転換
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全天アトラス : 稼働中
擬似天球ミュール : 稼働中
ミリシアフォルダ : ロード中
SCENE LOAD
TITLE : 転換
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すでに住み慣れた、宿屋の階段を降りる。
朝の空気が、寝ぼけた頭に染み渡る。
「おはよございまーす。あれ、ララさんだけ? 」
「おはようミリシアちゃん 。 メリッサちゃんは朝早くにギルド員捕まえて迷宮に行ったわよ〜」
「うひー。 メリッサはまだ石版の調査やってるんだー」
「ドルフは訓練、神官はどっかに居るわね〜」
メリッサも頑張るなぁ。調査開始から何日だっけ?
「あ、それ同じの欲しい! おばちゃん、私にもララさんと同じの下さーい」
「あいよ! ちょっと待ってな。すぐ持っていくよ」
「美味しいー! 」
ここのご飯は、いつも美味しい。
パンもふっくら、スープも具沢山だし。
「ララさん、今日の予定は? 」
「特に決めて無いわね〜。 あの迷宮はしばらくは入れないし」
「だよね〜。 おっきな蜘蛛が出たくらいで大騒ぎになってる」
どっかの学者さんも、来てたって聞いたなぁ。
どこって言ってたっけ?
「ララさん、来てた学者さんってどこの── 」
「魔道学術都市から参りました、総代のアレスターと申します。 こちらにミリシア・ランドール嬢がご宿泊と聞きました、取り次ぎをお願い出来ますでしょうか? 」
カウンターで男の人が私の事聞いてる……。
とっても高そうな服着た、落ち着いた感じの人。
「おや、ミリシアちゃんになんか用かい? ミリシアちゃんお客さんだよー 」
「ああ、そちらにいらしたのですか。 お手数お掛けしました」
ゆっくりと近づいてくる、高そうな服着た男の人
何の用だろう?
「初めまして、アレスターと申します。 少しよろしいでしょうか?」
「……はい。ミリシア・ランドールです。 私に何か?」
「……総代がわざわざね〜。 ミリシアちゃん、とりあえず座って貰ったら?」
座る仕草も落ち着いてる。 あれ、この人結構強い?
「単刀直入に言いましょう。お聞きしたい事、いや助けて頂きたい事ですね」
ほんと何の事?
「……メリッサ嬢についてです」
「メリッサ? 」
「……はい。 どうしたら、彼女と会話が成立するのでしょうか? 」
メリッサと……会話……。
「「 ああ〜 」」
思わずララさんと声が被った。
「どうやら私は、最初の接触で失敗してしまったようなのです。 研究者達と目を輝かせながら会話をしていたので、そのまま声をかけたら……」
「メリッサが固まっちゃった?」
「はい、仰る通りです。 その後は何を言っても、目も合わせてくれず……。顔色もどんどん青くなるし、小刻みに体も震え出して……」
メリッサ……。
「なんなのですか、彼女……。 魔法学園の生徒ですよね? 私が言うのも変ですが、あれでは学業に支障があるのでは……」
学校でメリッサどうしてたんだろう?
「失礼、少し脱線しました。 貴女方にお願いがあります、私とメリッサ嬢の取り次ぎをして頂けませんか?」
取り次ぎかー。 でも普通に行っても上手くいくかな?
「ねえ、ララさん。このまま行っても……」
「そうね〜、何か手を考えないとメリッサちゃんは攻略出来ないでしょうね〜」
「それほどですか。 ならばどうすれば 」
「一緒に行けば、多少はマシかしらね〜 」
「でも、会話出来るか分かんないよ? 」
メリッサがよく喋ってた事……。
「魔法! メリッサ魔法が大好きだから、魔法について聞いてみたら? 」
「それも良いけど、今は石版の解読に夢中よ?そこから攻めるのは? 」
「……なるほど。 研究員と同じ方法が使えるかもしれませんね 」
迷宮中層だけど……。人がいっぱい。
コレみんな、調査に来た人かな?
「さあ、ここからね〜 」
「はい、まずは今の進捗が知りたい所です」
「なら、メリッサに聞いてくるねー」
メリッサはどこに居るかなー?
ちっちゃいから、人に紛れちゃってるな。
石版どこだっけ。
「居た居た。 メリッサー、来たよー」
「……あ、ミリシアさん。……どうしたんですか?」
「えっと、調査の進みはどうかなーって思って」
「……調査、ですか? まだまだ、です……単語は、大分抜き出せたんですが……。意味や繋がり……が」
「なるほどー。じゃあ行くねー」
「え?……あ、はい」
「あ、あんな簡単に……」
「文字の抜き出しは出来たけど、意味や繋がり?が分かんないって」
「ありがとうございます。では、その方向でやってみます」
「頑張ってねー」
「ミリシアちゃん、一緒に行くわよ〜」
「そうだった!」
「───ここは、──でもこれは──」
「だとすると───、しかし──」
「ならば、こうでは無いでしょうか?つまり───」
「待て待て、それでは───」
「なるほど……ここが、こう。……そして意味は───」
アレスターさんが自然に混じった!
すごい盛り上がってる。
何言ってるか分かんないけど。
「…………!?……!! 」
あ、メリッサがアレスターさんに気がついた。
「わわっ! メリッサどうしたの? 」
私の後ろに走り込んだメリッサが、アレスターさんを見てる。
「おや、気が付かれてしまいましたか」
「ほら、メリッサ。 怖くないよ〜。 アレスターさん、たぶん良い人だよ〜 」
「たぶん、ですか。なかなか厳しい。 ならばミリシアさんとララさんも同席して頂くのはどうでしょうか? 」
メリッサがプルプルしながら私を見てる。可愛い。
なし崩しでメリッサを同じテーブルに座らせた。
メリッサを挟んで私とララさん。
向かいにアレスターさんがにこやかに座ってる。
メリッサは、私の手をしっかり握ってプルプルしてるけど、なんとか会話出来てる。
「なるほど、つまり学園は未だ改善の兆しは無いと……」
「……えっと、……その……は、はい……でも、わ、私がダメで……」
「いえいえ。 メリッサ嬢でダメなら学園には一体どんな存在価値が? 」
なんだろう、笑顔なのに少し怖い。
「いっその事、私の研究室に来ませんか?歓迎しますよ? 」
「……む、無理です!……わ、私なんか……より、ミリシアさん、の方が……」
「え? メリッサの方がすごいじゃん!」
思わずメリッサと目を見合わせちゃった。
「お二人とも仲が良くて結構。 この際一緒に如何ですか? 」
アレスターさんがグイグイ来る。
「研究室とは名ばかりで、私はあまり時間が取れてないのですよ。部屋は自由に使って頂いて大丈夫ですのでお気軽に 」
ん〜、でもなー?
「私が行っても何も出来ないよ?」
「そんな事はありませんよ。ランドール氏が認めた御息女なのですから」
「……ミリシア、さんは! すごく、す、すごい人……です!」
「良いじゃない。 行ってみても損はないわよ〜」
「ならば、こう言う方向は如何ですか? 貴方方PTにメリッサ嬢の護衛を依頼致します。大事な人材なので」
「あら、良いわね。依頼料は弾んでくれるのかしら?」
「それは勿論。ご期待頂いて結構ですよ、伊達に総代などとは呼ばれておりませんので」
いつのまにか、私の勧誘になってる!?




