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幸せを産む天使  作者: 墨華


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14/30

嵐の前触れ

8名の子供達の犠牲の後から

天界はどんよりした空気が流れていた。


それでも人間界を守る役目の天使達は

悪魔達から人間を守るために

人間界へ降り立つのだった。



それからも、たびたび天使が失踪した。

今度は子供だけでなく大人の天使もだ。


しかし、最初の8人以外の天使は

遺体も見つからず

生きているのか死んでいるのかさえわからなかった。



レティアとラナンは相変わらず

人間界に行くときはアウロと共に行動していた。



今日は2人とも

修行も人間界への見回りも休みの日だった。



レティア『ねえ、ラナン。

あなたは天の神子よね。


天の神子は特別な力を持つと言われているけれど

あなたはどんな力を授かったの?』



ラナンは辺りを見渡し

誰もいないことを確認してから言った。



ラナン『絶対内緒だぜ。』



ラナンは再び周りを見渡し

レティアの耳元で話し始めた。



ラナン『どんな場所へも

行くことができるんだ。


天界にも人間界にも‥魔界にも

一瞬のうちに。』



レティアはそれを聞いて目を見開いた。



レティア『そうなの!?』



ラナン『ああ。

俺は天の神子だから

人間に俺の姿は見えるけどさ。


アウロ様と地上に降りるとき、

いつも門から行くだろ?

俺の力を使えば、

本当はあの門から出入りしなくても一瞬で人間界に行けるんだ。』



レティア『すごい‥‥』



ラナン『でもさ、母さんから

絶対に誰にも言うなって言われてる。

アウロ様にも言うなと。』



レティア『そうなの‥!?

私に話して大丈夫?』



ラナンは 『だから言わないでくれよな。

アウロ様にも誰にもさ。

母さんはシラン様のことを信頼してるから

娘のレティアには話していいと思ったんだ。』



レティア『わかったわ。約束する。』



ラナン『今度さ、俺の父さんに会ってよ。

天界の話をするんだけどさ

仲良い女の子がいるって話したら

今度会ってみたいって言ってたんだ。』



ラナンは優しい笑みを浮かべて言った。



レティア『私の話をしてくれているなんて。

嬉しい。


会いたいけれど、私はお父様のことを見えても

人間であるお父様からは私の姿は見えないんじゃないの?』



ラナン『俺の父さん、シャーマンの家系でさ。

霊感っていうのか?

普通の人間には見えない幽霊とか物怪が見えるんだ。


熾天使様くらいになると

あまりに神々しすぎてあんまり見えないみたいなんだけど

少しだけ人間に近いレティアなら

父さんにも見えるかも!』



ラナンがわざと位の低い天使と言わずに

気を遣ってくれたのがわかった。

レティアはその気遣いが嬉しかった。



レティア『ねえ、だけど

ミン様は熾天使でしょう?

それなら、ラナンのお父様にはミン様は見えないのよね。』



ラナン『母さんは、【夢幻可視光】という技を持っててさ。

人間にも姿を見えるようにできるんだ。

だから父さんは母さんのことが見えるし、

たまに会ってるみたいだ。』



レティア『ミン様にそんな技が‥‥


何だか、選ばれるべくして選ばれたお二人ね。



ぜひお父様にお会いしたいわ。

でも、今は難しそうよね。


だって‥あんな残酷な事件が多発しているのだから‥‥』



ラナン『‥‥そうだよな。

でも、アウロ様には内緒だからなぁ‥

うーん。


ちょっと考えとくな!』


ラナンはニカッと笑う。




するとどこからやってきたのか

ミンが現れる。



レティア『ミン様‥』



レティアは跪いた。



ミン『ラナン。小娘。

あんた達いつも一緒にいるの。』




ミンは不機嫌そうに言った。



ラナン『俺がレティアと一緒にいたいからだ。』



レティアはそれを聞いてラナンの顔を見る。

真剣な眼差しでミンを見ていた。


ドクン‥とレティアの心臓が高鳴る。



ミン『フン‥所詮ガキのお遊びよ。』




ミンは不敵に笑った。



ミン『ラナン。

今すぐにお父さんのところへ行きなさい。』



ミンはラナンにそういうと

ラナンは一瞬で姿を消した。



レティア『ラナン‥!?』

(あれが‥ラナンの秘技‥)



そして、ミンはレティアに近づいた。



一歩一歩 ゆっくり

レティアを冷たい目で見下ろしながら

歩いてくる。



レティアは冷や汗を滲ませながら

跪いていた。

ミンの振る舞いは 

レティアに重圧をかける。




ミンはレティアの首筋に

剣を当てがった。




レティア『!!!!!』



レティアは恐怖で体が震える。



ミンはレティアを睨める。

一瞬たりとも視線を外さず

レティアの目を捉えたままだ。



ミン『警告するわ。

ラナンに近づかないで。


これから先、ラナンに関わるのはやめなさい。


‥‥‥死にたくないのなら。』




ミンは剣を当てがったまま

レティアの耳元で囁いた。


ゾクリと背筋が凍る。

ミンの殺気でわかった。

忠告を破れば本当に自分を殺る気だと。




『レティア!!!!!!!』



アウロの声が聞こえた。


レティアは目だけでアウロを見た。



アウロは走ってレティアとミンの元へやってくる。



アウロは跪いた。



アウロ『ミン様!!』



ミン『あらあら。


小娘の師匠ね。とんだ邪魔が入ったこと。』



ミンは剣をしまう。



ミンは去って行った。

しかしすれ違いざまにレティアに言った。

アウロには聞こえないように

魔力の膜を使っているようだ。



ミン『少なくとも今日一日

絶対に人間界に降りないで。


アウロも 絶対に

人間界に向かわせないで。』



ミンはそう言うと

一瞬のうちに消えて行った。



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