審査
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全天アトラス : 稼働中
擬似天球ミュール : 稼働中
ミリシアフォルダ : ロード中
SCENE LOAD
TITLE : 審査
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目の前の相手を睨みつける
こちらを侮っている目だ。
両足を踏み締め、重心を落とす。
体重差は歴然
体の大きさも見上げるほどだ。
いくつもの視線が私達に突き刺さる。
分の悪い勝負かもしれない。
でも、負けられない、負けるつもりも無い。
──私が絶対勝つ!
「準備は良いか? 双方、始め!」
一瞬の勝負。
全身の力を一点に集めて解き放つ!
「おりゃぁぁぁぁあああああ!!」
「うをっ!!」
──ミシリ
嫌な音がした。
私の体が悲鳴を上げている。
それが、どうした!
「なにくそ——!!」
「ぐぅぅ!」
少しずつ押し返す。
机を掴んだ左手が痛い
組み合った右手が軋む。
でも、もう少し!
──バキャン!
え!
耐えきれなかった?
机が壊れていく様子がゆっくりと見える。
「まだ。 まだです!」
このまま押し込む!
「勝者、ミリシア!」
「よっしゃ———!!勝った————!!!!」
「「「うおおおお! マジか———!!!!」」」
「よーし!これで今日の数量限定五本角の煮込みスープは完売だ!」
「ちくしょー!まさか俺が負けるなんて!」
「嬢ちゃん、すげーな!」
「机壊れたぞ!? 」
「じゃーん! 本日限定五本角のじっくり煮込んだ濃厚スープ!手に入れました!!」
「……ミ、ミリシアさん。……す、すごい……です」
「ま〜さに神の御技!祝福の光が辺り一面に広がって見えました!」
「それは、ただの木屑ね〜」
「腕力自慢ばかりだったろう? よく勝てたな」
「えへへ〜。 頑張りました!」
「では早速。…………うっま! なにこれ美味しい!」
お肉がホロホロ、お口で溶ける!
「メリッサも食べて! すごい美味しいよ!」
「……えと。……い、いただき、ます……」
あ、メリッサが固まった。
「ララさん、ドルフさん、神官さんも食べて食べて! すごいよ!」
一口食べた所でみんな固まっちゃった?
……すごい勢いで食べ始めた。
私も食べよ〜。
「ん〜! 美味しい!」
頑張って良かった!
「さて、美味しい物も食べたし。 そろそろ反省会始めるわよ〜」
「はーい」
「……は、はい」
「我が神のお導きのままに」
「……おう」
恒例の迷宮反省会だ。
ララさん、いつもと違って厳しいんだよなー
メリッサは、もうカチンコチンだ。
「まずはメリッサ!」
「ひぃ! は……はい……」
「あまり厳しい事は言いたくはないけれど、周囲の観察が出来てないわね。罠を踏んだの何回目?」
「……ううう。す、すみま……せん」
「足元をよく見る。 分からなければ立ち止まる。誰かに聞いても良いわ」
「……は、はい。 気をつけ……ます」
「メリッサは、いつもつまずいてるよねー。私が手を引こうか?」
「……ミ、ミリシア……さんも。 引いてくる敵の数が、いつも違い……ます!」
「そうね〜。ミリシアあなた何考えてるの? 毎回毎回見つけた数と、引いてくる数が違うじゃない」
「えっと……。 居たから?」
「……」
「……」
「さすが、我が信仰の友!なんと豪気な!!」
「……流石に、それはどうなんだ?ミリシア」
「おう嬢ちゃん、さっきぶりだな!良い戦いだったぞ」
さっき激闘したおっちゃん達!
「おっちゃん達!座って座って、そこ!」
「お、良いのか?わりーな。 席がなくてな、助かるわ」
「邪魔するぜ」
「可愛い子と相席だな!役得役得」
「話に混ざって悪いが、あんたらの戦闘は俺らも見てたぞ。あれでなんで生きてんだ?」
「俺なら逃げるね!」
「オメーは、早すぎんだよ!」
「こいつはビビリだからなー」
「ほら見なさい。10も20も連れてきちゃダメよ?」
「でも、メリッサがアンアン言ったらドーンって倒せるよ?」
「……い、言ってません!……ううう……」
「そうそう、そこのちっちゃい嬢ちゃんの魔法すげーな。なんだあれ、初めて見たぞ?」
「……えと。……あの……その……」
「はいはい、そこは秘密よ〜」
「……あの、……えっと。……はい……」
「メリッサはすごい子なんです! ねー?」
「ヒャぁ!……ミ、ミリシアさん。くるしい……です」
「お、おう、そうか。 すまねーな」
「何、神は全てをお見通しなのです。さあ、一緒に聖句を唱えましょう! 」
「こいつも、相変わらずだな」
「あんたら、すげーな……」
「おっちゃん達は、迷宮都市は長いの?」
「おう、結構長いぞ」
なら、知ってるかなー?
「迷宮都市の名物って何があるの?」
「名物? それならまずは、彷徨える冒険者だな」
彷徨うんだ。
「あとは、消える通路、消える仲間、消える道具」
消えるんだ。
「最後はあれだな。うるさいピーター」
確かにうるさかった。
「すごいね。彷徨ったり消えたり。ピーターさんはうるさかったし!」
「きっと、違うわよ〜」
「おい、アレがあっただろうが」
「あー、アレか……」
ん? なんだろ。
「じゃあ、俺っちが説明してあげるよー」
「おい、待て」
「聞いてる驚け、見て驚け。その名も迷宮石板!」
なんか、それっぽい名前!
「迷宮の中層にあるソレは、数多の冒険者の挑戦を受けて無傷!」
挑戦?戦うのかな?
「数多の賢者の知識の全てを跳ね除け!」
賢者さん?
「今なお迷宮の奥底で、静かにその時を待っている! と言われている!!!」
「お——!すごそう!!」
「おい、どうすんだ。信じまってるぞ?」
「まあ、良いじゃない。ミリシアちゃんが楽しそうで良いわ〜」
「あんたらがそう言うなら、良いんだがな」
「……傷が、……付かない?……」
「今!神の波動を感じました!!おお神よ!我にそのような過分な扱いを!」
「こいつは良いのか?」
「……まあ、仕事はする。なら問題はない」
「そ、そうか。やっぱりあんたらはすげーな」
「もし行くなら、気を付けろよ? 中層だから生半可なPTじゃ……って、あんたらなら平気か……」
「そうなんです!メリッサはすごい子なんです!」
「……あ、あの!……ミリシア、さん!……」
「わかったわ〜。ありがとうね〜」
「おう、忠告感謝する」
「神は全てを観ておられます。そう全てを!」
「おし、お前ら行くぞ!」
「ああ」
「ミリシアちゃん、それじゃーね」
「おっちゃん達ありがとー」
両手でお見送りです!
薄暗い迷宮を進む。
もうすぐ中層
おっちゃんの言ってた石板ってどこなんだろ?
「ララさんは、石板の場所知ってるの?」
「ええ、知ってるわよ〜」
「……石板、斬撃耐性? ……いや、むしろ存在固定?……」
メリッサがまたブツブツ言ってる。
なんで、これで魔法撃てるんだろう?
「ああ!待ちどうしくて心が昇天しそうです。そうか、そうだったのですね!これが神の啓示に違いない!」
神官さんは、いつも通りかな?
うわ! 広い!!
何ここ……天井もすごい高さ。
「ミリシアちゃーん、こっちよ〜」
壁際でララさんが呼んでる。
「これが迷宮石板?」
「そうよ〜。傷も付かないし、何しても反応しない。何か文字っぽい模様はあるけど意味は分からないそうよ〜」
へー、壁に埋まってるんだ〜。
真っ黒で長細い。
大きさドルフさんくらいかな?
何かびっしりと彫ってある……読めない。
「メリッサは、何か分か──」
「これが迷宮石板……。文字は……魔法文字とも少し違う?……でも類似性がありそう……」
「なんと!なんと!!これは! 古代神話文字ではありませんかー!!!」
古代神……話?
「神官さんは、読めるの?」
「読めるんですか!!!」
メリッサが、すごい元気!
「あああ……。なんと言う事でしょう。ここに神の言葉があると言うのに!私には読むことが出来ないとは!これが神の試練なのですか!なぜなのですか神よ!!」
神官さんがペイって捨てられた!
「……これは、各地の魔法文字にとても似ている……。でもなんで読めないんだろう?……古代文字の一種……だとは思うけど……」
あ、メリッサが石板に張り付いた。
「……下半分は……。模様?何か……意味は……。上の方が本文?……にしては……でも」
「ああ、ここに神殿書庫があれば!あるいは彼が居れば!なぜ!なぜ私は備えていなかったのか!」
メリッサが爪先立ちで上の方見ようとしてる……。
ぴょんぴょんしてる!かわいい!
「……神官さん。邪魔です……そこ……見えません」
「なんと!しかし私めも譲るわけには参りません!なぜならここに、神の言葉が記されているのだから!」
二人とも仲良しになったなぁ。
「ならば私の前に!コレなら神の言葉も余す所無く見ることが出来ます!!」
「……あ、ちょっと持ち上げて下さい。上が見えません!」
ほんと仲良くなった。
「ミリシアちゃん、起きて。そろそろ帰るわよ〜」
ララさんの声……?
「……ふあぁぁ。おはよぉござぃま〜す……zzz」
「さあさあ、シャキッとして。メリッサちゃんも呼んでこないと」
「は〜い」
えーと、メリッサは……。
まだ、石版の前に居る。
「メリッサ〜!帰るよ——!!」
「メリッサ?」
「……ここの文字は……そうか。……なら……」
全然聞こえてないなー。
石版に張り付いたままぶつぶつ言ってる。
「もー!メリッサ! えい!」
後ろから抱き上げちゃえ!
「……!! ひゃぁ!な、何が……!」
「何がじゃないよー。帰るよー?」
「……か、かえ、る? ……え?」
両手で抱えて強制連行です!
さあ、ララさんの方へ。
「……あ! 待って、待って下さい!……まだ!」
「あ、ちょっ! 暴れないで」
痛たた、背中打っちゃった。
壁の近くで良かった。
「…………………………」
ん? メリッサがすごい驚いてる。
「メリッサどうしたの? 目が溢れそうだよ?」
「……か、壁……」
「壁?」
「……う、後ろ。み、見て下さい!!!」
後ろ?
なんだろ、コレ。壁に模様が……。
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PROC::DUNGEON_ACCESS
AREA:CRESCENT_MOON
PROC::LOAD_MODE
MODE:EXAMINATION_HALL
PROC::BOOT_SEQUENCE
PHASE:ONE
PROC::LOAD_MODEL
MODEL:TUTIGUMO
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「ねえ、メリッサ。さっきこんな模様あった?」
「……突然、出てきました……」
「ミリシアちゃん! 何か変よ離れて!!」
「 はい!!」
メリッサと一緒に退避です!
「二人は俺の後ろに回れ!」
「ねえ、メリッサ。迷宮石版光ってない?」
「……はい。光ってます」
変な模様は、もう消えてる。いつの間に……。
「メリッサちゃんは後ろよ〜。近づいちゃダメ」
「……うう。は、はい……」
メリッサが飛び出さないように掴んどこう。
石版の光が壁に伝ってる?
変な模様……。
カクカクしてたり、円だったり。
「……魔法円?……でも……意味が……なんで?」
「メリッサも知らない模様なの?」
「……はい。は、初めて見ます……」
光がウニョウニョ動いてたけど、落ち着いた?
────ゴッゴゴゴゴゴゴッ
「……あ。壁が開く?」
「う、うそ……。ただの岩壁だったのに……」
「コレは、まずい感じね〜」
「撤退するか?」
「んー!んむ——!!」
あ、ドルフさん。神官さんの口押さえてる!
「うるさい」
「んっがっ」
神官さんが白目剥いてる……。
「何が起きるか、確認はしたいわね〜」
「……そうだな」
─────ヒュィィィィィィィィ
甲高い音が聞こえる。
聞いたことのない音。
すごく落ち着かない……。
「何か出てくるぞ!」
重い足音が響く
鈍く光る大きな体、金属?
耳の奥に届くような、奇妙な音が聞こえてる。
一歩ごとに地面が揺れるような音を鳴らしながら、ゆっくりと巨体が出てくる。
「何かしら、蜘蛛?」
「にしちゃデカくないか?」
8本の足を硬い甲殻で覆った、巨大な蜘蛛……。
小さな頭に付いた八つの目が無機質にコチラを見てる。
────その目が赤く光った。




