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【番外編】ソロキャンプは乙女の憩い 3

******



 一方、東伯カイリ探偵事務所では。

「なるほど。おとり捜査か」

「カイリ! 『おとり捜査か』やないで!? ちっこい園子さんに、もしものことがあったら、どないすんねん!!」

「そこは、俺っちたちが万全の体制で警護するから安心してほしいっす」

「何が、俺っちたちが万全の体制で警護するや! いや、そんなら俺も警護にまわるで!」

 今にも西刑事に食いつきそうな北堂いつきだが、かろうじてカイリの手に制される。

「……いつきは、大きすぎて目立つから警護はムリや」と一言添えられ、北堂はますます黙っていられなくなったようだ。

「おまっ……園子さんがおとりになるんやぞ? よう、そんな落ち着いていられるな!」

「まあ、お前がおちつけ。それで、西刑事。もっと詳しく事件のことを教えてくれるかな?」

 カイリの関西弁が抜けたということは、事件に興味を持った証でもある。

 過剰な心配する北堂をよそに、カイリは西刑事の側に座った。


「ここ半年の間に、大阪府下のキャンプ場で八件の婦女暴行があり、そのどれもがソロキャンプをしていた若いロングヘアの女性が被害に合ってるっす。皆、『乙女の憩い』というソロキャンプのサイトの利用者なんっすよね……最近、そのソロキャンプサイトで大阪のキャンプ場が話題に上がってるんで、罠を張ろうかと言う事っす」

「それでどうして、うちの中戸園子をおとりに?」

「それっす。南条警部補が立候補したんですけど、威圧感がありすぎるからダメやったんっすよね……」

「そんな、危険な役目を、嫁入り前のちっこい女の子にさせるんか? 大阪府警は何を考えとるんや!」



******



 再び、アフタヌーンティー中の女子たちは――

「それで、今回おとり捜査をすることになったんだ。お前のことは、私が何としてでも守り抜く。だから安心してほしい」

 中戸は、お代わりの紅茶をティーポットから注いで、顔をあげた。

「もちろん協力しますよ。当たり前じゃないですか。私でお役に立つのなら、いつでも言ってください」

 そう言った中戸は、にこりと南条へ笑いかけ、紅茶を口元へと運んだ。

 中戸の落ち着いた様子に、少々驚いた南条は、ふと湧いた疑問を口にする。

「……怖くはないのか? あ、いや……普通、少し考えたりするかと思うのだが……」

「怖いですよ。だけど、今、南条さんが守ってくれると言ったじゃないですか」

「ああ。そうだったな」

 いつになく、フッと南条の口角が上がった気がした。

 中戸からの絶対的な信頼が、南条にも感じられたのだろう。

「あ、ところで私はロングヘアーじゃないですけど、どうしますか?」




続く     ※近日更新

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