番外編その5 キズナの物語~古代遺跡編~その3
これにて番外編はいったん終了です。
「な、な、なんでしょうか?!ミサもキズナさんも気を抜かないでくださいね!」
「う、うん!」
「わかった!」
警告音が鳴り響く中、固定式砲台の前で地中から金属がどんどん飛び出してきて合体していく。これあれだ、よくある守護ゴーレムの一種だ。お宝を守ってるガーディアンだね。こんなもんに守らせてるんだからお宝も相当すごいもんだと思う。ガーディアンの動きに警戒しつつ私たちは戦闘準備に入る。
ショウ君がスキルと剣技を混ぜ合わせながらゴーレムの猛攻をしのぎつつ反撃をしている。でも何かがおかしい、ゴーレムにダメージが入ってない気がする。ミサッチも後方から最上級呪文をショウ君のタイミングを見て連発してる。でもダメージが入っていない。わたしは私で二人の攻撃に合わせながらガトリングスマッシャーで牽制しながら頭部にめがけて弾丸の雨を食らわせている・・・はずだったのに。
「ショウ!キズナ!こいつヤバいかも!」
「ミサ!キズナさん僕の攻撃に合わせて!」
「こいつの硬さどうなってるの!?ショウ君何か打開策ないの!?」
私たちは三人で戦闘しながらガーディアンの動きを見た。一度上の階に戻って作戦を練りなおそうと思ったけどすでに上に上がる階段は無くなっていた。苦戦する私たちにガーディアンの猛攻撃は止まることはない。まさかこんなことになるなんて…真・勇者や極デスゴットがいて私もいるのに…
「ちょ!マジでやばいんですけど!」
みさっちが驚いた顔で私とショウ君を交互に見る。
「こいつ、ステータスがヤバいよ!物理攻撃無効、通常魔法攻撃全て無効がついてる!しかもオリハルコンでできてるんですけど!」
「え!?うそでしょ!?」
「この装備じゃ僕でもあれに勝てないかもしれないですね…カオス連れてくればよかった。」
ショウ君の娘で、元異世界の魔王で、現在この世界の最高の一振りの剣『魔神剣カオス』カオスなら物理無効とか魔法無効とかそんな理を一切合切無視して攻撃ができる。でも今ここにカオスはいない。
なんでもダンジョンに向かうって話をしたら、「私、ゼストのおじーちゃんと遊ぶ約束してるしー、パパとママが一緒なら問題ないしー。」といって今回はついてこなかったらいい。そんなことを戦闘中に考えているからいけなかった。ガーディアンの放った攻撃、右腕を飛ばしてさらにその飛ばした右腕が拡散するという広範囲のえげつない攻撃に私は撃ち抜かれた。
「キズナ!」
「キズナさん!」
二人が私の心配をしてくれてる。結構効いたなー、これ駄目な奴かもしれない。
『…ヲ…テ…」
「誰?」
幻聴が聞こえる。お迎えが来たのかな?ごめんねダーリン。
『ボクヲ・・・テ…』
またですよ、こっちはダメージ食らって動けないんだって。
『ボクヲツカッテ!』
幻聴じゃない!頭に直接言葉が入ってくる!私がその方向を見ると台座に固定されている砲台だった。
『アノガーディアンハボクジャナキャウチヌケナイ。ダカラダレモカテナイ。』
私はその言葉をすんなりと受け入れられていた。
「ショウ君!ミサッチ!少しだけ時間を稼いで!」
「キズナさん!?よかった!」
「よかった!無事だったね!こっちは任せて!」
私は急いで固定式砲台のところまで走った。固定式砲台のところまでたどり着いて初めて分かった。これは・・・
「ミサッチ!ショウ君伏せて!」
ガーディアンの振り上げた拳がショウ君に目掛けて振り下ろされた瞬間、私は二人に叫んだ。
私の声でミサッチとショウ君がとっさに伏せるとガーディアンに向かって一筋の光が私から伸びていた。
びっくりした二人は私のほうを見る。
わたしから伸びる光はガーディアンを空間の端にある壁まで吹き飛ばしていいた。
『起動確認、使用者の登録…キズナ。マスター登録完了。全機能解除、精霊式ガトリングスマッシャー全機能起動確認、特殊AI起動、起動確認。』
「え?え?」
『初めましてマスター、私は精霊式ガトリングスマッシャーです。』
「あ、はい、どうも。」
『所有者キズナ、私に名前を付けてください。』
「え?名前?いま?ここで?」
『名前を付けることにより全ての機能の使用権がマスターに譲渡されます。あれを倒すには今しかありません。』
戦闘の最中にそんなこと言われても!ってか名前とか思い浮かばないし!あ!そだ、あれにしよう!っていうか私とこれのやり取りをしている最中でもショウ君とミサッチはガーディアンを何とかしてくれてる、早くしなきゃ。
「わかった!わかったわよ!あんたの名前はリベリア!これでいいでしょ!?」
『固有識別名リベリア、登録完了しました。マスターこれからよろしくお願いします。』
リベリアの名前を付け終わるとリベリアを持つ手から一気に情報が私の中に入ってきた。リベリアの使い方、リベリアの技、リベリアの特徴すべてだった。
更に固定されていた台座が機械音とともに台座の中に収納されてトリガーと砲身になったリベリアが私の横でガーディアンに銃口を向けてフヨフヨと浮かんでいた。
「マスター、あいつ倒していいよね?」
「え?あ、うん。」
「了解!戦闘しているお二方、マスターキズナの後ろまで下がってもらますか?」
ショウ君とミサッチはリベリアの発した声で私のところまで下がってきた。
「ちょ!キズナ!何それ!かっこいいんだけど!ファ◯ネル!?」
「ファンネルって何!?っていうか私もさっき手にしたばかりでまだ整理できてないの!」
「二人ともまで戦闘中だよ!あれ何とかしないと僕ら帰れないよ!」
「まぁまぁ、お二方、マスターの部下ですか?大丈夫です見ていてくださいね。」
「「武器がしゃべった!」」
二人が驚いているつかの間、リベリアの周りに魔素が集まった。
「今回は僕の判断でスキル使うから次からはマスターがどうするか決めてね。」
「あ、はい。」
なんか私さっきから「あ、はい。」しか言ってない気がするんだけど。
「精霊式ガトリングスマッシャー奥義『光の裁き』」
リベリアがそう言うと砲身から特大のレーザーがガーディアンに向かって放たれる。そこからがひどかった。砲身の直径は約50センチその大きさのレーザーが砲身周辺からガーディアンに向かって無数に放たれる。数?数百発だよ。数えてらんないよ、しかもすべて同時にだよ?最終的にはそれが一つの束になって…ガーディアンはチリも残らなかったよ。
「すんごいんですけど!キズナこれすんごいんですけど!」
「あ、うん。」
「これと戦うとかになったら僕も嫌だなー、キズナさんやめてくださいね。」
「あ、うん。」
「マスター!どう?すごいでしょ!?」
「あ、うん。」
こうして古代遺跡の探検は終了した。ギルドに報告後ミサッチとショウを我が家に迎え小さいながらも祝勝会を開くことになった。
「キズナ、ミサーラ様、ショウ。古代遺跡看破おめでとう!」
旦那がグラスを持って乾杯の音頭をとり、宴会が始まった。
「しっかしすごかったよね、リベリアだっけ?あれ私も欲しい!」
「ミサッチにはいらないでしょ?」
「えー!かっこいいじゃんファ◯ネル!」
「・・・・」
「・・・・」
「どうした二人とも?そういえばあの古代遺跡お前たちが入った後、跡形もなくなったって話だけど、お前たちが出てきた後でよかったな。」
「そ、そうだね。ショウ君。」
「そうですね、キズナさん。」
わたしとショウ君は冷や汗を垂らしながら目をそらした。リベリアは無言で部屋の片隅でカタカタと震えていた。
ギルドに戻る前に時間は遡る。
「いいなーそれ。わたしも欲しい!」
「申し訳ありません、マスター登録はすでに終わっていますので変更することができません。」
「まぁしかたないよ、今回あのガーディアン倒せたのはキズナさんてことで。ここは譲ろうよ、ね?」
「ぶー!わかったよ。あ!じゃあ真似してみたらいいんだ。」
「「え?まね?」」
ミサッチは自分の亜空間倉庫から適当な小口径の銃を数十個取り出して古代遺跡に向かって銃を向けた。
「よーし!ファ◯ネル!」
ミサッチはそう叫ぶと地面に置いてあった銃が一斉にミサッチの前をフヨフヨと飛び回り古代遺跡に向かって弾…レーザーを一斉に発射。リベリアの光の裁きの最後の大きさのレーザーが一つの銃口から数百発生まれた。結果、古代遺跡は跡形もなく消滅、さらに光は後ろにあった森を消滅させ山を撃ち抜き消えていった。
「極デスゴッド・・・」
私は口から無意識にこの言葉を発していた。
リベリアはカタカタと震えながら私の背中に隠れていた。
ショウ君は口を開けて動かなくなっていた。
「あ、やっばい。やりすぎちゃった。」
ミサッチはベロをペロッと出して自分の頭をこつんと叩いていた。
後日この光を見た人たちから神の裁きが下されたという話が町中で大流行したのは間違いない。そしてミサッチのファ◯ネルはショウ君によって使用禁止された。
極デスゴッドの伝説はまだまだ続くと思う・・・
次回から本編に戻ります。
リベリアとキズナの出会いの物語でした。
ご覧いただきましてありがとうございます。




