悪魔の娘
ー1ヶ月後ー
アウロ『レティア。
随分と剣術の腕を上げたな。』
レティア『本当ですか?』
アウロ『ああ。
想像以上にお前は才能がありそうだ。』
レティアは相変わらず
暗い表情をしていたが、
常に自分の味方をし
辛い時にずっとそばにいてくれたアウロを
心から信頼しているようだった。
アウロ『次は魔力を使った攻撃で
俺と勝負だ。』
アウロが先制攻撃を仕掛ける。
レティアも魔力を使った技を出そうとする。
レティア『!?』
レティアは手に魔力を込めるも
小さな玉すら出せない。
(‥魔力が‥使えない‥!!??
出ないわ!!)
アウロ『レティア!!!前!!』
レティア『はっ!』
バン!という鈍い音がする。
アウロの魔力を使った火の玉が
レティアの右腕に当たったのだ。
レティア『っー‥!』
レティアは顔を歪めて腕を押さえた。
アウロ『大丈夫か!?
どうした!?』
レティア『すみません‥
魔力が‥出なくて‥』
アウロ『!?』
アウロはレティアの負傷した腕を
魔力で回復させる。
アウロ『きっと、疲れが溜まっているのだろう。
今日は休め。心なしかなんとなく
顔色が良くない気がする。
最近は眠れているのか?』
レティア『確かに、最近夜更かしをしていました‥』
アウロ『きっとそれだ。
睡眠が足りないと、魔力も出せないぞ。
ほら、帰ろう。
座学をするとしよう。』
レティアは返事をする。
二人は天界に戻っていった。
ー夜ー
座学も終わり、部屋に戻ろうとしていたところに
いつものいじめっ子たちがレティアを取り囲んだ。
レティア『今度は何‥』
レティアはイライラしていた。
いじめっ子たちはニヤニヤ笑っている。
『ねえ、いいこと教えてあげる!』
『あんたの父親の正体!!』
レティア『私の父親‥!?』
レティアは目を見開いた。
『あんたの父親は、悪魔よ!!!』
レティア『はっ‥!!!』
レティアは息をのんだ。
『だからお前の髪の毛には黒色が混じって
翼は灰色と乳白色、そして変な形なんだよ!!』
レティアの心臓がドクンドクンと
音を立てるように飛び跳ねた。
全てが繋がったのだ。
『天界の敵である悪魔の娘!!』
『だからそんなに醜いのよ!!』
『忌まわしき悪魔の娘め!!!』
子供達は次々と
持っていた水筒に入った水をレティアにかけた。
レティアはパニックと戸惑いに
吐き気が込み上げてくる。
必死に口を手で押さえた。
レティアのそんな姿を見て、
いじめっ子たちは走って逃げていく。
レティアは急いで部屋に戻り、
一晩中吐き続けた。
忌子、腫れ物、異形、忌まわしい
歪な翼、穢らわしい、醜い、恐ろしい‥
浴びせ続けられた言葉の理由を
知ってしまったのだー‥。
だからアウロは
口を閉ざしたのだ。
天使たちは同じ階級同士でないと
結婚できないと習った時に。
アウロはレティアが悪魔の娘だということを
知っていたのだ。
【天使たちは、天界と人間界の平和を望んでいる。
魔界の奴らは碌なことをしない。
天界と魔界の戦争で大勢の天使たちが死傷した。
いつか魔の神を倒す】
こんなことをアウロが言っていたのを思い出す。
自分の父がまさか
天界が忌み嫌う
魔界にいる悪魔ー‥
(なぜ熾天使の母は
悪魔との子供を産んだのだろう
天使たちの敵である、悪魔と‥
なぜ‥)
レティア『なぜ‥‥』
レティアは吐きながらつぶやいた。
それを知りながらも
レティアの味方をしてくれた
アウロやオルレア、ロニスに
心の中で感謝したのだった。
そして忌子なのに 天界に居させてくれた
首長にも感謝した。
レティアはこの時ばかりは
心から母を憎んだ。
天界の掟を破り
まさか悪魔と結ばれるなんて‥
こんな残酷な現実
他にあるだろうか。




