第31話 フラグ
ちょっと編集を入れていたらこんな時間になってしまいました。
どうぞお楽しみください。
美沙たちがナタールの件で動き出したその頃グレリア山脈の頂上に出現した城にて魔物どもが世界侵略に向けて準備が行われていた。
「首尾はどうだ?グーラ」
「は、この世界において我らの戦力で十分かと。」
「ほう・・・そうか。ナタールはどうした?」
「それが・・・偵察部隊によりますと、人間と接触した模様で裏切り者として始末する手はずとなっております。」
グーラと呼ばれた魔族は目の前の人物に跪き淡々と報告をしていく、報告を聞いている人物こそこの城の主であるディアトであった。
「そうか・・・いや、わが前にその人間どもと一緒に連れてくるのだ、絶望をナタールに与えてやろう。」
「は!承知いたしましたディアト様!」
「ウゴール、お前の方はどうだ?」
「は!我らに協力しない魔族をとらえ拷問に掛けております!皆、ミッドガルドという魔王の部下とのことであります!」
「ミッドガルドか・・・とりあえずは先に周辺の村から制圧をしていけ。」
「はは!仰せのままに。」
ディアトは幹部一人一人に指示を出していく、グーラもウゴールもディアトの直属の部下であり幹部クラスである。
「ところで・・・この世界には勇者はい何のか?」
「ディアト様・・・胡散臭い勇者は嫌というほどいますわ。ですが、本当の意味での勇者が現れたというのは・・・そういえば伝説の剣を抜いた小娘がいるといっていましたが何かの間違いでしょう?」
「お前のその話、信用できるんだろうな?」
「うふふ、用心深いのですね異世界の魔王様は。」
「この男に剣を抜かせ我が魂を定着させたお前のことだ、信じてないわけではないが・・・」
「大丈夫でございます。」
ディアトと話しているこの女性こそ、ディアトに情報をもたらし聡子をだました悪魔のような女であるった、目的もわからず異次元の魔王を復活させ世界の均衡を壊そうとしているのはわかっているが、今一つディアト自身もこの女に不信感を持っているのは間違いはなかった。
「勇者のいない世界等、我らの敵ではない。ただ一つ敵対するのであれば・・・ミッドガルド現魔王か。」
「そうですね、しかし彼のことは私もあまり把握しておりません。どの程度の強さなのかもわかりかねますのでそこは用心してもいいかもしれませんわね、うふふ。」
「今はとりあえずだが、お前の意見を聞いておこう・・・者ども!侵略は明日の朝より開始する!まずはふもとの村に攻め込み我らがここにあることをこの世に知らしめるのだ!」
ディアトも悪魔のような女も町には美沙たちがいることを知らないでいた。ディアトが警戒していた『勇者』まさかショウが、ナタールが接触した人物たちが勇者などと思いもしていなかったのである。一方宿でくつろいでいる美沙たちはというと。
「ねぇみさっち!ここの温泉肌にすごくいいらしいよ!この元コンシェルジェが保証するよ!」
「ほんとに!?それはいかなきゃ!マリ!リナ!アカネ!ナタール!三日月!聡子!クーちゃんも急いで!」
「「「「うん!」」」」
「ちょ!みなさん!その前に敵の情報を集めなくては!」
「目の前に温泉があるんだよ?!入らないでどうするのショウ?!」
「ショウの言うとおりだぞ!もし向こうから攻めてきたらどうするんだ!」
「あ!ゼストさんだっけ?それうちらの世界で『フラグ立てた』っていうんだよ?」
「し、しるか!とにかく俺とショウは情報を集めに行くからな!ギルドに行って酒場で話を聞いてくる!」
「「「「いってらっしゃ~い!」」」」
こうして魔族が攻め込む準備をしているのにもかかわらず能天気に温泉につかっているのであった。
ゼストはショウをつれて宿屋から出ると怒ったようにギルドに向かった。
「あぁ゛~、やっぱりおんせんはきもちいぃ~~~~~」
「ところでみさっち?ショウ君が言っててことは本当なの?」
「何よ聡子いきなり、何のこと?」
「将来を誓い合ったとかっていうのは?え?ちゃんとこの親友に話しなさい。」
「え?あ・・・・ど、どうだろうね?」
「みさっちー?ショウが悲しむよそんな言い方。」
「マリまでそんな風にしなくたっていいじゃん!」
「なら私がショウたんと添い遂げるのじゃ!」
「おいトカゲ、今なんつった?おぉ?」
「久しぶりの般若なのじゃ・・・」
「みんながこういうってことは本当のことなんだねぇ・・・」
「みさっち様がショウ様とくっついていてくれないと私が困るのですが・・・」
「どうせリナととかいうんでしょ!?この馬鹿近衛兵長!」
「なぜばれたのですか!?」
「はぁ、そうだよ聡子。私とショウはこの世界においてそういう関係なの。」
「なんで教えてくれないのよバカ!わたしが心配していたのにこのバカ!」
「ば!仕方ないじゃん!東京に戻れるかどうかわからない状態だし!私この世界でもう17年生活してるんだから!」
「え?」
「え?」
「ちょ、ちょっと待って、みさっちが居なくなったのは一年前だよ?」
「はぁ?なにばかなこといって・・・そういえばあんた年取ってないわね・・・」
「もしかしたらんだけどね、強制転生の際にどこかで時間がねじ曲がったんじゃないかしら?」
「さっすが賢者!よ!深淵卿!」
「みさっち・・・あとで建物の裏きな。」
「ヤンキーだ・・・」
「ヤンキーとはなんなのじゃ?食べ物か何かなのじゃ?」
小さな女子会が開かれて皆ワイワイ騒いでいる。聡子はとりあえず美沙とショウの中を納得しつつそれでも奪われたといいながら美沙をからかいナタールも三日月も一緒になり色々な話をして楽しんでいた。
一方、情報収集に出かけたゼストとショウは意外なことにギルドで絡まれていたのである。
「おいあんた!あんないい女はべらかせて自慢でも詩に来たのか?!あぁん?」
いかにもチンピラ風な冒険者がゼストの目の前に顔を近づけて威嚇してくる。
「あ、あんたたち、やめなよぉ・・・」
ギルドの受付嬢が恐る恐る注意をするがチンピラ冒険者の仲間がわらわらとあらわれゼストとショウを取り囲む。
「なぁあんちゃんたちよ、ここらで提案があるんだがあの女たちを俺らに渡したらどうだ?悪いようにはしないぜ?」
「こんなことしてくるバカどもにわるいようにされななんてことはないだろうなぁ・・・ショウ?」
「そうですね、とりあえずみなさん一度お話しませんか?」
「お話だってよぉぉぉ!みんな聞いたか?!お話だと!」
「そうだなぁ、それじゃ軽くお話ししてやるかぁ!拳と剣と魔法でなぁ!やっちまえ!」
「「「「うおぉぉぉぉ!」」」」
チンピラの仲間ではない冒険者たちは見て見ないふりをして、ささっと壁際に避難する。チンピラ冒険者の一人がショウに向かって剣を上から振り下ろす。ショウはその剣を交わさず片手で受け止める。
「な!なんだと?!化け物か!?みんな一斉にかかれ!」
ショウやゼストにとって今や人間の斬撃などハエが止まるくらいの速さにしか見えないのでこれぐらいの芸当はお茶の子さいさいなのであった。四方八方から斬撃、拳撃、魔法が飛び交ってくるなか、二人は普通に話をしている。
「おいショウ、あまり痛めつけるなよ?もしかしたら大事な戦力になる・・・ならないか。」
「いやいや、ゼストさん仮にも冒険者ですから戦力にしていただかないと。」
「うむ、まぁとりあえず軽く相手してやれ。」
「はぁ・・・わかりました。」
そんな会話をしながらチンピラ冒険者の攻撃をかわす。チンピラたちはこれでもかというくらいにスキルや魔法を連発しているがすべて空を切るかゼストとショウに受け止められて焦りを見せている。
「なんであたらねぇんだ!全力で行け!」
「いってますよぉぉぉぉ!」
「ちきしょう!あたれぇ!」
「ファイアーボール!アイスランス!何でもいいから当たれー!」
「よし、ショウそろそろいいんじゃないか?」
「わかりました・・・戦空孔牙」
ショウは放った戦空孔牙はショウを中心として360度に斬撃と風圧を混じり合わせて敵を切り刻みながら吹き飛ばすという何ともエグイ技なのであるが、人相手ということもあり今回は風圧だけを飛ばしダメージを最小限に納めたのである。
「おい、おまえら。まだやるか?」
チンピラどもは悲鳴を上げてギルドの入り口から一目散に逃げ出していった。
残ったそのほかの冒険者は何が起こったのかわからず眼をぱちぱちしながら二人の方を眺めるしかできなかった。
「あ、あ、あの!おけがとか大丈夫ですか?!」
「おう、騒がせちまったな。」
「あ、あの、今マスターが来ますのでそのままおまちください!」
「ちょ、ゼストさんやっぱりまずいですよ!」
「まずいって、そのまずいことをやったのはおまえだろショウ?」
「え!?だって傷つけないって言ったらあの技が・・・」
「普通に剣とか奪って大人しくさせるもんだと俺は思ったぞ?」
その時に階に上がる階段からギルドのマスターが大急ぎで降りてきた。
「報告を聞いて駆けつけました、ワシがこのギルドのマスターです!おけがなどは・・・なさそうですね。」
「おう、この通りな。」
「うちの冒険者がご迷惑を・・・ゼストラーデ様!?どうしてこんな田舎に!?」
マスターがゼストの名前を様付きで呼んだことでギルド内がざわつく。
「あ、あの!このような所ではなんですので、狭いですが奥の方へ!君!お二方にお茶!おちゃぁぁぁぁぁ!」
「はいマスタぁぁぁぁぁぁぁ!ただいま~~~~~~~!」
大騒ぎとなり町に噂が広まるのは時間の問題であった。さらにこの語歴史に残る大事件が起こるなど今は誰も思っていないのである。
「あいつら・・・絶対に許さねぇ・・・」
更にチンピラ冒険者たちの反撃のフラグも確立されたのである。
次回のお話は来週の金曜日にUPいたします。
それでは又。




