第46話 目覚めた三つの力
第46話 目覚めた三つの力
黒き王の咆哮が、森中に響き渡った。
「グオオオオオオオオッ!」
その衝撃で木々が大きく揺れ、地面には無数の亀裂が走る。
「うわっ!」
「立って! まだ終わってない!」
仲間たちは互いに支え合いながら、なんとか立ち上がった。
胸の奥には、先ほど三つの鍵から流れ込んだ不思議な力が残っている。
けれど――。
「この力……どうやって使えばいいんだ?」
リーダーが自分の手を見る。
淡い光が指先で揺れていた。
その時だった。
「来る!」
ミルが叫んだ。
黒き王が一瞬で距離を詰める。
「遅い!」
巨大な爪が振り下ろされた。
ドォン!!
間一髪で避けたものの、地面が大きくえぐれる。
「こんなの、まともに受けたら一撃だ……!」
「だったら、受けなければいい!」
仲間の一人が叫ぶ。
「みんなで動きを止めるんだ!」
全員が散開した。
右へ、左へ、前へ。
黒き王の爪をかわしながら、少しずつ包囲していく。
「小賢しい!」
黒き王の口から、黒い炎が噴き出した。
「逃げて!」
ゴォォォッ!!
黒炎が森を焼きながら迫ってくる。
逃げ場がない。
「まずい!」
その瞬間――。
リーダーの身体が勝手に動いた。
「うおおおおっ!」
両手を前へ突き出す。
すると、胸の奥から白い光が溢れ出した。
バァン!!
光の壁が現れ、黒炎を受け止める。
「え……?」
リーダー自身が驚いた。
「俺が……止めた?」
ミルが目を輝かせる。
「鍵の力だよ!」
「鍵の力……?」
「三つの鍵は、それぞれ違う力を持ってるんだ!」
その言葉に反応するように、仲間たちの身体からも光が溢れ始めた。
一人は大地を震わせる力。
一人は風を操る力。
そしてもう一人は、傷ついた仲間を癒やす力。
「これなら……!」
仲間たちの表情に希望が戻る。
しかし――。
黒き王は静かに笑った。
「なるほど……それが三つの鍵の本当の力か」
「知ってるのか?」
「当然だ」
黒き王の赤い瞳が怪しく輝く。
「その力が目覚めたということは……」
一瞬、黒き王の背後に巨大な黒い影が浮かび上がった。
「貴様らは、もう後戻りできぬということだ」
「どういう意味だ!」
リーダーが問いかける。
黒き王は答えなかった。
ただ、不気味に笑う。
「三つの力が揃えば、封印された扉が開く」
「封印された扉……?」
仲間たちが顔を見合わせる。
すると森の奥から――。
ゴゴゴゴゴ……。
巨大な地鳴りが聞こえてきた。
木々の向こう。
そこに、今まで存在しなかった巨大な石の門がゆっくりと姿を現す。
門には三つの鍵穴が刻まれていた。
「まさか……あれが……」
リーダーが息を呑む。
黒き王が低く呟いた。
「さあ、選べ」
「三つの鍵で扉を開き、この世界の真実を知るか――」
黒い霧が再び森を包み込む。
「それとも、この場で私に倒されるか」
仲間たちは黙って門を見つめた。
そしてリーダーは、ゆっくりと拳を握った。
「……決まってる」
「俺たちは――真実を確かめる!」
その瞬間。
三つの鍵が、同時に強く輝いた。
石の門が――。
ゆっくりと開き始めた。




