第49話 心の鍵、覚醒
第49話 心の鍵、覚醒
――パキ……。
神殿の奥で、何かが砕ける音がした。
リーダーは三つの鍵を胸の前で握りしめた。
「俺の……心を鍵にする……」
白い衣の少女が静かに頷く。
「恐怖も、迷いも、仲間を守りたいという想いも。すべてあなたの心です」
「だったら……全部、受け入れる!」
その瞬間――。
ドクン!
心臓が大きく脈打った。
三つの鍵から放たれた光が、リーダーの身体へ流れ込んでいく。
しかし――。
「ぐっ……!」
膝をついた。
頭の中に、これまでの出来事が次々と浮かんでくる。
村で笑い合った日。
失敗して落ち込んだ日。
仲間と力を合わせた日。
そして――。
黒き王との戦い。
「怖い……」
リーダーの手が震える。
「本当は……ずっと怖かったんだ」
仲間たちが心配そうに見つめる。
「でも……」
リーダーはゆっくり立ち上がった。
「怖いからって、守ることを諦める理由にはならない!」
その瞬間。
三つの鍵が――。
カッ!!
まばゆい光を放った。
虚無の王が目を見開く。
「その光は……!」
リーダーの胸元に、四つ目の紋章が浮かび上がった。
白い光が翼のように広がっていく。
「これが……最後の力……」
少女が微笑む。
「はい」
「その力の名は――」
少女が告げた。
「絆の力です」
「絆……」
リーダーが仲間たちを見る。
すると、一人、また一人と身体から光が溢れ始めた。
「俺たちの力も……!」
「一緒に戦おう!」
「今度こそ、あいつを止める!」
四つの力が重なっていく。
大地。
風。
癒やし。
そして――絆。
四つの光が一本の巨大な柱となり、神殿の天井を突き破った。
ズドォォォォン!!
虚無の王が腕を振り上げる。
「そんな力など……!」
黒い波動が押し寄せる。
リーダーは仲間たちと手を重ねた。
「みんな!」
「うん!」
「任せろ!」
「絶対に負けない!」
「村へ帰るんだ!」
四つの力が一つになる。
白い光と黒い波動が正面から激突した。
――ドォォォォォォン!!
神殿全体が震える。
「ぐおおおおおおおっ!」
虚無の王が初めて苦しそうな声を上げた。
その身体に、細かな亀裂が走る。
「効いてる!」
しかし、その直後――。
虚無の王の胸に刻まれた紋章が、赤く輝いた。
「……まだだ」
「え?」
「この程度で終わると思うな」
黒い霧が虚無の王の周囲に集まっていく。
そして――。
その姿が、少しずつ変化し始めた。
巨大な翼。
鋭い角。
さらに増していく黒いオーラ。
少女の表情が変わる。
「まずい……」
「どうしたの?」
「虚無の王が……」
少女は震える声で告げた。
「第二形態へ移行しようとしている」
リーダーたちは息を呑んだ。
戦いは――。
まだ始まったばかりだった。




