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幸せを産む天使  作者: 墨華


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19/32

暗躍者たち

ラナンが亡くなってから

二週間ほど経った。



レティアは少しずつ元気を取り戻していたが

精神的ダメージは未だ癒えないようで

ラナンと出会う前のように常に俯き

笑顔も見せなくなってしまった。



レティアはアウロと共に、

修行や人間界への見回りをを再開していた。

何かをしている方が気が紛れると気づいたからだ。



ある日、修行も見回りも休みの日に

同年代の子どもたちに囲まれた。



『あんたのせいで、ラナンは死んだみたいね!!』



『なんでラナンが‥!!

ラナンのこと、好きだったのに!!!』



『お前がいなければ!!

ラナンは死ななかったんだぞ!!!』



『なんで、あんたじゃなかったの?

死ぬの!!ねえ!!なんでよ!!』



その言葉たちは

ナイフのようにレティアの胸を抉る。


そんなことは1番自分が感じていたことだ。

自分が死ねば良かった。

レティアもラナンのことが

心から好きだったのだ。



レティアは俯いて口を開く。



レティア『私だって思ってるわ!!そんなこと!!

自分が死ねば良かったって!!毎日思っているわ!!!』



初めて言い返してきたレティアに

子供たちは怯んだ。



『あんたのお母さん、シラン様は

どこかに閉じ込められているらしいわね!!

罪人のように!!

1番部下のミン様が我が子に手をかけたから!!』



レティア『!!!

なんですって‥!?』



レティアは目を見開く。



『最も高貴な熾天使という肩書きが

塗り替えられるのも時間の問題さ。


そしたらお前も終わりだな。

シラン様の娘だったから、まだかろうじてここにいられたけど

お前みたいな異形は、親の七光すらなくなれば

くたばっていようが誰も気にも留めないさ。』



アハハハハ、と子供たちは高笑いする。



『聞き捨てならないですね!!!』



子供達はその声にビクッと肩を振るわせる。



レティアは跪いた。

子供達もすぐに、熾天使だとわかった。


ロニスだった。



ロニス『‥‥お前たち。

リリアの配下グループですね。


なんて残酷なことを言うのですか!!!

どこでそんな言葉を習ったのです!!』



『も、申し訳ございません』



子供達は慌てて頭を下げた。



ロニス『謝るのは僕にではありません。

レティアにでしょう!!!』



『ごめんなさい‥‥』



子供達は次々とレティアに謝った。



ロニス『あなたたちの師匠はルリハですね!!

厳しく罰さないといけないようですね。』




ロニスは美しい黄色い瞳で

子供達を見下ろし鋭く睨んだ。



ロニス『レティア。行きなさい。』



ロニスは優しくレティアをその場から逃した。



レティア『ありがとうございます‥‥』



レティアは小走りで立ち去った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



シランが幽閉されている

極秘の部屋に誰かが忍び寄る。



『相変わらず、何考えてるかわからない顔してるのね。』



シランは声の方に顔も向けず

小さなちいさな窓から差す

一筋の光を見上げていた。



『いいことを教えてあげるわよ。

と言ってもね、まだ、ほとんど誰も知らないんだけど。』



シラン『‥‥そう。

わざわざご苦労様。リリア。』



シランはぶっきらぼうに答える。



リリア『ふん。いつまでそんな態度でいられるかしら!!』




リリアは嫌な笑みを浮かべて言った。



リリア『おめでとう。

あんたの悪魔の娘、レティアは

次の幸せを産む天使の候補に選ばれたわよ!


喜びなさいね!!』




シランはそれを聞いて

リリアの方を向いた。



シラン『なっ‥!!!!!

ダメよ!!!!!絶対に!!!!!!!』



シランは叫ぶ。



リリアはその声、表情を聞いて

満足そうにほくそ笑む。



リリア『候補、よ。


楽しみね。シラン。


‥‥あなた若くして、おばあちゃんになるかもしれないのよ♡』



シラン『っ‥!!!!』



シランは初めて 余裕のない表情で

リリアを睨みつけた。



リリア『ああ、ロニスに助けを求めても無駄よ。

天の神の御意向なのだから。』



ふふふ、と高笑いして

リリアは去っていく。



シランは静まり返った牢獄のような場所で魔力を込める。



シラン『どうすれば‥‥

レティア‥‥』



すると、誰かが一瞬のうちに牢獄にやってきた。



『シラン様。』



シラン『!!!

‥‥‥ミン‥!』



どうやらミンは、

ラナンから奪った天の神子の技で

天界に侵入してきたようだ。



ミン『計画は順調です。』



シラン『そう‥よかったわ‥』



ミン『シラン様‥?』



シラン『‥レティアがあなたの後任の候補に

選ばれたと リリアが‥』



ミン『な‥!!!』



シラン『‥‥。

‥‥‥‥これを。』



シランはミンに何かを差し出した。



ミン『これは‥‥!』



シラン『あなたたちの

助けになるはず。


‥‥早く行きなさい。』



ミンは跪いて頭を下げた後

一瞬のうちに消えていった。

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