アケミママとの再会、ダリアとの不穏な空気
ー朝の5時ー
3人は凋落の街にたどり着いた。
朝早いため、まだ辺りは静かだ。
ダリア『ここがミラの故郷?』
ダリアは街を見渡しながらミラに問いかける。
ミラ『故郷ではないんだが、しばらくここに住んでいたよ。』
ダリア『そうなんだ。
城とは全然雰囲気違うけど、楽しそう。
ルールとか厳しくなさそうで。』
ダリアは純粋な笑顔を見せた。
ティルケ国ではきっと
いろんな掟や法律があるのだろう。
凋落の街は、秩序やお堅いルールなど存在しないのだ。
レティア『ダリアもそう思う?
私も初めて、この街に住むミラ達を見たとき、
そう思ったわ。』
ダリアとレティアは笑った。
ミラも続いてフッ‥‥‥と笑った。
ダリア『もうさ、一回
掟のことも任務のことも全部忘れて
‥‥‥自由に生きたいな。』
ダリアは寂しそうに笑う。
もう、そんなこと
いつの間にか諦めていたかのような台詞だった。
ミラ『何言っている。
これから、自由になるだろう?』
ミラはダリアに言った。
ダリアは勢いよくミラの方向を見た。
ダリア『でもさ、うまく欺けるかな‥‥
それに相手は国だよ?いくら何でも‥‥』
ダリアは俯いて、ポツリと呟く。
ミラ『お前の仲間になったソフィアはヘレボルスの女王だぞ。
まあ、アレヌスに王位を譲るらしいが、
まだ正式に譲っていないのだから、彼女は女王だ。
個人vsティルケ国じゃないんだよ。』
ダリア『そう‥‥なの‥‥‥?』
ダリアはまだ不安そうだ。
ミラは話を続ける。
ミラ『ティルケ国のティラが、
暗殺者を送り込んだのだろう?
次期国王と現女王を暗殺するために。
なおさら、
国と国の対立なんだよ。』
ダリアは納得したように、
コクコクと何度か頷いた。
ミラ『俺も、レティアも、ソフィアも、
トーア達もいる。
俺の盗賊団もいる。
何を憂うことがある。』
ミラは力強い笑みを浮かべる。
ダリアは涙を光らせながら、再び深く頷いた。
ミラ『それじゃ、ママんところ行こう。』
ミラは歩き出す。
レティアもダリアの腕を引いて、ミラの後についていく。
レティア『アケミママって言うんだけどね、
すごく優しいの。
ダリアもきっと気が合うわ。』
ダリア『ホントに?
嬉しい。楽しみだな。』
レティア『ミラの盗賊団は、果実団って名前なんだけど、
みんな若い人ばかりで優しいからね。
あ、ゴーキーっていう男の人は最初は少し怖いけど、
根は悪い人じゃないから。』
ミラはレティアの説明を聞いて吹き出した。
ミラ『たしかにゴーキーは口悪いし攻撃的だし、
女を敵対視してるところがあるからな。
ダリア、あまり挑発はしないでくれ。』
ダリア『わかったよ‥‥。
あのおっさん‥‥じゃなかった、ニゲルより、口悪い?』
ミラ『ああ。ニゲルなんか可愛いもんだ。』
ダリア『げぇっ〜!!!』
ダリアは舌を出して顔を歪ませた。
レティアもミラもその姿を見て再び笑った。
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ミラ達はママの家の前までたどり着く。
扉をノックすると、
家の奥から物音が近づいてきた。
ギィィと音を立てて開くと、
寝起きのママが顔を出した。
アケミママ『何だい、こんな朝早くに‥‥
全く‥‥失礼な奴‥‥‥』
アケミママは ぼやきながら顔を上げる。
そこには、ミラとレティアが立っていた。
ママは一瞬のうちにとびきりの笑顔を2人に向けた。
ママ『ミラ!!!元気にしていたかい??
それにレティアも!!!
少し焼けたんじゃないかい?』
ママは、ミラとレティアとの久しぶりの再会を
とても喜んでくれているようだ。
ミラ『ママ。変わらずだな。元気だったか?』
ママ『ああ変わらないさ。
そういえば、ヘレボルスの国王が亡くなったね。
戦があったと聞いた。
王妃の悪事や、王子の父が国王じゃないって話も聞いたよ。
アンタ達が戦ったんだろう?』
レティア『そうよ。ママ。』
アケミママはフッ‥‥と顔を綻ばせる。
ママ『全く、大したもんだよ。あんた達は。』
ママが中に入るように促す。
3人はママの家に入った。
ミラ『ママ。ゴーキーはいるか?
急いでいるんだ。』
ママ『ゴーキー?
ああ、上で寝てるよ。』
ミラ『そうか。ちょっとお邪魔するぞ。』
ミラはママの返事を待たずに2階に上がって行った。
ママ『レティア。何をそんなに急いでいるんだい?
それで、その女の子は?』
ダリア『初めまして‥‥。アタシはダリア。』
ママ『綺麗な顔してるね。スタイルいいし。』
ママはダリアの姿を見て言った。
よく見るとダリアは、深いピンク色の瞳をしていた。
身長は高めで、本当にスタイルが良かった。
ダリアがなかなか言い出せない姿を見て、
レティアがママに訳を話した。
レティア『驚かないで聞いてね。
ダリアは、ティルケ国の暗殺者なの。』
ママは持っていたグラスをその場に落とした。
パリン、と地面に砕け散った音が響き渡る。
ダリアはそんな姿のママを見て、明らかに動揺した。
ママは、キッとダリアを睨んだ。
ミラのことがあるからだ。
ダリアはアケミママの態度に
肩を落として 悲しそうな顔を浮かべた。




