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第40話 平和だね~ナタールーゥゥ

ついに最終決戦に向かって走り始めました。

美沙の魔法で痺れを受けたショウたちは少しだけ休憩を挟んで体調を整えていた。


「ごめんね~、まさかあんなふうになるとは思わなかったよ~。」


「もう大丈夫だよ、気にしないでミサ。」


ショウの頭をなでなでする美沙、満更でもないといった表情のショウ、それを横目で見つめるナタール。

ここが敵の本拠地などとだれが思うであろうか?そうここはまごう事なき魔王城、敵の本拠地なのだ。


「あの、そろそろいかないと敵がまた来ちゃいますよ?」


「も~ナタールったらだいじょうぶだよ~」


「確かにナタールの言うことも一理あるよね。先を急ごうか。」


「ショウまでそんなこと言うの?まだいいじゃん。」


「ミサ、ここ敵の本陣だから、あまりゆっくりできないから。」


「もう!じゃあしょうがないね、いこっか。」


そんなのほほん雰囲気を醸し出しつつ魔王城を進んでいく。

多少敵に出くわすもショウが一閃していく、ショウが戦っている間は美沙とナタールのコーヒータイムとなる。


「平和だね~ナタールーゥゥ」


「え?え?あの?今ショウさんが戦闘中ですけど!」


「え?いいのいいの、気にしない気にしない。」


「そんな!でも!あぁ!ショウさん危ないです!」


「もーナタールったら~はいこれ、入れたてのコーヒーだよ。」


「コーヒーとか今はいただけませんから!ショウさん今助けま・・」


「私のコーヒーいらないんんだ・・・」


「そうじゃなくって!ミサーラ様!」


「大丈夫だよナタール、あんな奴らにショウは負けないから。」


「で、でも、さっきからショウさんに任せてるので、私も何かお役にたたないと・・・」


「気にしないの。ね?ショウ?」


コーヒーをゴキュっと飲みながら美沙がショウに尋ねる。


「えぇ、これくらいならまだ全然平気ですよ。」


ショウもケロッとして返答する。ここにきて魔物との戦いなど既に5回は行っているがショウは至って無傷で終わらせている。


「ミサーラ様もショウさんも・・・お互い信じ合ってるんですね。素敵です。」


ナタールがぼそっとつぶやいた言葉に美沙がコーヒーを噴き出しながら照れくさそうにバカとか言っていた。戦いもおわり、というかショウが一方的にぶちのめしていただけだが、いくつかの部屋を除いて回った後ひと際大きな扉の前にショウたちは立っていた。


「あからさまにここですよって感じの扉ね。ナタール今回はショウだけに任せておけないからね、準備は良い?」


「はい!ミサーラ様!」


「僕は・・・ディアトさんを・・・」


「もう後には引けないよショウ!頑張ろ!」


「うん!」


ゴゥン・・・という鈍い音とともに四メートルはあるであろう扉が開かれる・・・

真っ暗で、空気が重い・・・扉に入り口上部から蝋燭に火がともり部屋の奥まで照らされた。部屋の大きさは東京ドームの半分ぐらいの大きさで、中央に玉座がある。そこに一人座っていて傍らに髪の長い女性が佇む。間違いなくディアトとユカリ・カイドウだが、ショウたちはユカリ・カイドウを知らない。


「まさかここまで来るとは・・・なぁ?ナタール」


「ディアト!」


「こんな風になるとは・・・俺の計算がどこで間違ったんだろうな?」


「あんたの計算なんか知らないし!ディアトは返してもらうから!」


「なんだその小娘は?人間じゃないなぁ・・・おい、あいつはお前にくれてやる、さっさと殺して計画をもう一度練り直すぞ。」


「・・・はい。」


ユカリ・カイドウは腰につけたレイピアをスーット抜き美沙に突き出す。


「わが主の命により・・・あなたを倒します。」


生気の抜けた表情で美沙を見つめ凍えるように冷たい冷気と視線を浴びせる。


「ちょっとあんた人間なのになんでそいつの味方してんのよ!」


「・・・」


「無視!?ひどい!ショウ!この人は私が何とかするから!」


「行きます!」


美沙がショウに叫び終わると同時にユカリが神速の速さで美沙の懐に現れる、文字通り眼にも止まらぬ速さでの移動だった。


「な!?ちょ!ふぇ!?」


一瞬焦った美沙は後方にバク転しながら回避するも腕を少しかすめたようで血がしたたり落ちていた。


「ミサーラ様!」


「大丈夫・・・これくらいでやられないもん!」


「ミサ!無理はしないでね!」


「うん!お返し!」


そういうと美沙はユカリと同じように神速の速度でユカリの懐に入る、お前にできることは私にだってできるんだぞと言わんばかりにまったく同じことをして見せたのだ、ユカリも後方にすかさず回避するがそれを見越していた美沙は回避したユカリの懐にさらに潜り込んだのである。


「くっ!」


「えへへ、こんなこともできるんでした~」


自慢げにニヤッとする美沙に対してユカリは冷静なのか感情がないのかすっと立ち上がり何事もなかったかのように美沙に対し攻撃の態勢を整えていた。


「あんたさー、なんか言ったら?」


「・・・主の敵は私の敵・・・排除します。」


「30点、答えになってないし。」


美沙は残念と思いながらユカリを見る。相手が人間である以上美沙は剣で攻撃することはないと思い先ほどの攻撃も拳で胸当てをぶん殴っていた。と言っても胸当てが少し変形するぐらいの力は込めている。通常の人であれば痛がるし、多少なり戦意喪失を狙うこともできたはずだ。それを見ていたショウがディアトに向かって叫んだ。


「あの方に何をしたんだ!」


「ん?そんなに怒るなよ、あいつは優秀だったらな俺の言う事を聞いてもらっただけさ。まぁ強制的にだがな!はっはっは!」


「外道がぁ!」


ショウがキレる、今にもディアトに飛び掛りそうになるのをナタールが止める。


「ショウさん・・・あの方は私にお任せください・・・」


ナタールも起こっているのかと思いきや、意外と冷静にショウを静止したのである。ナタールは悟っていた。ディアトの強さ、ユカリの強さ、自分では手も足も出ないと。そしてこの二人の相手ができるのはショウと美沙しかいないという事を。そして、自分のやるべきことをナタールは感じ取っていたというよりそれしか役に立てることはないと自分に言い聞かせていたのだ。


「ナタールか・・・お前みたいなクズに何ができるというのだ?我が元を離れたと思ったらこんなちんけな虫けら共ともどってきやがって。ただで死ねると思うなよ?」


「黙れ、お前はディアトじゃない!お前なんかがディアトのはずない!」


美沙とユカリの激しい攻防が続く中ナタールはディアトに向かって叫ぶ。泣きながら愛しい彼の姿をした悪魔に向かって、それをショウは黙って見守る。怒りを力に変えて、ナタールの思いを力に変えてショウは何があってもディアトをこの悪魔から解放すると覚悟を決めた。

次回は美沙とユカリの戦闘がメインとなります。

お楽しみにしていてください。

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