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【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


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愛憎姉妹


ニゲルとラガーは、滅びていた海珠村について話し始める。



ラガー『それがさ‥‥

地図通りなら、本来海珠村があるはずなんだけど

どこにもないんだ。村なんか。』



ニゲルはラガーの話を聞きながら頷いた後に口を開く。




ニゲル『地図が示す海珠村の場所は‥‥‥

不気味なほどに人気のない森の中でした。


近くに海があるのにも関わらず、人ひとりおりませんでした。


そこで、ダリアの話を思い出し、

神殿を探すことにしたのです。』



ソフィア『そう‥‥‥』



ニゲル『神殿の跡地らしきものはありましたが、

焼けこげた残骸になっていました。』



ダリア『そんなっ‥‥‥!!!!』



ダリアは再び戦慄きながら、

ボロボロと涙を流し始める。



ソフィア『‥‥‥海珠村は、跡形もないというの?』



ニゲル『はい‥‥‥』



ニゲルとラガーは俯いた。



ソフィア『‥‥‥でも、家族が亡くなったと決まったわけじゃない。

証拠が出てこないのだから尚更‥‥。


ダリア。あなたの家族構成は?

私にも詳しく聞かせて。』



ダリア『‥‥‥お父さんとお母さん、

おばあちゃんもいた。

あと弟でしょ‥‥。』



ソフィア『そう。あなたを含めて5人家族だったのね?』



ダリア『あ、あとお姉ちゃんもいたの。

だけど、ある日お姉ちゃんと会えなくなった。


何かに選ばれて‥‥。

名誉なことだって

おばあちゃんや両親が言ってたけど‥‥』



するとソフィアの元に兵士が走ってやってきた。

兵士は息も絶え絶えに ソフィアの前で跪く。



兵士『ソフィア様!!ソフィア様!!』



ソフィア『どうしたの?そんなに急いで。』



兵士『海珠村の件についてです。』



兵士の言葉に、全員は息を呑んだ。



兵士『まず海珠村は滅びています。

何者かによって焼かれていました。


海珠村はもともと、海にまつわる【何か】を鎮めるための祠があり、

信仰心の強い村だったようです。』



ソフィア『そうなの‥‥‥。

ダリア、覚えてる?』



ダリア『‥‥‥なんとなく覚えてる。』



兵士『海珠村の近くの神殿は、天使がいるとされている場所だったようです。 


海珠村の祠に祀られている【何か】と天使の神殿の関係はわかっていません。』



ソフィア『そう‥‥‥』



兵士『あと、ダリア殿の情報を元に、

戸籍を辿ったところ、

ダリア殿の姉らしき人物を発見しました!』



ソフィアとダリアは顔を見合わせる。



ダリア『アタシのお姉ちゃんッ!?』



兵士『はい‥‥!』



ソフィア『確実にダリアの姉なのね?』



兵士『それは分かりません。

戸籍は、海珠村のままで止まっていました。


それに‥‥‥

行方不明の女児として処理されていました』



ダリア『行方不明‥‥‥?』



兵士『はい。

しかし極秘裏でいろんなルートを辿ったところ、

高確率で彼女はダリア殿の姉です』



ソフィア『根拠は?』



兵士『顔がそっくりです。

あと、髪色も‥‥‥



ソフィアは はぁ、とため息をついた。



ソフィア『髪色と顔が似てるってだけで、

確実な証拠にはならないわね。』



兵士『あ、でもその女の血を持ってきました』



兵士は血のついたナイフを取り出した。



ソフィア『何があったと言うの?!』



兵士『ティルケ国周辺で、幼い子供を襲っているのをたまたま目撃しました。


我らヘレボルスの兵士達が子供を庇い、

戦った時に入手しました』



ソフィア『幼い子供を襲っていた‥‥!?』



兵士『はい‥‥‥』



ダリア『そんなッ!アタシの姉は極悪非道だって言いたいのッ?!』



ダリアは怒鳴るように兵士に詰め寄る。


兵士はダリアのあまりの迫力に

冷や汗を滲ませた。



兵士『い、いえ、そんなわけでは‥‥』



ソフィア『‥‥‥あの紙を持ってきて』



ソフィアが家来を呼びつけると、

家来は素早く何かを持ってきた。



ソフィア『レティア達は知ってると思うけど。


この紙の上に血を垂らすと、

血のつながりがあれば光り出すのよ。』



家来はナイフについた血を紙に垂らし、

ダリアも自分の武器で腕を切ると血を垂らした。



すると、その紙は 眩いほどの光を放ち出した。



ダリア『なっ!?』



皆は眩しさのあまり目を細める。



ソフィア『どうやら、姉妹のようね』



ダリアは複雑な顔をしている。



ダリア『ねえ‥‥アタシの姉はどんな人?


‥‥‥もう名前も思い出せないの。』



ソフィア『名前を思い出せない‥‥?

まだ呪いがかけられてるのかしら‥‥』



ダリア『ううん。姉はね、名前じゃなくて

ナントカ様って呼ばれてた。

でもその、ナントカ様、が覚えていなくて‥‥‥』



ラガー『変だな。親は姉ちゃんを名前で呼んでなかったのか?』



ダリア『うん。パパもママも【お姉ちゃん】って呼んでたの。』



ラガー『そうか‥‥』



兵士『あ、魔力で姉の姿を映しましょうか。』



ダリアは目を輝かせる



ダリア『見たい‥‥!見せてッ‥‥!』



兵士は魔法を使って、映像を宙に映した。



ダリア、ラガー、ミラは

ハッ!!!!と息を呑んだ。



ダリア『苺花‥‥‥!?』



ミラ『いちご‥‥‥!?』



ラガー『うそ‥‥‥だろ‥‥?』



ソフィア『な!知り合い!?!?』



ソフィアは、ダリア達の顔を見た。


全員、目を見開いたまま、しばらく動かなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーティルケ国ー



ティラは血走った目で苺花を見つめる。



ティラ『さあ聞かせろ!!』



苺花はニヤリと口角を上げて言った。



苺花『ダリアは私の妹です。』



ティラ『何‥‥!?』



苺花『ふふ‥‥‥面白い話でしょう』



ティラ『お前は、盗賊を偽って自分の妹を監視しながら騙し、金銭を奪い‥‥‥


お前の故郷である海珠村を、俺と共に滅ぼし‥‥

それにより【得た呪い】をダリアにかけ‥‥‥


ダリアがヘレボルスに寝返り、生きていることを俺にバラした。


まるでダリアを殺したいように見える。

恐ろしい姉だな。』



ティラは面白そうに笑った。

苺花も声をあげて笑っている。



苺花『あの子のせいで、私は

海珠村の生贄に選ばれた。


ティラ王子‥‥あなた様がいなければ

私は、死んでいた。


あなたに感謝しているのです。


ダリアが憎い!!!

両親に愛された‥‥‥』



苺花の目は、憎しみが宿っていた。

でもその顔はどこか、ひどく悲しそうに見えたのだったー‥‥



ティラ『まあいい。どのみち、裏切り者は死んでもらう。


面白そうだから、苺花、お前が行け。

ヘレボルスに潜入し、ダリアを殺してこい。


ついでにソフィアとアレヌスも殺してこい。


そうすれば天界に行く機会をやる。』



苺花は口角を上げた。



苺花『‥‥‥ティラ様‥‥‥‥

ありがとうございます。


3人の死体を

必ずや此処に持ってきます』



ティラ『信じているぞ。』



苺花は毒針とナイフを隠し持ち、ティルケ国を出た。



苺花『ダリア‥‥‥死んで。

絶望を顔いっぱいに浮かべて‥‥‥』



ククク、と苺花は高笑いした。





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