此処からが地獄の幕開けでも
残酷な描写ありです。
苦手な方 ご注意ください。
女天使の後をついていくと、
広間にたどり着いた。
広間は、主に位の低い天使達が集まる場所だ。
そこには8名の失踪した子供達の遺体が並んでいた。
見るも無惨な姿だ。
母親である天使達も集まっており、
泣き叫ぶ者、発狂する者、失神する者までいた。
オルレア『これは‥‥!!』
リリア『どういうこと‥‥
なんて‥酷いこと‥‥』
腹を裂かれてぐちゃぐちゃになっている子供
四肢を切り落とされている子供
原型を留めていない子供
腐敗している子供‥
あまりの惨さに、
騒ぎを聞きつけた他の天使達も言葉を失っている。
ヘリオス『‥‥あまりにも‥酷すぎる‥
なんのために‥』
シランはひとり、ハッと何かに気づいた。
無言でミンの腕を掴み、
人気のない場所へと移動した。
ミン『シラン様‥?』
シランは2人の会話を聴かれないように
魔力で膜を作った。
シラン『‥あの子供達の共通点に気づいたの。
‥‥水の氣を持つ子供達よ‥』
ミン『はっ‥‥!
‥なぜ気づかなかったのかしら‥‥』
ほとんどの天使は、火の氣を持っていた。
特に熾天使は、炎の氣を持っているのだ。
但し まれに、水の氣を持って生まれてくる天使もいる。
天使達が敵対視する魔界の悪魔達もまた
炎の氣を持っていた。
そのため、水の氣を持つ天使達は
かなり重宝された。
水の氣は、唯一悪魔の弱点だったからだ。
水の中で火は燃えず、
炎すら消せるからだ。
シラン『‥‥‥ラナンも水の氣だったわね。
十分に気をつけなさい。』
ミン『はい‥‥。』
ーレティアsideー
【キャーーーーーーッ!!!】
広間に叫び声が響き渡る。
アウロとラナンとレティアは
その声の元へと走った。
そこには見るも無惨な姿になった
8名の子供達が仰向けに横たわっていたのだ。
アウロ『ラナン!レティア!見るな!!!』
アウロは両手でそれぞれの目を塞いだ。
レティアは見てしまった。
腹を裂かれた子供を
腐ってウジ虫が湧く子供を
もはや原型を留めていない子供も‥‥
恐ろしくてガタガタと震えた。
誰が何のためにこんなことをしたのだろう。
子供を亡くした親達の
劈くような悲鳴や泣き声だけが
広間に響き渡っていた。
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騒ぎを聞きつけた首長がやってくる。
首長『何と惨い‥』
首長は子供達の遺体に手を合わせる。
リリア『はっ‥!
この子達、みんな、水の氣を持つ子供達ですわ!』
ロニス『確かにその通りです。
リリア、よく気づきましたね。』
天界がざわつく。
首長『やはり、考えられることは
悪魔の仕業だ!!
水の氣を持つ天使達を目の敵にする奴らは
炎の氣を持つ者!即ち悪魔以外考えられん!!
皆の者!一刻も早く
人間界で悪魔を探すのだ!!』
広間に集まった天使達は跪き
首長の言葉に一斉に返事をした。
首長『水の氣を持つ者達!
特に気をつけるのだ!!
人間界へ降りる際は必ず複数名で行動し、
視界の悪い場所は特に注意すること!』
首長はそう言い残して去っていく。
シランがレティアの元にやってくる。
シラン『レティア‥‥久しぶりね。』
レティア『お母さま‥‥
怖いわ‥』
シランはレティアを抱きしめた。
シラン『大丈夫よ‥大丈夫‥
レティア‥。』
シランはレティアを抱きしめたあと
直ぐに去って行った。
アウロ『レティアは‥炎の氣だな。
ラナン。お前は水の氣だ。
絶対に1人にならないように。
修行は視界の開けた碧翼国周辺で行い、
人間界を守る時には必ず3人で行動しよう。』
レティアもラナンも頷いた。
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熾天使の中で水の氣を持つのは
シラン、ロニス、ミンだった。
シランとのすれ違い様に、
リリアは言った。
リリア『シラン。あなたの娘は大丈夫よ。
レティアは悪魔の娘。炎の氣なんだから
狙われるはずないわ。
よかったわね。シラン。』
シランは何も言わなかった。
何も言わずに 去って行った。
シランの表情は相変わらず真顔で
何を考えているのかわからなかったが
心なしかいつもより
険しい表情をしていた。




