覚えた。
ドサッ と言う音が響く。
天使たちは一斉に音の方へと視線を向けた。
誰かが倒れたのはすぐにわかった。
『レティア!!!!』
アウロはレティアの元へと走った。
レティアを抱き抱えると
ロニスとオルレアもアウロの元へ駆けつける。
オルレア『レティア!!どうしたの!?』
ロニス『大丈夫ですか!?』
アウロ『オルレア様!ロニス様!
レティアは最近、調子が悪そうで‥』
オルレア『そうなの!?』
ロニス『どんな様子で‥!?』
アウロ『昨日は急に吐きました。
後すごく疲れているようで、
座学中に深く眠っていました‥‥
顔色も悪いのです。』
ロニスとオルレアは顔を見合わせた。
ロニスの顔は真っ青だ。
オルレア『急いで医者を呼んで!!!』
オルレアが命令すると
医者と思わしき天使がレティアの元に駆けつけた。
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集会はお開きになり
救護室にオルレア、ロニス、アウロが入り
レティアと医者の様子を伺っていた。
オルレア『レティアはどう‥?』
医者はオルレアとロニスに跪いた。
医者『ご懐妊しております。』
アウロ『なっ!?!?!?』
アウロは声を上げる。
ロニスは真っ青な顔のまま
頭を抑えてよろめいた。
オルレア『ロニス‥!』
ロニス『なんと言うことだ‥
恐れていたことが起きてしまった‥』
アウロ『どう言うことなのですか!?
レティアが‥妊娠!?』
オルレア『幸せを産む天使の候補だったのよ‥
レティアは。
ミンの次のね‥』
アウロ『なっ‥!!!!何ですと!?!?
こんなに幼い娘が‥!?!?
お相手は!!一体誰だと言うのです!!!』
オルレア『私たちもまだわからないわ‥』
ロニス『‥‥胸騒ぎがします。』
ロニスは頭を抑えながら言った。
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幽閉されているシランの元に
リリアがやって来る。
シランはリリアの姿を見るなり
鋭くリリアを睨んだ。
リリア『おめでとう。シラン。』
シランは目を見開いた。
リリアは嬉しそうにほくそ笑んだ。
リリア『あんたの娘、レティアは
処女懐胎したらしいわよ。
今日、集会で倒れて発覚したわ。
幸せを産む天使に選ばれたみたいね!』
シランは魔力を手に込めた。
シラン『お前の仕業ね‥‥リリア‥!!』
リリア『あら物騒ね。
やめてちょうだい。
あんたが悪魔との子供を
望んで産んだんでしょう?
その子が後任にピッタリだったから
選ばれただけよ。』
シランは魔力の玉をリリアに投げつける
リリアの腕に当たった。
リリア『っー‥!この女狐!!』
シラン『なんとでも言いなさい。
但し‥‥娘に指一本でも触れてみなさい。
‥‥どんな手を使っても、殺すわ。』
シランは恐ろしい目でリリアを見つめた。
シランは全身にありったけの魔力を込めて
リリアを威嚇する。
リリアはシランとの あまりの力の差に
ゾクっと背筋が凍った。
リリア『っー!!!』
リリアは去っていく。
シラン『レティア‥‥‥』
シランは呟くと
一筋の涙をこぼした。




