第240話 アイツの息子は、アイツだった。
「約束通り、処刑待ちの死刑囚を連れてきた」
真夜中、約束通り日付けが替わる頃に陛下の職務室へ転移、
いやこのお城って転移対策してないのかって思ったが俺が特別なだけか、
例によってボードゲーム『モノ●リー』のアイツにそっくりな白髭国王が待っていた。
(老魔術師、老剣士が鎖に繋がれた五人を引っ張っている)
いかにも悪そうな中年、若い男、中年、マダム、中年。
何やったんだマダムは、年増悪役夫人っていう感じだな、
それはそうと若いのは若いだけあって暴れている、が、鎖でがんじがらめだ。
(そして俺の方はというと)
紹介しなきゃ。
「こちらも一人、連れて来ている」
「ほう、懐かしいな」「陛下、お久しぶりです」
「……そうか、そういうことか、なるほどな、メッシュよ」
そう、淫魔校長もローチオービー公爵邸での話が終わり、
一緒に来て貰ったのだが何だか点と点が線で繋がったらしい、
ということは行き先もわかってしまっているのかな、まあいいや。
「それで王子は」
「すまないグンタ、一人増やしても良いか、息子のダビドフは目隠しをしている、
先導するために隠居した老メイドを今日だけ、今夜だけ使う」「ネネと申します、78歳です」「構わん」
そして連れてこられたのは、
目隠しした王子だが、こ、これは、こいつは!!!
(お菓子『プリ●グルス』のパッケージに描かれているアイツだ!!)
アイツの息子はアイツだった、
陛下がアイツで王子がアイツで、
モノ●リーの息子はプリ●グルスだった。
「ではタウンテレポートだが、まず陛下と王子とメイド、あと……待て、魔術師、お前は駄目だ」
「なぜだ?!」「お前もタウンテレポートを使えるだろう、行ったら何度も行き来できてしまう」
「どうしてわかったのだ」「それくらい俺の能力ならわかる」「……メッシュか」「よって残って貰おう」
あっぶねえええええええ!!
いやカマかけただけなんですけどねっ!!!
まあこれで淫魔村が荒らされる危険は無くなった、多分。
「では剣士、お前は大丈夫なようだ、行くぞ」
「ノックだ」「では……いざ、出発! ふんぬっ!!」
淫魔村の錬金術屋前に到着っと。
(周囲をサキュバスとインキュバスが取り囲んでいる)
みんな見知った顔だが。
「やはりか」「話は通してある、危険は無い、では餌を連れてくる」
そして王城へリターンテレポート、
今度はメッシュさんと死刑囚を連れて行くのだが……
「やはりワシも連れて行って貰おうか」
「魔術師、駄目だ」「ワシはガダラという名じゃ」
「留守番をしていろ」「いいのか? ワシがこの鎖に魔力を込めていないと連れて行けないぞ」
つまりパーティーを組むのを、
この死刑囚が拒否するからか、
でもこの魔力を込めた鎖で縛っていれば、術者と一緒に転移できるのだろう。
「いや、その必要は無い」
無詠唱でティムヒューマン、っと。
睨んでいたの、暴れていたのが一斉に静かになる。
「さあ、パーティーを組むぞ」
ガダラ爺さんはまだ鎖を持っているが……転移、っと。
(よし、メッシュ校長と死刑囚だけ転移できた)
サキュバス達が歓声をあげる、
インキュバスもマダムを見定める。
「男だわ」「餌だわ」「美味しそう」「若いのは奪い合いね」
「女だぜ」「まあギリギリか」「俺は熟してる方が」「枯れてはないな、むしろ今が……」
「待て待て待て、とりあえず姐さんにチェックして貰ってからだ、では皆で入ろう、王子は足元を気を付けてくれ」
と俺が先頭になって錬金術屋へ。
「あ~ら、いらっしゃい」
ブルラズさんが、
いつもより化粧してるうううう!!!
いや、おっぱいも寄せて上げているぞこれ?!?!
「彼女が施術担当だ」
「ブルラズよ、任せてちょうだい」
「なるほどサキュバスか」「お代をチェックするわ」
老剣士ノックさんが最高級魔石を出す、
火が4つ、風が3つ、土が4つ、水が4つか。
「人間はもう暴れない、解いてやってくれ」
俺の言葉に老剣士が。
「鍵はガダラが」「なら良い」
無詠唱でアンロックの魔法をっと、ほら解けた。
「ふむふむ、若いのは私が貰うわ、
とりあえず餌の健康状態を先に見るから、患者はそのあたりに座らせておいて」
「陛下、ここはこの私の村で」「やはりなメッシュ、それ以上はもう良い」「ははっ」
助手淫魔の皆さんも、
準備とか手伝いとかでみんな来てて忙しそうだ。
(さて、俺が元々やりたかったことも、やらないとね)
そこもブルラズさんと打ち合わせ済みです。




