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第65話 第二試合

『第一試合は見事ショウ選手の勝利で終わりました!続いて第二試合!ツアームス選手に続く我らが期待の囚人!同族殺しの汚名を背負い、囚役年数は200年!今回は数日前からトレーニングと瞑想で体を鍛え上げてきました!青コーナーからの入場だ!一度暴れだしたら敵味方関せず!彼こそ暴虐のアルシオーネ!』


観客席からは黄色い声援が飛び交う。

「アルサマァァァァ!」


「キャァァァァァ!ステキィィィィ!」


アルシオーネは黙て手を挙げ静かに相手の入場を待つ。


『さぁ対戦相手だ!こいつの素性は一切不明!ただし実力は間違いない!並みいる猛者を打ち破り一騎当千を成し遂げこの場に登場!赤コーナー!謎の戦士クリア!』

赤コーナーの入場口から全身甲冑を着込んだ小さい戦士が入ってくる。

その姿は身長150センチ程度で中身は甲冑で隠れているためどのような容姿をしているかは一切わからない。男なのか女なのか、人間なのか魔物なのかも一切がわからない。さらに、異様な剣を帯剣している。その剣は魔剣といってもいいだろう。ショウや美沙が持つような魔剣とは違いまがまがしさがあふれ出している。


『さあこの二人はどのような戦いを繰り広げるのか!?解説のミサーラさんどうよそうされますか?!』


「あー、あのイケメンのほうが有利なのかなー?いやーもしかしたら謎君のほうが・・・あの剣ちょっとおかしいきがするしなぁ~」


『あれ?ミサーラさん?一回戦の解説と違ってなんか漠然としてません?』


「え?あーきのそいですよー」


『ま、まあ気を取り直して第二回戦始まりです!』


ミュウの合図とともに第二試合が始まる。


両者動かずに相手の出方を見るように一切動かな。緊迫した時間が会場に流れる。観客席も固唾をのんで見守る。


『ミサーラさん、両者動きませんね。』


「そうですね。先に動いたら負けとか思ってるんじゃないですか?」


『え?そんなアホみたいな理由なんですか?』


次の瞬間に両者が同時に動き出す。

観客には二人が一瞬にして中央でぶつかり合ったように見えたが、ミサやショウ、実力者たちははっきりと見ていた。


アルシオーネの武器は拳、その拳にガントレットを出現させて拳を出す。一方のクリアは魔剣を抜きアルシオーネに向かって横なぎに振りぬく。その剣をアルシオーネがバックステップで当たるか当たらないかのギリギリのところで躱し、音速に達するほどの拳激をクリアの懐に潜り込まそうとすると、クリアは剣のつかの部分で拳を防ぐ。防いだ衝撃を使ってその場で一回転して更に速さを乗せた横なぎを出すとアルシオーネは顔の皮膚一枚を切らせ、そのままクリアの懐に体ごと滑りこませる。その姿を見たクリアは焦ることなく魔剣を上段から一気に振り下ろす。アルシオーネはその行動を待ってましたとばかりに体を横にしてかわすと正拳突きをくりだす、クリアはかわされた魔剣を今度は下から上に振りぬくと正拳突きを出したアルシオーネは一瞬反撃に遅れた。そして・・・


ここまでがほんの一瞬の出来事である。


『二人とも今度は中央で動きませんね。』


「そうね、普通の人には何が起きたかわからないかもしれないけど、今の一瞬でものすごい攻防が起きていました。まさに手に汗握る攻防といってもいいんじゃないでしょうか?」


『え?!そんなことがあったんですか?!』


美沙は今あった攻防の詳細を説明していた、腑抜けた解説ではなくちゃんとした解説で。


クリアとアルシオーネの戦いは・・・クリアの勝利であった。

中央でにらみ合いを続けていた二人だがアルシオーネが片膝をつくとアルシオーネの右腕が肩からボトリと地面に落ちた。正拳突きを繰り出した右手だったが、クリアの振り上げに対処するのが一瞬遅れ切られたのである。


アルシオーネが一言だけ「俺の負けだ。」といって青コーナーの入場口に戻ろうと歩き出した。


『ななな!なんと!アルシオーネ選手自らの敗北宣言です!勝ったのは謎の剣士クリアーーーーーーー!!これまた大番狂わせだ!』


アナウンスが会場に広がる中、クリアが地面にあるアルシオーネの腕を拾いアルシオーネのもとに一瞬で移動する。


『おっと?クリア選手アルシオーネ選手の腕を持ってアルシオーネ選手に使づいていきました、まるで忘れものだぞと言わんばかりの行動でしょうか?』


アルシオーネはクリアを見て腕を受け取ろうとしたが、クリアはアルシオーネの腕を切断部分を合わせたと思うと回復魔法『ヒーリング』でつなぎ合わせる。

アルシオーネはクリアをみて切られた右手がちゃんと動くのを確認して、右手をすっと差し出す。

クリアもそれを見てアルシオーネの手を握り固い握手をする。それを見た観客たちは一斉に拍手と雄たけび、歓声をあげた。


「いいたたかいだったぞ!一切わからなかったけど!」


「ナイスファイトだたぞ!」


「あるさまーーーーー!クリア様ーーーー!」


「こ、これは間違いなくBL・・・ハァハァ・・・」


一部何かの間違いのような歓声もあるが、二人の戦いと戦いの後のアフターケアに観客一同が間違いなくスタンディングオベーションで会場を盛り上げていた。


「なかなかすごい攻防だったなショウ。」


「えぇ、これ、優勝できるんですかね?」


「まぁ、大丈夫だろ?あれぐらいならお前のほうが数段上だぞ?」


「まぁ・・・」


「・・・・」


「どうしたのカオス?」


「ん・・・ちょっときになるし、あの剣。」


「そうなの?」


「うん、パパ。もしあの人と戦うことになったら気を付けるし。」


「そっか、分かったよカオス。」


カオスの心配はある意味当たっている。クリアの魔剣の本当の力は一切見えていない。禍々しさも何もかも謎のままである。

次の三回戦はついに勇者の登場だ。

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