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第30話 鬼の王『不動』

UPする日を間違えていました。申し訳ありません。

来週は必ず金曜日の夜にUPします。

美沙の故郷が大変なことになっていることに皆が色々と考えている中、美沙がふっとあることに気が付いた。


「ねぇみんな、勇者召喚が可能なんだったら逆に送り出すことはできないかな?」


「それだよみさっち~!ナイスアイデア!」


「・・・俺は聞いたことないぞ?マリはどうだ?」


「私も聞いたことはないけど・・・たぶんこの世界でたった一人だけそれができる子がいるわ。」


「そうなんですか?!その人すごいですね!?」


「わたしもみさっちの故郷をまもりたいのじゃ!是非その人探すのじゃ!」


異世界逆召喚が可能なことがわかり騒ぎ出す一同。マリにその人物の心当たりを聞き出そうと、皆必死になっている。


「まって!みんななんか忘れてない?どっかの誰かさんのこと!この世界のチート娘のこと!」


みんなが一斉に美沙の方を振り向く、美沙は『ほぇ?』などと呆けた顔をしていた。


「え?え?わたし?っていうかなんでマリはチートって言葉知ってるの?私だってあまりよくわかってないのに。え?」


「そうでした!ミサならできますね!」


「できるのじゃ!デタラメなのじゃ!」


「で?なんであんたはみさっちのこと呼び捨てにするのか詳しく聞こうじゃないか?あぁん?」


「ちょっと聡子!今それ関係ないじゃなん!」


「将来を誓い合ってますので・・・」


「はぁ!?なにそれ!?誰の許しを得てそんなことしてんの!?」


「聡子様、いまはそのはなしは・・・世界の危機ですので・・・」


「何言ってんのナタール!みさっちの貞操の危機だよ!」


「あぅ・・・」


「ま、まさか!?あんたたち!?」


「聡子、今はそのくらいにしておけ。」


聡子の暴走をゼストが止める、それもそうさ今はそんなことを言っている場合ではないのだ。


「で?どうするんだみさっち?お前が決めろ。」


「そうだね・・・じゃあとりあえずは鬼の王様の話聞いてみようよ、よろしくね三日月、その間に考えるから。」


「ふむ、では。私の国のことを話そうか、そうさな。我が国の始まりはある一匹の鬼の王からはじまったのじゃ、名を不動という。不動は鬼の中でも異質でな、皆と違った考えを持っていた。鬼とは本来魔物であり、人は鬼の食料として認識されておったのじゃ。しかし幼かった不動はみなと違がった・・・」


「ねぇ、その不動って・・・」


「不動は人里に下りるのが好きだった、しかし、人々は不動を見ると恐れて家にこもってしまうのである。そんな行動が不動には寂しく思えた。『どうしてみんなは僕のことを避けるのだろう・・・』不動は悲しくなり、近くの神社に身を寄せた。雨が降り、風が吹き、日が沈む・・・何度も繰り返して不動は気づく。人が自分を避けるのは、鬼が人を食べるからだと。」


「その不動はその後どうするのじゃ?」


「その考えに気が付いた不動はある行動に出ます。鬼の村に帰り不動は人を食べるなと村人に説得して回るんです、ですが・・・当時の鬼族の王は歴代最強と言われた王で、その行動を許しませんでした。そして・・・不動に制裁が課されました、その制裁とは不動に人間の村を襲わせすべての肉を食わせるということでした、不動は落胆しその制裁を受けることにしました・・・数日後、不動は神社にもどっていた・・・。」


「不動さんは結局その制裁を受け入れたんですね?」


「いや、不動は迷っていたこのまま村の王の言うとおりにするか、それともはぐれになるか・・・そんな時一人の女性に出会うことになる。名を雪菜、人間の娘で神社によくお参りに来る十二才ほどの娘だと伝えられている。そして・・・


『君鬼だよね?こんなとこで何をしてるの?』


『俺・・・人間と仲良くしたくて・・・でもみんながそれを許してくれなくて・・・』


『そうなんだ、鬼は人を食べるものだからね。』


『俺は、人なんか食べない・・・』


『そうだね、もし君が人を食べるなら私食べられちゃってるもんね。』


『どうしたらいいかわからなくて・・・だから何もしないでここにいたんだ・・・』


『なんだ、簡単なことじゃない?』


『え?』


『君が王様になればいいんだよ、ほら、簡単じゃん。』


『むりだよ!だって、王様の交代は前の王様を倒さなきゃいけないんだから!』


『だったら君が強くなればいいじゃん?』


こうして不動の修行の日々が始まりました、幸いにも神社のすぐ近くにはダンジョンができていたので鍛錬するには格好の場所だったのです。次第に二人は惹かれあい、愛し合うようになります。そんな時でしたある事件が起こったのは。何時もの様に不動がダンジョンから帰ってくると村から火の手が上がっているではないですか。嫌な予感がした不動はすぐに雪菜のもとに向かいました。そこには鬼族が村を襲っている光景がありました。


『な、なんで・・・』


その問いに答えたのは鬼族の王でした、しかも右手には不動の愛する雪菜の頭を鷲掴みにした状態で・・・


『なかなか帰ってこないと思ったらこんな小娘にそそのかされおって・・・』


『キ、キサマぁぁぁぁぁぁぁぁ!』


不動の怒りは天を切り裂き大地に亀裂を走らせました、そして目に見えぬ動きで鬼の王から雪菜を奪い返すと回復薬を飲ませ、鬼の王と対決することになります。不動と鬼の王の対決は三日三晩行われました。そして・・・ついに決着がつきます。


『なぜ貴様にこれほどの力が・・・』


『彼女が・・・愛の力が俺を強くしたんだ!』


こうして不動が前の王を倒し、実質的に鬼の王として君臨することになります。」


「一人の鬼が全ての意識を変えたんだね・・・もしかしたら僕たちも・・・」


「傷ついた雪菜は数日後目をさまし、村に帰るとそこには信じられない光景がありました。壊れた村を鬼たちが修理しているのです、それも人間と楽しそうに話しながら。先陣を切って指示を出しているのは紛れもなく不動でした。雪菜は不動に近づくと泣きながら抱きつきました、それを見ていた村人も鬼たちもこの二人を心から祝福し、鬼たちは愛の力がこれほどにも強大な力を生み出すのかと不動を崇めました。こうして鬼と人間の村が一つとなり、村の名前をこの二人から取り『雪不動』となずけ、その後数百年にわたり平和に暮らしています。」


「頑張ったんだな不動・・・やはりお前の村には行かなくてはいけないな。それはそうとお前は何であんなとこにいたんだ?」


「お前はやめてくださいゼスト、せっかくなのですから三日月とよびすてに・・・うふ」


「駄目よ、ゼストはもう私のものだから。」


「冗談ですよ、マリさん。さっきも言いましたが私もわからないんです。いつもの様に村を視察していた時にいきなり目の前が光に包まれたと思ったら・・・あそこにいたようで・・・意識もはっきりしなかったものですから・・・」


結局三日月のなぜダンジョン奥地であんな状態でいたのかはわからず、とりあえず雪不動には一度行ってみたいという案に全員が賛同するのである。そして肝心の美沙の答えはというと・・・


「はい!私分かったの!とりあえずこの状態でこの世界を離れるのはできないので、まずはナタールさんとディアトさんのことを何とかして、三日月の村をみんなで訪れて、ここからが私の本題!わたしがあの変なフード男に出会った日の夜に私のスキルで戻れるように何とかしてみたいと思う!みんなどうかな!?」


「僕は問題ないよ!なにがなんでもみんなを守るから!」


「私も問題ないのじゃ!」


「私たちもそれでいいと思うわ、ねぇ?ゼスト?」


「あぁ、もちろんだ!」


「キュイー!」


「あはは!クーちゃんもやる気だね!私だってもんだいないよ!この世界の元コンシェルジェとして異世界まで案内できるようになってやる!」


「私はリナ様のいくとこなら・・・・ハァハァ・・・!」


「みんなぶれないですね・・・私皆さんことが好きになりました。この三日月、お手伝いさせていただきます!」


「みなさん・・・・ありがとうございます・・・私もできることなら何でもします!」


「ナタールの大事な人取り戻そうね!そんでもってみんなで日本に殴り込みだ~!」


「聡子・・・あんた戦えるの?」


「え・無理に決まってるじゃん?ただの女子高生だし。」


「だよね~・・・地獄の特訓行っとこうか?」


こうして聡子の地獄の特訓が決定され、嫌がる聡子をアクアモーラルの城からダンジョンに放り込み出てきたときにはやはり人知を超えた存在となっていた。


「みさっちマジふざけてるでしょ!?人のこと殺す気!?私の知ってるみさっちはあんなこと・・・普通にするわ、うん。」


「おかげで戦えるようになったんだから感謝しなさいよ?隠密だけの使えない女子高生から格上げしてあげたんだから。」


「日本にいたら別に隠密も何もいらないし!この世界に呼び出されたからだし!」


「はいはい、他に人知超えたい人いたら今ならいけるよ~・・・」


半額セールの様にメガホンをテーブルにたたきつけて安いよ安いよ~などと言いながら美沙がアカネ、ナタール、三日月ににじり寄る。それをショウがなだめながら美沙を落ち着かせ、グレアの町に戻ってきたのであった。明日からグレリア山を目指し異世界の魔王を打倒する目標に皆が前夜祭だとお言いながら酒をかっくらうのであった。

いつもいつも読んでいただきまして誠にありがとうございます。

戦闘シーンなども書きたいと思うのですが、なかなか現段階で出すことはできず、次回かその次位には戦闘シーンなども出てくると思います。

誤字脱字の多い文ですが楽しんでいただけたらと思います。


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