クリスマススペシャル番外編 カオスのクリスマス
クリスマスすぎた…しかも長文になったん…俺にもサンタクロースが来て欲しかったビターンッ('、3_ヽ)_
今年もこの季節がやってきた。魔王城も雪に覆われ真っ白になり、バースティア城もいつもより真っ白になっていた。
「ふぉっふぉっふぉっ、今年もこの季節がやってきましたな。ミサーラ殿。」
「ふぉっふぉっふぉっ、やって来ましたよ。大じじ様。」
ゼストの祖父で前前王様の大じじと美沙は2人でふぉっふぉっふぉっと笑いながらグリモアールの世界地図を広げ至る所に印を付けていた。
「ちょっとミサ!大じじ様の前であまりふざけるのは失礼になるよ!」
「えー!いいじゃん!1度やって見たかったんだもん!ふぉっふぉっふぉって!」
「そうですじゃ、ワシはミサーラ嬢ちゃんとこうして悪巧みするのが今は1番の楽しみなんじゃ。」
「そうは言いますが…」
「で?ママ?悪巧みってなんなの?」
ショウの影からカオスがひょこっと顔を出し、ジト目で美沙を見つめる。
「ちょっとカオちゃん!ママは別に悪巧みなんてしてないし!むしろみんなが喜ぶ事してるし!」
「そうですじゃ、カオス嬢ちゃん。ほーら飴だよー」
飴だよー、と言いながらペロペロキャンディをカオスにチラつかせるが…
「わーい飴ちゃん!ってそんなのに引っかかるわけないよ?で、パパ。この2人は何してるの?」
「ん?あぁ、クリスマスの準備だよ。」
「ふぁ?クリス…マス?苦しませます?」
「いやいや、クリスマスであってるから!無理矢理そんなこと言っわなくていいから!」
「パパ何焦ってるの?っていうか、クリスマスって…なに?」
腕を前で組む感じで片方の手を顔に当てカオスは•́ω•̀)?と言った顔でショウを見る。
「あ、そうか、カオスは去年のクリスマス知らないのか。」
「知らないし、そんな悪巧み去年もやってたの?!」
カオスは去年、自分の故郷に1度帰って見たいと1人里帰りをしていた。それはまた別のお話で…という事にしておきましょう。という訳でショウがカオスに去年のクリスマスがどんな事だったかを教えた。
「な、な、なにそれ!ひどい!私だけ仲間はずれ!パパもママもみんなみんな許せない!」
「カオスが帰って来たのが1ヶ月後だったからすっかり忘れたてたんだ。」
「むー!」
カオスはプクッと膨れて部屋を飛び出して行った。
街中を1人ブラブラ歩いているとカオスの目に飛び込むのはクリスマス仕様に彩られた鮮やかな景色、もみの木や電飾等、自分の知らない世界が広がっている。
「ねーねー!今年もサンタってやつ来てくれるかな?かぁさーん!」
「あんたが良い子にしてたら来てくれるんじゃないかい?」
ふっと横を見ると中の良さそうな親子がサンタの話をしている。カオスは話の途中で城を出てきた為、サンタが何でこの風景がなんなのかイマイチ理解出来ていない。
「…良い子の所に来てくれるサンタ…?」
1度帰ってショウや、美沙に話を聞こうかとも考えたが、頭をブンブンっと降って考えを消した。その時、カオスの長いツインテールがある人物にヒットした。
「いたっ!」
「あ、ごめんなさい!ってゆかりん?」
「ん?あ、カオちゃん。どうしたの?そんなとこで頭ブンブンふって。」
「んー、少し悩み事かなぁ?ね、ね、ゆかりん。クリスマスって知ってる?」
「うん、知ってるよ?クリスマスがどうしたの?」
カオスは思い切ってゆかりに訪ねることにした。
「ね!ゆかりん!お願い、私にクリスマスを教えて下さい。」
「ははぁーん。その様子だと、パパとママと喧嘩でもしたね?」
「うっ!ち、違うよ?してないし?仲良しだし?」
「まあ、いいよ。私の家に行こよ。」
ゆかりはカオスの手を引き自分の自宅に向かって歩き出した。その途中にもみの木や、色んな飾り付けの説明をしながら、また、サンタとは何なのか?色んな事を聞きながら、カオスは少しワクワクしていた。
「で?クリスマスのことが分かったカオちゃんは、これからどうするの?」
「う〜ん、とりあえずパパとママにお説教というかイタズラするつもり。」
「でもいいの?悪い子の所にはサンタさん来てくれないかもしれないよ?」ニヤニヤ
「いいもん!」
ぷいっと顔を背けて椅子から降り、万遍の笑みでゆかりに手を振り、ゆかりの部屋を出る。
「か、か、可愛すぎりゅ!カオちゃん可愛すぎりゅ!」
鼻から血を出して口に手を当てながら悶えるゆかり。傍から見たらただの変態にしか見えない。さてさて、当のカオスはと言うとゆかりが鼻血を出しているなんてことはいざ知らず、ある準備をしていた。
「あ、そうだ。とりあえずショウ達に連絡しておこう。」
ゆかりは鼻血を拭きながら通信魔法でショウ達に連絡をした。
カオスはどう懲らしめようか考えて城の前に戻っていた。
「う〜ん、お説教はともかくとして…そだ!そうしよう!」
カオスはショウ立ちにバレないようにこっそりと自分の荷物を持ち、カオスオリジナル魔法のイグザシオゲート(超高等時空間ゲート魔法)にてある場所にたどり着いた。
「ふぅ、ここは客が居るのにお茶もださないの?ガッカリ。」
「ちょ、いきなり押しかけてきてそんな事言わないで。」
「うっさいハゲ。」
「禿げてないし!」
「黙まってお茶入れて髭。」
「だから何なのさ!髭なんか生えて…たね。じゃなくて何しに来たのカオス。」
「行くとこないからとりあえずカイザーおじさん所に来ただけ。それだけ、そしてそれ以外の理由なんかないよ?」
カオスが来たのはキングカイザードラゴンのとこだった。カオスはカイザーにウルウルしためで下から見上げる。
「ま、まぁ、なんだ。仕方ない、ほら最高級ロイヤルミルクティーだよ。」
「ドラゴンの癖にこんなの飲んでるの?もしかして、おじさん暇人?」
「癖にとか言うな!自分だって異世界の魔王じゃないか!って紅茶出したら暇人とか訳分からないし!」
「もー怒りっぽいなぁー、それから私は魔王になりたくてなったんじゃなくていつの間にかなってたの。このクソメガネ。こんなの飲む暇があるくらいやる事ないんでしょ?だから暇人。」
「メガネ掛けてないし! 口悪くなってるし!暇人…もう、疲れた。」
「まぁまぁ、あまり気にするとほんとにハゲるよ。」
「分かった分かった。で?どうしてこんなとこまで来たんだ?」
「んー後でわかるよ。」
カイザーの住処はとある霊峰にある頂上付近に馬鹿でかい城のような住居を構えている。その一室にテーブルをはさみカオスとカイザーは向かい合って座っている。
「そういや、俺はそろそろ出掛けるぞ。」
「え?どこ行くの?って言うか今日はここから出れないよ?」
「ショウ達に呼ばれてって、今なんて言った?」
「だから、今日はここから出れないよ?」
「なんで?!約束破ったらクーちゃんとリナにボコられるんだけど!」
「私が結界張ったから。出れないし、入れないよ?」
「何してくれてるの!?早く解いて!」
「明日まで私にも解けないから安心して。」
笑顔で言い放つカオスに慌てふためくカイザー。カイザーはどこからが出れないか屋敷中を必死で走り回っている。
そして…
「ねーショウ?カオちゃん知らない?」
「あーなんかゆかりさんとこ行ったらしいよ?その後はわからないなぁ?」
「もーせっかく可愛いドレス用意したのにー!」
「あれ?カイザーおっさんはまだ来てないのじゃ?」
「あ、リナ。カイザーさんはまだ来てないよ?呼んだの?」
「キュイー!」
「クーちゃんとリナで呼んだってクーちゃんが言ってるよ。」
「え?!ミサ、クーちゃんの言葉分かるの?!キュイーしか言ってないよ!?」
「キュイーキュイー!!」
クーがショウの頭に飛び乗り翼でペチペチ頭を叩く。
「とりあえず時間も無いからカオちゃんの事はショウに任せるね!みんな今年もよろしく!」
「ちょっとミサ!」
そう言って美沙達は前回同様に世界中に散らばっていった。ショウは色々と思い当たる場所を巡りカオスを探していた。
「はぁ…全然見つからない…どこにいるんだ?」
「キュイー!」
「あ、クーちゃん。来てくれたんだ。」
「キューイー!」
クーはエッヘンみたいなポーズを取りながらショウに話しかける。がショウはクーの言葉がわからない。
「んー、ミサならクーちゃんの言ってること分かるんだけどなぁ…」
「キュ!キュ!」
クーはショウの頭に飛び乗り翼で方向を示す。
「ん?あ!こっちって事?」
「キュイ!」
クーに案内されショウは疑いなく進んでいく。
「はっ!パパの気配が近付いてくる…」
「よかったじゃないか向かいに来てくれて。」
「ダメなの!今日はお仕置だから会わないの!」
「アホか!そんな事で俺を巻き込むな!ってかショウが来ても入れないじゃないか!どうすんだ!」
カオスは色々な可能性を考える、もしかしたらショウならカオスの作った結界を破るかもしれない、なんと言っても勇者出し…可能性としては十分有り得る。
「ここまでやって今更パパの顔なんて見れないし!」
「え?なんで?」
「なんで?って私だけ仲間はずれにしてごめんなさいも無いし!」
「そうか、ごめんな。カオス。」
「今更謝っても…え?」
カオスが声のする方に振り向くと既にショウがそこに居た。
「な?!パパ?!なんで?私の結界は?!」
「結界?ん?なんか当たったら砕け散ったような気もする…そんな事より迎えに来たから一緒に帰ろ。」
「ダメ!ヤダ!私まだ許してないし!」
ついに親子?喧嘩が開催されたと言っても怒るカオスに対してなだめるショウ、立ち尽くすカイザーおっさん。
「もー!やだ!知らない!」
カオスはまたもイグザシオゲートを使う。が、普段使う時とは違い興奮した状況で使用した為自分でも目的地を決めず使ってしまった。
「ここは…」
カオスが着いたのは真っ暗で何も無い虚無のような場所だった。ヤバいと思い、もう一度イグザシオゲートを起動するが魔法が使えた気配がない。自分がどこにいるか分からない、魔法も使えない、完全にただの女の子になったカオスは急に不安になり泣き始めるが、誰にも声は届かない。今頃美沙達は世界中に散らばって子供達にプレゼントを配っているはず。そう思うとカオスは更に絶望感が産まれてくる。かつては魔王と呼ばれた存在は今や微塵も面影すらないか弱い女の子が1人真っ暗闇の世界にいた。
「パパ…ママ…ごめんなさい…」
泣きに泣き疲れたカオスは地面にペタンと座り聞いて貰えないごめんなさいを何度も何度も繰り返すのだった。
「ちょっとショウ!カオちゃんまだ見つからないの?!」
「いや、その、1度は見つけたんだよクーちゃんのおかげで。」
「ならなんで居ないのよ!どうするの!」
「とりあえずまた探しに行くしかないよ、ミサ達もプレゼント終わったらカオス探しに回って貰えないかな?」
「分かった、あの子ったら見つけたらぜ〜ったいお仕置するんだから!」
「お手柔らかにね。」
そしてショウはまたカオスを探しにいく。プレゼントを配り終えた美沙達もカオス詮索に参加するが一向にカオスが見つかる気配がない。美沙は泣き、ショウは検索魔法で世界中を検索する。それでもカオスは見つからない。見つからない。
シャンシャン…
どこからともなく鈴の音が聞こえてくる。今年も本物のサンタクロースが美沙達の前に降り立った。
「ほっほっほっメリークリスマス!お嬢ちゃん達や今年もありがとう。ん?どうしたんじゃ?泣いておるじゃないか。」
「サンタさん…実は…」
「おっと、その前に頑張ってくれた良い子達にプレゼントじゃ。」
そう言って一人一人にプレゼントを手渡していくサンタ。最後にショウの前に立ち笑顔でショウに話しかける。美沙達はカオスがいなくなって喜べる気分でも無いのに…
「グスン…パパ…ママ…会いたいよ…」
未だカオスは真っ暗闇の世界に閉じ込められていた。結局無力になったん自分はショウやみんなに頼らなければならない、しかしここには自分以外の誰もいない。いっそもう会えないなら…などと考えていると目の前に小さな光が見えた。
「ひか…り…」
絶望の中に希望が見えた瞬間、光から1本の手が伸びてきたのだった。
「サンタクロースさん…ごめんなさい今はそんな気分ではないんですよ。」
「ほっほっほっ、まぁプレゼントで気分転換しなさい。」
ポンッ!
なんとサンタクロースが出したショウのプレゼントは…
「「「「「カオス?!」」」」」
その場にいた全員が叫ぶ。その声にカオスが反応して周りをキョロキョロ見てはっ!として、安心間からか泣き出した。
「うわぁぁぁ!パパ!ママ!ごめんなざぃ!うわぁぁぁん!」
「ほっほっほっ、異空間にさまよって出れなくなってたようだっからのショウ君のプレゼントとして連れて来るしか出来なかったんじゃ。辛かったのぉ、ほれカオスお嬢ちゃんクリスマスプレゼントじゃ。」
「あ…いい。私悪い子だったから…」
ショウと美沙に抱きつきながらカオスは顔を横に振る。
「それに、もうプレゼントして貰ったから…」
ショウと美沙を見るカオスを見てサンタクロースはそうかそうかと言ってカオスの頭を撫でる。
「自分の事がよく分かっているなら良い子じゃ、さ、プレゼントを受け取っておくれ。」
躊躇しているカオスにショウと美沙が優しく手を取りカオスがプレゼントを受け取る。
「ありがとう…サンタさん」
そのカオスの笑顔は世界中の誰よりも美しく輝いている笑顔だった。
「ほっほっほっ良い笑顔じゃ、では皆また来年もよろしく頼みたいのじゃが…手伝ってくれるかな?」
「「「「もちろん!」」」」
「ほっほっほっ!メリークリスマース!」
サンタクロースはそう言って夜空にソリで走り抜けていった。
「ありがとう…サンタクロースさん…」
其の姿をカオスは見つめ、一筋の涙を流した。まるで夜空に輝く流れ星の様に…
「カオちゃん!」
「パパ、ママ…ごめんなさい。」
「まぁ、カオスが無事でよかったよ。」
「カオちゃん…」
美沙とショウと、カオスが3人で抱き合う。
「さ、カオちゃんが無事でよかったのは置いて、こんなにママ達を困らせる子はお仕置です。」
「え!?ちょ!まってママ!」
「待ちません!」
「パパ!助けて!」
「あはは…今回ばかりは、ね。」
「いやー!お仕置やだ!助けてサンタさーん!」
かくしてカオスの初めてのクリスマスは幕を閉じる事になりました。ホントの親子では無いけれど、ホントの親子以上に絆は深まるのでした。
「お仕置やだぁ~!」
長文でしたが最後までお読みいただき誠にありがとうございます。今年も残すとこ少しとなりました。来年もよろしくお願いします。良いお年を٩(๑´ω`๑)۶




