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【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


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和解とゴーキーの腕の見せ所

アケミママは、ダリアを睨みながら

玄関を指差して言った。



ママ『今すぐ出ていきな。

ティラの回し者なんか信用できない。』



アケミママは声を荒げる。


ダリアは驚きと悲しみの両方を滲ませて

ママとレティアの顔を交互に見た。



ママ『レティア。ミラは、このことを知っていて今日此処に来たのかい?』



レティア『‥‥‥ええ。』



ママ『全く彼奴もお人よしだね!


さあ出ていきな!

私はミラを傷つけたティラが大嫌いさ。

あの国の暗殺者であるアンタも、

どうせ碌でもないんだろう!』



ダリアはひどく傷ついた顔をした。


レティアはダリアの前に立ちはだかる。



レティア『ママ!!落ち着いて。』



レティアは宥めるように

ママの手を取って 優しく握る。


アケミママは少し怒りを落ち着かせたようで、

険しい表情を少しだけ緩ませた。



レティア『ママ、聞いて。


ダリアの故郷は、海珠村なの。

知ってる?』



ママ『‥‥‥海珠村‥‥‥‥』



ママは考えるように目を細める。



レティア『ダリアは病気の弟がいたの。

だけど、貧しくて治してあげられなかった。


ダリアは神殿に毎日通って、弟の病気が治るようにと願ったの。


ある日、いつものように

神殿に向かっていたところを誰かに殴られて‥‥

目覚めた時には、ティルケ国にいた。

それでダリアは暗殺者として育成されたのよ‥‥』



ママ『なんだって!?!?』



いつも冷静沈着なママが、目を見開いて叫んだ。



ママ『どこまでも腐ってやがるね!!!

あのティルケって国は!!!!』



ママは拳を握りしめて

ワナワナと震えている。



レティア『‥‥‥‥そう。

だから、ダリアのせいじゃないの‥‥。』



今度は、ダリアが静かに口を開き始める。



ダリア『‥‥‥アタシは六年間

暗殺者として生きてきた。


今回の標的ターゲットは、

ヘレボルス女王のソフィアと弟のアレヌス。


でも殺せなかった。

天使様レティアがいたから。』



ダリアは静かに涙を流す。



ダリア『ティルケ国の王子ティラは、

女の子達に暴力するって有名なんだ。』



アケミママの表情がみるみる変わる。

鋭い目つきで、一点を見つめている。



ママ『レティア。ダリアはミラの過去は知ってるのかい?』



レティアは首を横に振る。



レティア『ティラと因縁があることしか。』



ママ『そうかい。それなら本当なのだろうね。』



続けて、とママはダリアに促す。



ダリア『ティラ王子に乱暴された女の子達が

どんなに訴えても権力で揉み消される。

何なら、失踪した子もいた。


ティラ王子には、どんな証拠があろうとも裁判で勝てない。』



ダリアが言い終えた後、

レティアが口を開く。



レティア『ママ。私の殺された娘は、

【真実を暴く力】を持っていたの。


権力や富で絶対に勝てないような裁判の判決すらも翻すことができる‥‥‥』



ママは目を見開いた。



ママ『そんなすごい力が‥‥‥』



レティアは首を縦に振った。



ダリア『だから、レティアの娘ちゃんの、

【真実を暴く力】を貸して欲しかった。


そしてティルケ国が暗殺国家ということも世に知らしめて

もう、こんな生活やめたかった。』



ダリアは、天使の男の子、ラナンが

会うたびに天界にある特別な水をくれたこと、

その水を飲むと弟がみるみる元気になったことも話した。



そして、ティラ王子が

【不思議な羽の生えた生き物を呼び、天界に行く】ことができる

天使の秘技を持っていることも話した。


   

ダリア『だから天界に行きたかった。

ラナンと、ソニアちゃんに会うために。


その機会を得るために、任務を遂行し続けた。

‥‥‥人を殺してさ。』



ダリアは暗い顔をした。


アケミママは煙草を取り出して咥えると

火をつけた。



アケミママ『何が正義で悪なのか、もうわからないね。』



ママはふぅ っと煙を吐いた。



ママ『でもアンタも被害者ってことはわかる。


暗殺しなければどうなるんだい?

失敗することだってあるだろう?』



ダリア『殺される。』



ダリアは寂しそうに笑った。

アケミママは舌打ちした。



ママ『何だいそれは!!

とんでもないね!!』



ママは机を思いっきり叩いた。

バン、と言う音が響く。



レティア『それで今回ここに来たの。


ゴーキーが偽の死体を作るのが得意だってミラが。』



ママ『なるほどね!!

それがいいよ!!!』



ダリアはママの言葉を聞いて、驚きの表情を浮かべた。



ダリア『なんで‥‥


暗殺者のアタシなんかを、みんな助けてくれるの?』



ママはダリアの顔を見る。

困惑しているようだった。



ママ『アンタだって誘拐されなきゃ、その海珠村?ってとこで、楽しくやってたんだろう?


家族と6年も離れ離れになって。

そんな辛いことないじゃないか。


殺さなきゃ、自分が殺されるなんて

そんなの捨て駒かってんだ。』



ママは煙草を思いっきり吸った。

一瞬、火がジリリと赤く燃える。


あんまりに強く吸ったので、

アケミママは咳き込んだ。



ママ『さっきは取り乱して

酷いこと言って悪かった。


アンタも大変だったね。

できることがあれば、なんでもやるよ。』



ママは優しい笑顔をダリアに向けた。

ダリアは涙をポロポロと流しながら、

【ありがとう】と呟いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゴーキーとミラが2階から降りてきた。


ゴーキーはレティアの姿を見て

よっ、 と手をあげた。



ゴーキー『天使女!!!相変わらずじゃねえか!!!』



ゴーキーは外にも聞こえそうな大声で喋り出す。



レティア『ゴーキー!お久しぶり!』



レティアもゴーキーに明るく声をかけた。



ゴーキー『話はミラから聞いた!!!


おいそこの人殺し女!!!!』



ゴーキーは煽るようにダリアに言い放つ。

ダリアはムッとした顔をする。



ゴーキー『なんだぁ!!その顔はよぉ!!

朝早くから人をこき使いやがって!!


お前の命救ってやるんだから文句出すなってんだ!!』



ダリアはワナワナと震えながらも、

必死に怒りを抑えているようだ。



ミラ『おい、そんなに煽るなよ。』



ゴーキー『るせーーーっ!!!

起きてやったんだぞ!!感謝しろ!!

ったくよぉ!!!』



ゴーキーはぶつくさと呟きながら、扉を開けた。



ママ『どこ行くんだい。』



ゴーキー『人殺し女の偽の死体を作るための材料調達だよ!!』



ミラ『待て!ソフィアとアレヌスの偽の死体を作るんじゃないのか?

任務遂行したように見せかけて‥‥‥』



ゴーキー『バーロー!!!!』



ゴーキーは声をさらに荒げた。

アケミママに至っては耳を塞いでいる。



ゴーキー『それじゃ、すぐにバレるだろ!?

標的ターゲットが生きていることがよぉ!!


ソフィアとアレヌスは王族なんだろ!?

ただのそこらの人間じゃねえんだから!!


国を巻き込んだ大騒ぎになる。

すぐにこの人殺し女が、情に絆されて

任務失敗したことが

ティラにばれるに決まってんだろ!!』



ミラはその言葉にハッとした。



ミラ『お前の言う通りだ、ゴーキー!!


俺はずっと、任務を遂行したように見せかけようとしていたが‥‥‥

それじゃ、ダリアが殺されるな‥‥‥。


ダリアの死体を作った方が、確実だな!!


それに死んだ事になれば、もう二度と暗殺しなくていい。』



レティア『なるほど‥‥!!!

ゴーキー!!頭いい!!』



ママ『珍しく頭の回転がいいじゃないか。』



レティアとママは歓声を上げる。



ゴーキー『そうだ!!わかったか!?

この馬鹿!!!』



ゴーキーはそう吐き捨てると、ママの家を出て行った。






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