第247話 真夜中の待ち合わせ、また余計な者を。
「来たかグンタ」「ああ約束の時間だ」
「忙しいのではないのか」「そんなこと言ったか?」
「まあ良い、今回も同行者を頼む」「また余計な者を」
日付けが替わった瞬間に来た陛下の職務室、
相変わらず前世のボードゲームに描かれているキャラクターみたいな、
白髪白髭の国王陛下、シルクハットを被ったら完璧にアイツだな、それはいいとして。
(お婆さんだけど背筋はピンとしている)
剣を腰に付けているので女騎士って感じかな、
でもこれ現役じゃないよな、いや姿勢は立派だが、
形だけでも陛下ひとりを転移させられないって感じか。
「タウンテレポートは使えない、彼女はポーターのようなものだ」
「荷物持ちか」「信じては貰えぬか」「ふーむ」「好きにして良いぞ」
「失礼、陛下のお伴を許していただきたい、何なら剥いで頂いても」「むむむ」
これに対して『何がむむむだ』とか言わない女性騎士、
周囲を見て周る、ここはアレだ、一応念のため、確認を。
「どうしましたか」
「女よ緊張するな、力を抜け」
「はあ、老女ですが」「自分で言うな、俺も言わない」
そして背中を見つめて……
合意が無くても相手が無防備なら、
少し時間はかかるが見られるのですよ……ステータス、オープンっと。
名前:テアラ 年齢:77歳 性別:女性
体力:88 魔力:220 職業:勇者
装備:衛兵の剣 女衛兵の服
加護女神:ユノ スキル:アイテムボックス、鑑定眼
(女勇者きたああああああああ!!!)
しかも加護女神!
あと鑑定持ちって!!
あぶねええええええええええ!!!
「どうしたグンタよ」
「いや、絶対何か隠していることがあるだろう」
「わかるのか」「総合的な判断だ」「言わないと駄目か」「信頼関係が無いなら王子はサキュバスの餌だぞ」
と、軽く脅してみる。
「勇気あるわね」
「女、洗いざらい言え」
「……貴方何者? 私の鑑定が使えないということは、人や魔物ですら無いわね」
残念、人です!
正確には異世界人ですが、
ここで『そうです、私が変なおじさんです』と言って通じたら彼女も異世界人です、だっふんだ。
「グンタよ、国王として嘘はついてはいない、ただ説明する時間が無かっただけじゃ」
「まあ良い、今、説明して貰おうか」「彼女はアイテムボックス持ちだ、魔石を運ぶな」
「つまりエリクサーの代金か」「そういうことだ、あと鑑定眼を持っているが、護身のためだ」
言いたい事はわかるし、
立場的なものなんだろうが、
やはり疑われているみたいで良い気はしない。
「他に女から言う事は無いのか」
「……陛下に何かするのであれば私が命を懸けて、王子にも同様に」
「話を逸らすな、一番大事なことを話せ」「逆に聞くわ、何を言えば良いの」
うーん、これでは交渉決裂かな。
「王子だけ連れてきてやる、ここで待ってろ、それで縁切りだ」
そして無慈悲に俺だけ瞬間移動っと。
(まあ、言うても大陸全体で言えば中堅の国だ)
こうして俺だけ淫魔村へ、
色々と言いたい事はあったが、
いやほんと加護女神ユノって俺の正体見破る気、満々じゃねえかよ。
(俺が全女神の加護持ちだから、他の女神の効果で防いでいるって結論は出ないだろうな)
そんなに頭の回る女勇者であれば、
元からきちんとした対応に出ているはずだ、
もし最初からそういう自己紹介していれば、こっちもそれなりに問題なく連れて来てただろう。
「失礼する、ブルラズ嬢は居るか」
とまあ入ると護衛の老剣士が居た、
あと店番インキュバスも、じゃあ奥か。
「グンタ殿、陛下は」
「俺に対して失礼があったので置いてきた、
正直、俺はガラナイラ国はどうでも良い、義理として王子は助けるが」
奥に入ると居た居た、
まだ目隠しは取られていないが、
老メイドのネネさんだっけ、がダビドフ王子にお水を飲ませている。
「もー、いつでも取れるよー」
「まだ魅了対策は必要なのか」
「そーだねー、私に魅了されるかもだあらねー」「その垂れ乳で?!」
あっやべ、
喋り方のテンションがグランだ。
「んったくー、聞こえて来たけど王様来てないんだってー?」
「ああ、あんまりな事があったからな」「父上が、いったい何を」
不安そうな『プ●ングルス』のアイツ。
「色々あるが、一緒に連れてこようとしたポーターとかいう女騎士が名乗らなかった」
「自己紹介はー、大事だねー」「そんな奴を、いくら魔石運搬のためとはいえ連れて来たくは無い」
「そうだったのか、父上が済まない、次の国王として詫びる、どうか、どうか許して欲しい」「もう治してしまったからな」
遅れて老剣士も入って来た、
確か名前はノックだったかな。
「陛下は陛下ゆえ、申し訳ない、しかも一緒はおそらくポーターでは無く」
「もう良い、それでブルラズ嬢、王子のタマタマは」「精巧にきちんと造ってあるしー、埋め込んで馴染んだからもう大丈夫だねー」
「それでは」「ただー、性行為はあと6日は待って欲しいかなー、造らせないとねー、中でー」「溜めるのか」「そーゆーことーー」
陛下が立ち上がる。
「まだ鈍痛はあるが、帰れるのか」
「安静にすればねー、走ったりはまだ駄目ー」
「だそうだ王子、ただ俺はあの無礼に怒っている」「よーーく言っておく、すまない感謝する、ありがとう」
こっちは話がわかる感じだ。
(怒っている本題の、まだ手前なんだけどな)
まあいいや。
「とはいえあの陛下はエリクサーを購入するチャンスを失った、
かといってこの村に無理矢理来ようとしたり、何かするのであれば」
「それは次期国王として決してさせない、このダビドフ、約束をする」「なら良い」
まあ、場所が割り出されても、
何もしないのであれば許してあげよう。
「それで謝礼は何になったのであろうか」
「もうそれどころの話ではない、俺を酷く不快にさせた」
「では、どうすれば」「それも含めて、俺に何を代金として渡すか自分で考えろ、と伝えろ」
そう、色々と俺の希望を考えたが、
やはりグラン関係にするとバレバレなので、
もういっそ投げちゃおうと、良い理由付けも出来たし。
「わかった、持ち帰って考えて、早急に」
「お礼の品は檻を見て、適当な頃合いで受け取りに行こう」
「知らせる方法は」「グランは使うな、公爵家も使うな、俺が行きたい時に行く」
ここでブルラズの姐さんが。
「もしもなにかあったら連れてきてねー」
「ああ、だがもう大丈夫なのだろう?」「無茶しなきゃねー」
「だそうだ王子、6日間はタマタマを大切に、あまり揺らすなよ」「はい」「私が綺麗に丁寧に拭かせていただきます」
ネネさん……
前世の病室を思い出すからやめて。
「では城へ戻ろうか」
ということで王子と老メイドと老剣士を集めてパーティーを組む。
王子が最後に何か言いたいみたいだ。
「世話になったブルラズ殿、声しか聞こえなかったが、さぞかし魅力的なサキュバスだったのだろう」
「もうこんな所に来ちゃだめよー」「ああ、この村の保護も責任を持とう、本当に感謝する、国が救われた気分だ」
「では行くぞ」「グンタ殿もありがとう」「ではいざ、タウンテレポートののちに王城の中へ、では、続けて飛ぶぞ!!」
……とまあ王城へ到着した。
「ダビドフ!」「父上!!」
俺がスッと目隠しを取り、
その直後、俺だけ瞬間移動で貴族寮の自室へ。
(……ふう、終わった)
後でブルラズさん達にも、
改めてお礼を言いにいかないとね、
手土産にワニ肉を満載して! ……また狩りに行かなくちゃ。
「さて、お風呂でも行こうかな……」
カロリちゃんは、
もう寝ちゃったかな???




