番外編その5 キズナの物語~古代遺跡編~その2
これで終わらせるつもりが・・・・
「ショウ!そっち行ったよ!」
「うん!ミサよそ見してたら危ないよ!あ!キズナさん後ろ!」
「わかってるよ~!今の私に死角はないってね!」
こんな感じで私たちは今古代遺跡手前の森で、ランクSの魔物を数匹まとめて相手していた。もっちろん私たちの相手じゃないけどね。そんなこんなで、日も暮れてきたので野営の準備に入っていた。わたしは一人のテントでミサッチとショウ君は二人用テント。でそれ以外に一つお風呂用テントがある。通常の冒険者の野営は大体のパーティーが、一つのテントで寝泊まりをする。もちろんお風呂なんてあるわけない。それなのに私たちのテントにはお風呂がある!そう!すなわち勝ち組!私たちは勝ったのである!・・・なにに?
「キズナー!私たち先にお風呂使っていいかなぁー?」
「いいーよー!変なことすんなよ、馬鹿夫婦」
「しないし!ってか!私たち馬鹿夫婦じゃないし!」
「あははは、ミサ早く入っちゃお。キズナさんだって入るんだから。」
っち!ここに旦那がいればこんな屈辱・・・このうらみはらさでおくべきか・・・。
結局ミサッチとショウはササっとお風呂から上がってきた。お楽しみは夜にとっておくってか?へいへい、ご馳走様でしたー。わたしもお風呂に入る。昼間は結構歩いたし、戦闘もあったし。・・・戦闘?クマのSSランクが襲ってきたからガトリングで挽肉にした。ハチのSSランクの大群が来たからガトリングで挽肉にした。アンデットのSSランクの大群が襲ってきたからミサッチとショウ君に当たらないようにガトリングで挽肉にした←これついさっき。あれ?よく考えたら、私ほぼほぼ体動かしてないよね?肩まで湯船につかりながら私はそんなことを考えていた。
「キズナー、そろそろご飯できるよ~。」
「うん、わかったぁ~。」
ミサッチに呼ばれたので湯船から上がって体をよく拭く。ピッチピチのこのお肌、水弾きも抜群。いまだに私は近くに住んでいる奥様連中に『今日もお若いですね、羨ましいですわ。』なんてよく言われてる。はぁ・・・そんな当たり前のことはどうでもいいの。やっぱりお風呂って最高。
「あー、いいお風呂だったよー。」
「やっぱりおふろっていいよね~、こんなとこでもお風呂入れるって最高だよね。」
「ってかさぁミサッチ?ミサッチのゲート使えば野営なんてしなくてもよかったんじゃない?」
「ん~それがさぁ?ここら辺一体がね、空間が歪んでいるみたいでゲート使えないんだよね~。」
「え?そうなの?」
「うん、近づけば近づくほど空間が歪んでいてゲートは使えないんだよねー、だから今はもう空間系の魔法やスキルが使えないの。」
「え?!じゃあ亜空間収納倉庫もつかえないの!?」
「あ、倉庫はね、魔法でもスキルでもないから大丈夫みたい。」
なんかそれずるくない?まぁ、そういう事なんだし仕方ないか。
「ふたりとも~ご飯できたよ~。」
ショウ君がお盆にのせて三人分の料理を持ってきてくれた。よく働く旦那さんてえらいよね。
さて、ご飯も食べ終わったことだし、今後のことを話さないとってなったので三人でお片付けして、焚火の前で食後のコーヒーを飲む。
「この調子でいけば明日のお昼には、遺跡に到着できますね。」
「そっか、じゃあどうしよっか?このままいってサクッと探索終了しよっか?」
「そういいたいけどさミサッチ?この遺跡の内部がどうなってるかわからないでしょ?」
「ん~まぁ何とかなるんじゃない?」
「え?ミサ遺跡の中のこと分かるの?」
「うん、サーチの魔法さっきかけたから大体は把握できたけど最深部だけがサーチできないように隠蔽されてたよ。」
ほんとこの子何でもできるよね。優秀すぎる。なんだっけ?チートっていうんだけ?ほんとズルい。
魔物の数をサーチで確認するために広範囲で魔法ぶっ放すとか通常の人できないし。せいぜいできて1キロくらいだし。ぶっ壊れてるよね。
「ってことだから内部の構造とか全部わかったし、最深部までお宝漁って直行もできるよ。」
「そうしよミサッチ!お宝大事!・・・でもさぁ?最深部にサーチできない隠蔽魔法ってなんだろ?大事な何かを隠してますって言ってるようなもんだよね?」
「たしかに、その可能性はありますね。最深部まで行った後は油断しないで進みましょう。僕が前衛を務めますのでミサとキズナさんは後方支援でお願いします。」
「わかった~!楽していいってことだよね?」
「え?楽って!後方支援ですよ?」
「だから~何もしなくていいってことでしょ?ねぇ?キズナ?」
「そうだよね~、ショウ君が前衛で戦うんじゃほぼほぼ活躍なんてできないし。」
そんな冗談を言いながら、夜は更けていった。
次の日、案の定、私たちは昼過ぎには古代遺跡に着いて、内部の攻略?を始めた。ミサッチのサーチでお宝や罠、モンスターハウスなどすべてがわかっているので、本当に楽だった。楽すぎて楽すぎて・・・今までこの古代遺跡に挑んで命を落とされた方々に申し訳ない気分になってきた。
だってさ、少し歩くとミサッチがさ『そこ罠あるよ。』とか『そこ右に行って三歩目の壁に隠し扉があるよ。』とか、『あ、ここモンスターハウスだよ?遊んでく?』とか、なんだろうね?わかっている探検程退屈なものはないよ。だってドキドキもワクワクもないんだから。お宝も漁り終わって最後に残っているのは最深部だけ。昨日の夜に話したショウ君が前衛、私とミサッチが楽をするって陣形をとって進んでいく。
「二人ともこの後は何があるかわかりませんから十分に注意してくださいね。」
「はーい、センセー。私とキズナはウシロデマモッテイマース。」
「なんで!?守るって言ってるのに何でお菓子食べてるの!?ミサ!」
「ふぃふぃからふぁふぁふいほうほ」
「キズナさん何言ってるかわからないんですけど!」
ショウ君の突込みで盛り上がりながら最深部に続く階段を私たちは降りていく。
階段を降り切った先に待っていたのは何もない巨大な空間だった。あ、何もないは嘘だね。
中央に台座のようにものがあって、その上に純白に輝きを放つ単発式の固定砲台が置かれていた。綺麗…私の第一印象はそんな感じだった。ショウ君を筆頭にその固定式砲台に近づいていくと警告音のようなものがあたりから鳴り響いた。
まだまだつづくよ~!




