第66話 勇者?
だいぶ開いてしまいまして申し訳ございません。
誤字脱字があり読みにくいですが後日直しますのでご了承ください。
『第二回戦も終わり第三回戦が始まろうとしております!第二回戦も白熱した試合でしたが次の第三回戦は注目ですね!なんとあの勇者様が登場いたします!グレアの町を救い恩賞を受け取るどころか逆に復興のために寄付を申し出るなど皆さんはできるでしょうか!?さぁ!もうすぐ始まります!刮目してご覧ください!』
勇者の登場を待ち詫びた場内はアナウンスによって一気に盛り上がる。ショウは観客席でカオスと見学しているが周りの熱気に少し押されている。
「パパの偽物が出てくるし。」
「まぁまぁ気にしないからいいよカオス。」
カオスだけがものすごい殺気を放ち闘技場を見つめている。アナウンス席を見ると美沙がカオスを見て少し慌てていたが、ショウがそれに気が付きなだめるポーズをする。二人のそれに気が付きカオスも殺気を抑えた。
「もう!パパもママも!偽物は許せないし!」
「カオス、だめだってそんなに殺気出したら。変に思われるから。」
「ぶー!」
カオスをなだめ会場を見つめているとアナウンサーのミュウが入場のコールを始めた。
『赤コーナー!強盗、殺人、悪事は何でもござれ!俺の前に立ちはだかるやつは全て殺す!命がいらないやつはかかってこい!鬼族の魔獣とは彼のことだ!ブラックファング鬼柳の登場だぁぁぁぁぁぁ!』
ミュウの登場アナウンスが終わった瞬間に会場は再熱する。鬼柳も犯罪者ではあるがここでは人気である、普段は服役しているため力も抑えられ監視も付けられるがこの日だけは別、優勝候補の一人として実力ともに人気である。
『続いては今回の大会の大本命ともいえるでしょう、青コーナー!悪事は絶対許さない!みんなのことは彼が守る!打倒魔王を掲げる本物だ!勇者シオーーーーーーーーーーン!』
シオンの名前が出た瞬間、ショウもカオスも美沙も席を立ちあがる。他の席で見ていたリナもゼストもマリもユカリも立ち上がりシオンを見た。青コーナーからゆっくりと出てきたのは正真正銘のシオンだったが、以前と何か雰囲気が変わっている。少し落ち着いているというのだろうか自身に満ち溢れ、前のシオンと比べると確かにはるかに強くなっているようだった。
「貴様が勇者か・・・俺の前に立つからには命がないと思え。」
「・・・・」
鬼柳の挑発にもシオンは動じない、無言で背中にしょっていた剣を抜く。
「ッチ、どうなっても知らねぇぞ、そんななまくらで俺の間に立つとはな・・・。」
シオンは正眼に剣を構えると何も言わずに開始の合図をまつ。
『解説のミサーラさん?どうしたのですかいきなり立ち上がって。』
「あ、いえ。何でもありません。」
美沙は平静を装い席に座りなおす。なぜあのシオンがここにいるのか、何のためにグレアのことを引き出してきたのかそして、以前と違いすぎるシオンは何を企んでいるのかを美沙は考えるが見ているだけでは何もわからない。シオンの登場にショウやみんなはどう思っているのか。
『さぁ始ります第三回戦!鬼柳VS勇者シオン!それでは・・・試合開始だぁぁぁぁ!』
ついに始まった鬼柳とシオンの戦いだが勝負は一瞬にして終わった。
「おいおい、怖気づいて動けないのか?」
「・・・もう行った。」
シオンがその場を振り返り入場口に戻ろうと歩き始める。
『シオン選手どうしたのでしょうか?ミサーラさんお分かりになりますか?』
「え、ええ・・・この試合ですがもう終わっています。」
美沙がそう言った瞬間に鬼柳の肩から腰に向かって一本の筋が時入る、真っ赤な一本の筋それは鬼柳の体を半分にして線より上の部分はグシャリという嫌な音とともに地面に落ちたのであった。
『え?え?!えぇぇぇぇぇ?!しょ、勝者は勇者シオンだ!刹那の瞬間とでもいうのでしょうか我々凡人には一切何が起こったのかわかりませんでした!ただ、鬼柳選手が切られていたとしか言いようがありません!しかしこれはルール上戦闘不能となりますのでシオン選手の勝利確定です!』
何が起こったのかわからない会場は試合前と打って変わって静寂が広がる。
津波の前の静けさではないがその静けさが一瞬にして熱狂的な叫び声に代わり会場を埋め尽くした。
「パパ・・あいつ前と全然違うし。」
「あぁ・・・強くなっている、それにあの剣。」
「うん・・・異世界の魔王の魔剣だし。」
「なぜシオンがあんなものを・・・。」
美沙もショウもマリもユカリもゼストもリナも・・・誰もが築いただろうあの禍々しさはこれまで出会ったものではない。だが一つ違うのはシオン自身は間違いなくシオンであること、魔剣に支配されているわけでもなく操られているわけではない。ショウはここで一つ仮説を立てた、それはあの魔剣がカオスのようにシオンに力を貸しているのでは?という仮説である。
「どうかなカオス・・・あの剣の中の魔王がシオンに力を貸しているというのであればあの動きも可能なんじゃ?」
「うーん・・・たぶんそうじゃないし、なんていうかよくわからないんだけど剣に封印されている魔王の力だけを抜き出しているって感じだし?」
「そんなこと可能なの?」
「やり方は私もわからないし、でもそうとしか考えられないし。」
「そっか・・・どっちにしろシオンに直接聞くのが早そうだね。」
カオスとショウはお互い顔をむき合わせ無言でうなずく、一波乱あることは間違いないとお互いが覚悟をした瞬間だった。
『エー皆様、本日の試合はこれで終了となります。次回の試合は明後日ショウ選手とクリア選手の戦いとなります!どうぞお楽しみに!』
ミュウのアナウンスで今日の試合が終了した。ショウ達は自分たちの宿に戻ると全員がショウの部屋に集まる。
「なぁショウ、あれは間違いなくあの偽勇者だよな?」
「えぇ・・間違いなくシオンです。」
「なんであいつがここにいるの?!あいつ捕まったじゃん!」
「ちょ、ミサ落ち着いて!」
「落ち着きなさい、ミサッチ。おおかた何かのすきを見て逃げ出したんでしょ。」
「でもですよマリさん。あの剣は・・・」
ユカリが剣のことを触れると皆が黙る。その静寂を切ったのはカオスだった。
「あれは間違いなく魔剣だし、クリアが持っていた魔剣なんか比べ物にならないし・・・」
「異世界の魔王の魔剣・・・」
ショウがその言葉をつぶやくと全員がショウを見る。
「なんでシオンがあんなものを持っているのかも今のところは全て謎です、明後日のクリア選手との勝負に僕は絶対に負けれなくなりました。もしかしたらカオスと一緒に出ることになるかもしれません。シオンが勝ち進んで僕と試合することになれば・・・魔王の復活が考えられます。」
「そうね、そうなったとき私たちも何かしら対策を練らないといけないわね。」
「マリの言うとおりだよね、ショウも気合入れてね!私は解説席から色々見て指示出せると思うから!」
「おぅ!俺たちもすぐに動けるようにしておくからな!どんなことが起こるかわからないが心配するな!」
「そうなのじゃ!何があってもいいように準備するのじゃ!クーたんも一緒に頑張るのじゃ!」
「キュイーーーーーーー!」
こうして会議は終了した。どんなことが起こるかはまだ何もわからないが、まずは明後日のクリア戦に向けてショウは体を休めることにした。
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