回収
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全天アトラス : 稼働中
擬似天球ミュール : 稼働中
ミリシアフォルダ : ロード中
SCENE LOAD
TITLE : 回収
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朝の空気を吸いながら階段を登る。
確か、この辺だったはず。
「あ、あった。 ここだ」
軽いノックをしてみる。
……返事が無い?
寝てるのかな?良いや開けちゃえ。
「おはようー、メリッサ! 朝だよー!!」
「ひぅ!」
あれ?メリッサが毛布被ってびっくりしてる。
お目目まんまるだ、綺麗な目。
「どうしたの? 朝だよ、ご飯食べに行こ?」
「……え? ミ、ミリシア……さん。……なんで?」
「なんでって朝だよー。行くよー」
「え。……待って。……あの」
あ、かわいい寝巻き。
「ごめんごめん。 待ってるね」
「ララさん、ドルフさんおはようー。メリッサも来たよー」
「……えっと。……お、おはよう、ござい……ます」
「ミリシアちゃん、メリッサちゃんおはよう〜」
「おう、おはよう。メリッサは良く眠れたか?」
「ひっ!……は、はいぃ」
「ドルフ、メリッサちゃんが怯えてるわよ」
「む……。すまない」
メリッサがプルプル震えてる。
ドルフさん、顔怖いけど良い人なんだけどなー。
「そうだ、ララさん。今日はどこ行くの?」
「今日は店舗巡って、迷宮用の準備よ〜」
「露天じゃ無いんだ?」
「そうね〜。大事な物は露天はちょっと……」
「顔見知りの店があるから、そこに行くぞ」
「はーい」
ここかな?道具屋……だよね。
「ララさーん、ここ?」
「そうよ〜」
外見がボロボロだなぁ。
扉、大丈夫かな?ゆっくり開けよう。
「……お邪魔しまーす」
うわぁ。物がいっぱい!
「メリッサすごいよ!いろんな物が積み重なってる!」
「……あ、あうぅ。……く、崩れそう……です」
あれ、なんだろう?棒?
こっちのは……。 薬?何も書いてないや。
「メリッサは分かる?」
「……え? えっと……あの……ごめんなさい」
ああ、大変。 メリッサがもっと小さくなっちゃった。
「ほらほら。コレ、ビョーンって動くよー」
ほーら、楽しいよー。
「……」
メリッサが涙目でプルプルしてる?
えーと、他に何か……。
「ほら、かっこいい兜!」
なんだろう、ゴツゴツしてる。でも隙間がある?
かぶってみよう。
「あれ?! 何も見えない!!」
これ……前が塞がってる?
「メリッサどこー?」
「ひゃあ! ミ、ミリシアさん!……あの、その……」
ふわふわでサラサラだ。メリッサの髪かな?
お顔はすべすべだねー。
「ふにゅー!……や、やめ、……あの」
「この……えい! ……ぷはぁ!」
やっと頭が抜けた!
変な兜。被り心地は良いのに、前が全然見えない。
あ……。 頭ボサボサのメリッサが。
「……」
「ごめんごめん、メリッサ」
メリッサの髪を整えてたら、綺麗な目が見えた。
思わず前髪を上げて覗き込んだ。
「やっぱり綺麗な目……」
「……!」
「綺麗な目なのに、なんで前髪で隠しちゃうの?」
「あ、あの……。 良くない色、だって……。言われ、て」
「はぁぁぁあ!! 何それ!」
「あら、ミリシアちゃん?」
「もー! 聞いて下さいよ、ララさん!」
「どうしたの? ずいぶん、ご立腹ね〜」
「メリッサの綺麗な目! 誰かが悪い色だって!」
「ずいぶんと古い習慣ね〜。 目の色は黒かしら?」
「そうそう。 吸い込まれそうな綺麗な黒!」
「……あ、あの。 ミ、ミリシアさん……」
「ドルフ。買い物は終わったかしら?」
「ああ、大丈夫だ」
「じゃあ、ちょっと二人とも、こっちいらっしゃーい」
「ララさん!」
「……えっと」
「はいはい、こっちよ〜」
「はい、ミリシアちゃん。どうぞ〜」
「ララさん!ちょ……あむっ」
お肉だ!
「………………」
美味しい。
「落ち着いたかしら?」
はい、美味しいです。
「でも、もうちょっと焼いた方が好き……」
少し焦げ目があると良いよねー。
「“コール”」
指先に小さな火を出して。 ジリジリ炙る!
「……え? ……なんで? え?」
「メリッサも食べる?美味しいよ」
「……え? あ、ありがとう、ござい……ます?」
うんうん、メリッサも両手に串焼き持てて楽しいでしょう!
「……あれ? 今、コール魔法……ですよ……ね?」
「そうだよー。 便利だよねー」
「そ、そうじゃなくて……。 あれ?詠唱は?コール指定は?なんで発動するの?……なんで? あれじゃ詠唱ルールが……」
メリッサがぶつぶつ言いながら串焼き食べてる。
「いやでも、理論上おかしい。意思表示無しだなんて。そもそも形式指定してなかった……。そうすると……無詠唱? まさか、魔力接続術式?あれは否定されてたはず……」
メリッサがすごい喋ってる。
「メリッサー? どうしたのー?」
「そもそも、あの理論は机上で否定されてる。じゃあ、どれが……。 因果収束型詠唱理論? 不確実性が高すぎて実用化は無理って……でも、今……」
「ララさーん。メリッサが……壊れた?」
どうしよう、メリッサ直るかな?
「あらあら。それじゃあミリシアちゃん、メリッサちゃん連れて来てね」
「……次は防具屋へ行くぞ」
「え? あ、はーい。メリッサ行くよー」
離れないように手を……串焼きは一本回収です。
「……そうすると、理論的前例が……」
まだ喋ってるなぁ。大丈夫かな?
「はーい、メリッサちゃん。食べ終わった串は頂戴ね」
「……考えられるとしたら……やっぱり接続術式?……」
「この子の装備一式お願いね〜」
「はい、畏まりました。魔法師向けでよろしかったですか?」
「そうね〜。中層でも使えるくらいのでお願いね〜」
メリッサがぶつぶつ言いながら、寸法測られてる……。
「……可能性は……でも実例が存在してた……という事は──」
「こちらの装備は、耐衝撃性、対斬撃耐性にも優れております」
「うん、似合ってる。かわいいわね〜」
「……実例から逆算すれば、もしかしたら……」
「メリッサ、すごいカッコいい!」
「……これなら、大丈夫だな」
ドルフさんのお墨付きだ!
「メリッサちゃん、そろそろ戻ってらっしゃい?」
「むぎゅ、……!!」
メリッサのほっぺが伸びてる!
「はい、コレ。魔法学園の制服よね?袋に入れておいたわよ〜」
「……え? せい、ふく? ……えぇ!?」
メリッサがくるくる回って装備確認してる。かわいい!
「メリッサの装備も整ったな。後は出来れば回復職が欲しい所だな」
「そうね〜。知り合いに当たってみる?」
「……あ、あの。こ、これ高い……ですよね」
「急な依頼だからな、上手く行くかは分からんぞ?」
「まずは、聞いてみましょう」
「メリッサかわいいよ。何か気になるの? 色?」
「……そ、そこじゃ、ない……です!」
「ララさん、どうでした?」
ギルド酒場で会議です。
「ダメね〜。みんな別なPTで活動してたわ〜」
「こっちも空振りだ。居ないやつも多かったぞ」
「そうよね〜。回復職なんてそうそう空いてないわ〜」
「そうなんだ。ラッツさんはこの前、簡単に神官の人連れて来てたから、もっと居るのかと思ってました」
「あれは、特例よ〜」
「……いくら親バカでも、あの人選は無い」
ラッツさんは、誰を呼んだか教えてくれなかったんだよね。
「……あの。……そ、装備……」
「どっかに回復職落ちて無いかしら〜?」
「そんな奴はそうそう──」
「貴様のような奴は!PTから出てってくれ!!」
「おお! なんという、なんという事でしょう!これが神の与えたもう試練だとでも言うのか!」
「それだ!それが! なんでもかんでも神神神と!」
「それの何がおかしいのでしょう?事実、神のお導きなのですよ?」
「ちげーよ!俺たちは神とやらの使徒でも、神官でもねーんだよ!」
「なんと嘆かわしい!神のご慈悲を否定なさるとは!」
「あー!もう!良いから出てってくれ!ウンザリだ!」
「ねえ、ララさん……」
「ダメよ、ミリシアちゃん」
「でも……神官さんだよ?」
貴重な神官さんが落ちてるんだよ?
「……確かにそうだが。あいつはどうなんだ?」
そっかー。 でもなー、……よし!
「糸目のおにーさーん!」
「ちょ、ミリシアちゃん!」
「待て、ミリシア!」
「……え!?……あ、うそ……」
「なんでしょう? 神の教えにご興味が?」
「なんだお前ら、そいつを拾うのか?やめとけやめとけ!」
「そっかー。ありがとう!でも大丈夫!」
にっこり笑顔で反撃です。にこー♪
「そ、そうか。俺らは知らねーからな!」
「はーい」
「お待たせ。神官さん……ですよね?」
「はい、私めは神の従順な信徒にして、神の教えを伝える使命を心に誓った哀れな神徒でございます」
「……?神様、はよく分からないけど、回復は出来る人?」
「それはもう、存分に神の御意向を全身で浴びていただける事間違い御座いません!」
「ミリシアちゃん、本気?」
「……こいつは。……」
「む、無理、無理です無理無理……無理……」
「おや?みなさま。どうなされました?」
「この人面白いよ。入ってもらおう!」
「ミリシアちゃん、よく考えなさい。ちゃんとお世話出来るの?」
「大丈夫! 近所の猫ちゃんの世話はよくやってたから!」
「我が信仰への道に、ご同行頂けるとの理解で宜しいでしょうか?」
「……よ、よろしく……な、ないです〜」
「それは残念。ではご理解頂ける様にまずは神のお言葉を綴った、神編経典第二章第一項のくだりから──」
「おい、ミリシアどうするんだ。もう捨てられないぞ?」
「きっと平気だよ? 多分良い人」
「……う、うそ。ぜ、絶対……何かしてる……」
「はぁ〜、しょうがないわね」
これで迷宮行ける。準備万端です!




