第79話 ルーシエ御一行と千石と盗賊と
私はルーシエ、噂の大和神国に現れた冒険者の真相と表向きは、大和神国との同盟国交の外交団として大和神国に来ましたが、築紫地域の出島国際飛空艇港に降り立ち、先ずはこの大和神国の勇者様が残した遺産を見に行きました。
何故かリアが、「懐かしいぜ」とか言って大和神国の料理に、四日間食べ歩きをして出鼻をくじかれましたが、何百年も橋を整備せずに人々の通行を支える橋は壮観でした。
「歩くのキツそうだな、ルーシエ」
「私も無理だから、ルーシエが一人で歩いてね」
「何で私が、歩いて渡る前提なのよ!」
私はエリーとリアに抗議したわ、まあ一人「ひめ………お嬢様、全て気合で歩けます、ファイヤ!」暑苦しいメイド見習いの、アカネールが右手拳を突き上げながら勝手に走り、メイド長のリーリアの雷が落ちアカネールはお尻を叩かれてました、犬の様に元気よね…………アカネールだけ無駄に。
次に橋は渡らずに、最近瘴気が蔓延してた呪われた地に行きましたが、何故か大地に巨大なヒビや地形が変形し危ないらしいので、近くに居た大和神国独特の着物と言う服装に、不思議な髪型をした旅の剣士に話を聞くと。
「拙者も一ヶ月前に来たばかりだが、前は悲惨な屍が簡単に転がってたらしい、お嬢さん達も大和神国に旅をするのなら、魔道列車で旅をする事を推奨する」
「侍が居たぜ」
そしてこの剣士こそ、後に聖ルーン騎士王国の剣術指南役に成る千石さんとの出逢いにして、後のリーリア達の旦那様になる方だ、私はその詳細をこの数年後まで知らないし、エリーと私にそして何故かリアの運命すら変える、運命の始まりを呼んだ方だった、因みに何故か千石さんを見てリアがハイテンションの意味が、私には分かりません。
「拙者は千石、剣術を磨く武者修行中で御座る」
「私は戦闘メイドの長をしておりますリーリアです」
リーリアは千石さんに挨拶をし、大和神国の噂の冒険者が居るらしき諏訪岡までの道案内を、千石さんにリーリアが頼むと。
「武者修行は急ぐ旅路でもない、同行致そう」
「宜しくお願い致しますわ、千石様」
私は軽くスカートを掴み、千石さんに礼をします。
「お嬢さん、気遣い感じ入るが我に『様』は要らぬよ」
「左様ですか、千石さん」
「はい、左様で御座いますよ、他国のお嬢さん」
私達は元・呪われた地から近くの街に行き一泊し、翌日騎士見習いのエロンティーヌ通称エルが、千石さんに頼んだのか手合わせをして貰っていた。
「千石殿もう一度、ご指導をお願い賜ります」
「宜しい、掛かって参れ」
木刀での修練は、エルが毎回軽くあしらわれる、エルは見習いとは言え其なりに若手では才能が高い騎士、それを片手で軽くあしらい無駄の無い動きで、エルの攻撃を物にもならんと言いたげに木刀で受け流す。
「クッ! ルーシー先輩には、それなりに通じるのに」
エル、あの男漁りと千石さんを一緒にしたら駄目よ、格が既に違うわよエル。
「もっと腰を入れ、踏み込みを強くし打って来なさい」
「はい! 千石殿」
声を張りエルは再び千石さんに、打ち込むけどやはり軽くあしらわれてる、因みに全員翻訳通訳指輪を持ってるから、他言語の国でも言葉がはっきり通じるアイテムを作ったのも、大和神国の初代の勇者様と言われていますね。
そしてエルの修行も合わせて、千石さんの力を借りながらたまに魔道列車を降りては、エルの修行を含めて大和神国の文化にも触れながら旅をします。
ですが我が国には無い、この魔道列車は快適ですがリーリアの視線があるので、私もエリーもだらけられませんが、リアはだらけてもリーリアに叱られないのは理不尽です。
しかし大和神国の布団文化は、私は二日で慣れましたがエリーはまだ慣れない様ですが、リアやアカネールに稽古に疲れたエルは、初日から普通に寝てました………あの三人は適応性高すぎませんか?
そして、他国の文化とのふれあいと言う名の物見遊山は、生魚を食べるのには抵抗しましたが、何故かアカネールとリアは普通に食べてました、因みに最初は無理でしたが加賀で食べたお寿司は最高でした、はしたないとは思いつつ、大和神国流の手掴みで食べて良い文化は、私に新たな食の窓を開いてくれました。
しかもリーリアに叱られない、そうエリーは最初箸に苦戦しお寿司では、箸で手に取ってサンドウィッチの様に食べて良いのが、一番私達にしたら良い経験にしてリーリアにマナーで叱られない、唯一の大和神国での食事でした。
そして私達は目的の近くの駅に降り立ち、少し歩く旅をしました……最近食べてばかりで身体も鈍ってますから、あと何故か武装メイドのリーリアを含めたカルメルやルルナが、千石さんにベッタリなんだけど………いつの間に、千石さんとそんな間柄に成ってたの?
※加賀藩の辺りで、既に千石に陥落してますが、リーリアは橋を渡った翌日には千石にエルの稽古の御礼と言う名の、リーリアは千石と男女の夜を過ごし、相性良くヘクターへの未練の欠片を忘れる程燃え上がり、朝まで床を一緒にしてますがその後に二人もリーリアと一緒に、加賀藩で複数プレイし陥落してます、因みにリーリアがルーシエ達に何も言わないのは、千石を好きに成りすぎてややルーシエ達に甘く成ってる為。
私達は発車しそうな魔道列車に、慌てて乗りそして特急の魔道列車は、千石さんが言ってた信濃方面ではなく越後経由の遠回りで、私達は一日遠回りをし南ルートの岐阜側の各駅停車の魔道列車に乗り換え、翌日は諏訪岡地域の伊岡と言う駅の二つ前の駅で降り、一日魔道列車に乗って身体が痛いので街道を歩く事にしました、あとアカネールが走りたいと言うのと、エロンティーヌが「身体が鈍ります」と抗議した為ですね。
そして箕輪の街から出て街道を歩き、人気が少なくなった街道を歩きますが、さっきの分岐を選んだのを失敗したらしき私達は、変な服装をした連中と私が指揮をし、前に国として潰したアサシンギルドの残党が現れました、千石さんが「盗賊か」と言う黒い生地の服装をし、大柄の男と何十人かの手下を連れた顔は整ってますが、下卑た笑みをしながら私達を物色した目付きは気持ち悪い。
「殺すのは、俺達が楽しんだ後で良いんだろ?」
「我らの手で殺せれば良い………まあ、お前らで壊されたら壊れた姿を城の前に吊るして、王の絶望の顔を見るのも悪くないが」
下卑た顔で鼻を伸ばし、私達を物色する様に私やエリーを見る、あと私達が襲われ壊される前提なのが気に入りませんわ、私は悪に屈しません。
「交渉成立だな、浪人と小僧以外は生かせ………楽しむ為にな」
「下郎が」
「誰が小僧だぁ! オレは女だぁ!」
何故かリアが男子に、見られたらしい…………まあ普通に毎日男子に間違えられてましたからね、千石さんにも…………。
「リーリア達はやらせんよ、拙者の女だからな」
「千ちゃん……」
「「格好いい」」
何でリーリアは、ヒロインの様に目を輝かせてるのかしら、私達ピンチだと思うのだけど、あと何でカルメルもルルナも嬉しそうなのよ!
「何だか知らんが、小僧が女装しても…………」
「お頭、アイツは俺のペットにするぜ」
「俺が先に、あの小僧のケツを貫通させるぜ」
リアに舌舐めずりをする、目付きが朧な男とズボンを脱ごうとしてる、目付きが危なそうな二人がリアを見ながら、何やらお尻とか聞こえた気がしました、そしてリアは青い顔をしながら気持ち悪いと、生ゴミを見る様な荒んだ目で見てました。
「さあ小僧、上と後ろの穴で奉仕させてやるぜ」
「俺はケツオンリーな」
「ふざけんなぁ~!!」
リアの怒りの沸点突破と共に、大和神国の盗賊とアサシン残党を相手に、私達は戦う事になりましたが…………。
「ミサイルガード!」
魔法戦士のルルナの風魔法により、近くの茂みから飛んで来た矢を弾き、そしてリアは一人に殴り掛かるも躱され、捕まる前に逃げるのを繰り返していた。
「矢が見えない何かに弾かれただと!?」
焦る盗賊達とは裏腹に、高みの見物のアサシンの残党達、何を企んでるのかしら?
「浪人のクセにしぶとい」
「浪人ではない、諸国を歩き剣術を磨く修行をしてる身だ!」
「浪人だろうがよ!」
「ふざけるな、どこぞに仕官する為に旅なぞしておらんわ!」
何故か千石さんが、何時もより冷静さが無い気がします、私も援護に味方が居ない場所に向け魔法を放ちます。
「大和神国に来る前に覚えた魔法、喰らいなさいファイアーボールですわ」
ルーシエの右手から放たれた火球は、小さく鬼火の様な大きさでヒョロヒョロと飛びながら、途中でパチンと音を立てて消えた。
「……………手加減って、相当大変ね」
だがルーシエの背後から、怒りの声がする。
「ルーシエお嬢様」
「リーリア!」
「後で魔法の再教育の修行追加です」
「ひぃ~!!」
この時のリーリアは怖かったです、それも背後に何やら怖い黒いドラゴンが見えたのは、エリーとアカネールにも見えたらしいです。
「自業自得よね、アカネール」
「はい、エリエスお嬢様」
そこ、冷静に言わないでよね。
「ガキのゴミ魔法かよ」
「誰がガキよ」
「メスガキ、お前だよ」
「クッ! 屈辱ですわ」
千石さんが十五人以上斬った辺りから、何やら一撃で盗賊を倒せなくなってます。
「クッ! 刀の切れ味が」
「なまくらかよ」
※刀にも耐久性が有ります、手入れをしてもある程度のダメージは刀にも在ります。
「我が相棒を、なまくらとは許せん」
斬れなく成った刀を納め、千石は小刀を抜き無意識に闘気を放ち、近くの斬り倒した盗賊の得物も手にし、小刀と無骨な刀の二刀流で殺意の気配を脹らませ、そして大柄な盗賊の頭の取り巻きを一瞬で三人斬り伏せる。
「何だ! 今の見えない動きは…………化け物か!」
「我が流派は稲妻にして、二刀流の戦いが基本…………手加減無しに貴様を殺す」
「浪人が意気がるなよ」
「確殺決定だぁー!」
千石は更にスピードを上げ、斬りかかる。
「野郎共、殺れ!」
「貧乏籤かよ!」
「頭、報酬はあのメスガキ二人を、俺の玩具に最初にさせて貰うぜ」
「雑魚がほざけ!」
だが千石の一撃を、不思議に手甲で受け止める盗賊の取り巻きの一人、その隙に矢すら弾く風の障壁が発動しない内に、直接毒が塗られた鋭い鉄の棒を刺され、千石は怯み間合いを取る。
「まさかそれは……」
「オリハルコンの手甲さ、鉄の刀では先ず切ることは不可能なのさ」
「クッ!」
「千ちゃん!」
千石がピンチになったのと同時に、数人が空から降り立つ………約一名腰が引けてるが。
「何だ? 新手か」
「だけど数人ですぜ」
「返り討ちだ!」
私はこの日を忘れない、私の初めてを捧げて良いと思えた方にして、初めて男性を好きに成り後の旦那様を虜にする、色々私に教えてくれた初恋だと思う人、そして私のピンチに来てくれる人、私は生涯忘れない…………あの人に出会ったこの日を。




