第239話 王都のデート、鉄板の遊園地。
「きゃああああたのしいいいい!!」
「あわ、あわわわわ、ひいいいいいぃぃぃぃ」
えっと、ジェットコースターを喜んでいるのは褐色の大人女性、
あまりのG(重力)とスピードにあわあわしているのが俺グランです。
「一回転しちゃう? しちゃう? しちゃううううう!!」
「ひゃああああああああ、ま~~~わ~~~るぅ~~~~~!!!」
ハイテンションの紫髪女性、
大人の身体でバンザイして楽しんでいる、
隣の僕グラン12歳は、必死にしがみついているのがやっとだ。
(いや、子供の身体でこれはキツいって!!)
というか遊園地というもの自体が今世で初めてなのに、
よりにもよって、まさかジェットコースターに乗せられるとは!
やっぱりこの世界って俺の他にも異世界人が居る、いや、居たのかも?
「あああああぁぁぁ、終わっちゃたあああぁぁぁ」
「ふう、やっと終わった、セニカさん、はしゃぎすぎですよ」
「もう一回乗りましょ」「えええ」「ほら、若いんだから、並び直すわよ」
午後はマネアちゃんとデート、
現子役&前世俳優のカップルなので、
マネアちゃんが出てるような劇場じゃなく、もっとこう本格的な芝居を観ようかと思ってたら……
「大人のデートをしましょう」
というのでどこかと思ったら、
マネアちゃんが大人の姿になってのデートでした、
NNNの踊り子セニカさん、紫の長髪で肌は褐色というセクシーダンサー。
(グンタは悪い意味で目立つので、俺はグランのままです!)
それにしてもマネアちゃん、
いつもは身長制限で乗れないらしく、
ここぞとばかりに大人に変身してジェットコースターにハマっている。
(セニカさんデビューが、狩りではなく遊園地とは)
まあ今だから出来ることだよねっていうか、
後々になってNNNとして有名になったとき、
なんだ結局グランとNNNは繋がってるんじゃないか、と言われる可能性が無い訳じゃ無いが……
(まあその時は『逆ナンされただけです!』で乗り切ってしまおう)
こうして更に二回ほどジェットコースターに付き合わされたのち、
メリーゴーランドで一休み、からのボート漕ぎだとか輪投げゲームだとか、
もちろん食べ歩き的なものも楽しんでいて、前世の集団デートみたいなのを思い出した。
(いやね、俳優仲間とか、その撮影期間中だけはめっちゃ仲良くなったりするんですよ)
ある意味、結束を深めるというか、
役作りの一環とでもいうか、そういう意味では、
SET隊&NNNのメンバーとして親睦のためにも良いデートだ。
「次は何に乗る? ねえ、何にする? ねえ、ねえ」
「ちょっと落ち着くために、あそこの大観覧車で休憩を……」
「うお~いそこの姉ちゃん、派手な格好で男を漁ってるのか~~?」
わかりやすいヤカラきたああああ!!!
うん、四人組の男達、いかにも女漁りしている連中、
女性だけのグループを狙ってウェイウェイ連れ去りそうな連中だ。
「今はデート中よ」
「いやいやガキ過ぎんだろ」「個人の好みよ」
「そんなの放っておいて俺達と遊ぼうぜ」「お断りね、さ、観覧車ね」「おいおい行かせねえぜ」
セニカさんがくるりとその場で回って、
軽く踊りながら無詠唱でヤカラ連中に魔法をかける!
「うお、なんだ勝手に身体が動くぞ?!」
「踊りが止まらねえ」「なんだなんだなんだ」
「おい、これはいったい何だ?!」「夜には解けるわ、じゃ行きましょ」「あっはい」
踊り続けるヤカラを後にし、
大観覧車へ……中でさっきのおさらいをする。
「ふう、踊り子魔法って面白いわね」
「はい、余白記入で上手く行きましたが」
「グランさんと一緒の時は全部使えるのよね」「そう書きましたから」
実はマネアちゃんのステータス、
余白に書き込んだんですよ、それは、
『グランと一緒の時、全ての踊り子魔法が無詠唱で使える』
なので俺と一緒に居る時だけ、
職業は踊り子になるっていう感じ、
ただ問題なのは、マネアとセニカ、どっちを踊り子にするかって話だったが……
(やはりマネアちゃんが踊り子だと、目立つよねっていう)
ウチで目立つのはもうウォルちゃんだけで良い、
そのウォルちゃんはウチのパーティーを代表してイレタちゃんと一緒に、
明日の薬師護衛依頼の前日打ち合わせをしてくれている、その裏でおデートですよ。
「それにしても踊り子魔法、40以上あったね」
「まだ怖くて確認できないのもありましたが」
「今度、本格的に魔物相手に試そう」「ですね」
それにしても、
向かい合って見てもセクシーだ、
褐色ダンサー、うん、嫌いじゃあない。
「ではグランさん」「はい」
「観覧車が終わったら、ジェットコースターのおかわりを」「ひいいいいい」
明日に体力残るかな。




