堕天使ミン
トーアは跪きながら
ミンと会話を続ける。
ミン『トーア。【小娘】は?』
トーア『清光くんのところへ‥‥‥』
ミンは険しい顔を浮かべる。
ミン『ラナンに会いに行くってこと?』
トーア『はい‥‥‥』
ミン『‥‥‥。
小娘に、【あの真相】知られたらまずいわ。
トーア、アンタ。
もしも次、小娘が清光のところに行くと言うのなら、止めなさい。』
トーア『‥‥‥レティアちゃんに敵だと思われてしまいます‥‥‥!』
ミン『フン。構うもの?
もう精霊の国も復活したんでしょ?』
トーア『‥‥‥。
レティアちゃんは既に僕を怪しんでいます。
警戒しているんです。
ミン様と僕が繋がってること、何となくバレてしまったみたいで‥‥‥
僕は、レティアちゃんを傷つけたいわけじゃないんです。』
ミンは はぁ、とため息をつくと、
腕を組んだ。
ミン『まあ、いいわ。
あの小娘は、随分と楽しそうに暮らしてるみたいね。』
トーア『はい。とても良い仲間に恵まれております。』
ミン『ふぅん。
そういえば、操作を解除した人間がいるんだって?』
トーア『あ!はい。
ソニアちゃんとサンダー君を強く思い出すと
希死念慮に駆られる、ティルケの毒針ですよね。
レティアちゃんに何十箇所も刺されていた‥‥』
ミンは静かに頷く。
トーア『はい。
ダリアちゃんっていうティルケ国の暗殺女子が、
操作の毒針を解除してくれました。』
ミン『‥‥‥そう。
私の他に、まさか
ティルケ国と繋がってた【天使】がいたなんてね』
トーアは目を見開く。
トーア『どういうことですか‥‥‥!
まさかティラ王子に、天使の秘技を
授けた者は‥‥‥天使なのですか!?
つまり天使を殺した‥‥‥!』
ミン『それはわからない。
だって私のように、堕天使になった者がいないから。
ソニアとサンダーや、
水の氣を持つ子供達を殺したのが天使なら
もうとっくに堕天使になってるはずなのに。
でも少なくとも‥‥‥
ソニアとサンダーを思い出すと希死念慮に駆られる操作の毒針を刺すように依頼したのは‥‥‥
【天使】でしょうね』
トーア『何故わかるのですか!』
ミン『‥‥‥。
あの小娘が天界から飛び降りた後‥‥‥』
ミン何かを言いかけた時、
不意に誰かが近づいてくる。
『トーア‥‥‥?』
トーア『ソフィア!マルメロ!』
そこにはソフィアとマルメロが立っていた。
マルメロは、ソフィアに聞こえない声で、
【熾天使様‥‥】とつぶやいた。
ミンは、その台詞を耳にして、
声主の方を見た。
ミン『聖獣‥‥‥』
ミンがそう呟くと、ソフィアが首を傾げる。
ソフィア(苺花も、そんなこと言ってたわね‥‥‥)
ソフィアが不意にミンの手首を見ると、
熾天使の証の紋章が入っているのが見えた。
ソフィア『な‥‥‥!
トーア! そのお方は!?
なぜ手首に 熾天使様の紋章が!?』
ミンはその言葉を聞いて
ハッとソフィアの顔を見た。
ミン『まさかアンタ、この紋章がわかるとでも言いたいの?』
ミンは不機嫌そうにソフィアに言い放つと、
トーアが代わりに話し出す。
トーア『彼女はヘレボルスの女王、ソフィアです』
ミンはソフィアを嫌な目つきで一瞥した後
気怠そうに口を開いた。
ミン『ふぅん。』
ソフィアは少しムッとした表情を浮かべたが、
ミンはお構いなしにトーア達に背を向けた。
トーア『どこへ‥‥‥行くのですか』
ミンはニヤリと口角を上げた。
ミン『あの小娘に、ちょっとお灸を据えてやらないとね。』
ミンはそう言い残して、どこかへ消えてしまった。
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ーシャーマンの国ー
レティア達は清光の自宅までやってきた。
レティアがチャイムを鳴らすと、扉がガチャリと開く。
清光が顔を出した。
清光『レティアちゃん!
それに、お仲間さん?』
清光は、皆を自宅に招き入れた。
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一同は、厳重な結界とお札が貼られた部屋に入る。
あまりに美しい ラナンの眠る顔を見て、
ダリアが声を上げた。
ダリア『ラナン‥‥‥!
ホントにラナンだ‥‥!
アタシにいつも、特別な水をくれた‥‥‥』
ダリアはボロボロと涙を流した。
ダリアから 話を聞いていた清光は、
【ラナンに会いにきてくれる友達がいて嬉しいよ】
そう言った。
レティア『ダリア。ダリアの特殊な力で
ラナンを目覚めさせられない‥‥?』
ダリアは悲しそうに首を横に振る。
ダリア『アタシじゃ無理そう‥‥‥』
レティア『そう‥‥よね』
皆は 清光の自宅を後にする。
清光『ありがとう。みんな。
またいつでもきてね。』
清光は柔らかな笑顔で、
レティア達を見送るのだった。
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レティア達が、
ヘレボルスへの帰路に着く最中のことだった。
全員は何処からか殺気を感じた!
ミラ『何だ!』
ダリア『ミラも気づいた?
アタシも‥‥‥』
ラガー『殺気か!?』
3人が互いに背中を預けて辺りを警戒している中、
レティアは胸騒ぎがした。
『ああ。生きてたんだ』
声の先には、ピンク髪の女が立っていた。
初恋の少年と同じ美しい翡翠色の瞳を細めて
レティアを見つめている。
ミンだった。
レティアは 背筋をゾクリと震わせる。
ミラ『レティア!誰だ!?!?』
レティア『ミン‥‥‥様。
ラナンの母親で‥‥ラナンを手にかけた‥‥‥』
ラガー『なんだと‥‥‥!』
ラガーはミンを鋭く睨む。
ミラ、ダリアはもう既に武器を構えていた。
ミン『フフフ‥‥‥』
ミンは不敵な笑みを浮かべながら
レティア達を余裕の態度で見つめていた。




