第27話 真っ暗な世界
連投第三弾です。
明日か明後日といいましたが本日投稿いたします。
次回を明日、もしくは明後日にUPしたいと思います。
聡子の心の中の渋谷をケリーと美沙は歩いていた。
センター街の中を歩きカラオケやゲーセンにいって服を買ってクレープ食べて・・・美沙にとってはついこの間のような感覚にも思えてくるくらいだった。
「こちらの世界の物はとても素晴らし物ばかりですね。興味が沸いて仕方ありません。」
「そう・・・だね。私にとっては懐かしい物ばかり。」
「こんなデカい建造物どうやって建てるのでしょう?やはりドラゴンなどが手伝うのでしょうか?」
「こちの世界にドラゴンなんていないよ、人間が機械を使って立てるの、私も詳しくはわからないけど。」
「ますます、興味が沸いてきますね。」
そんな話をしているうちに場面がいきなり変わった、次に映し出された場面は学校の教室だった。
「ここは・・・ミサーラ様と同じ年齢の人たちが集まって同じ服装をしていますね・・・どこかの監獄でしょうか?」
「ここは、学校よ。勉強したりするところ。」
「監獄とは違うのですね。」
その後めまぐるしく場面は次々と変わり、下校場面や聡子の実家、美沙の部屋、どれもこれも美沙にとって懐かしく気が付くと美沙は涙を流していた。
「ミサーラ様・・・大丈夫ですか?」
「えぇ、少し懐かしくて。あの頃も今とおんなじぐらいに楽しかったのを思い出したの・・・」
「そうですか、今は思いっきり泣いてもいいんですよ、あと、これは私から告げられる最初で最後のヒントです。あなたのスキルは何でもできるんですよ。」
「それはどういう・・・」
美沙が質問を詳しく聞こうとしたときにさらに場面が変わる。
変わった場面は今までの華やかな街中ではなく、漆黒で塗りつぶされたような真っ暗な世界だった。
真っ暗な世界でも美沙にはケリーをしっかり見ることができ、ケリーからも美沙がはっきり見えていた。
「暗い・・・なんてさびしいとこなんだろう・・・」
「そうですね、たぶんこれは異世界召喚を受けた後の心境なんだと思いますよ?その証拠にほらあそこにゼスト様のお父上が・・・」
「あ・・・聡子もいる・・・」
聡子にとって異世界召喚はこんなにも心をつぶしているものだと美沙は知った。こんな暗く寂しい世界で今まで聡子は独りで生きてきたのだと。
「私は、こんな世界に来たくなかった。なんで私だったの?どうして私じゃなきゃいけなかったの?」
美沙とケリーの後ろからいきなり聡子の声が聞こえた。
「聡子!」
「あなたは誰?私は・・・あんたなんて知らない!」
「わたしだよ!美沙だよ!」
「ちかよらないで!私の知ってるみさっちはそんな姿してない!」
そういわれて美沙は一瞬ためらってしまった、今の自分はミサーラで聡子の知っている美沙ではないことを自分でも理解してしまっているからだ。
「ちが・・・私だよ?ねぇ、聡子!」
「私はもう騙されない!あの悪魔のような女やどこかの知らない王様の言いなりになんてもうなりたくない!」
「騙してないよ!ねぇ、聡子落ち着いて聞いてよ。」
「私は落ち着いているわ。」
「むかしさ、小学校の時だけど、私が男の子と喧嘩して突き飛ばされたとき、ガラスで肘を切ったの覚えてる?」
「なんであんたがそんなこと知ってるのよ・・・私の記憶を盗み見ないで!」
「そんなことしてない!あの時、聡子が直ぐに保健室連れて行ってくれたの・・・私は何が何だかわからなくて怖くて・・・聡子に頼りきりだった。」
「やめてよ!そうやってまた私をだますの!?」
「やめない!だって・・・聡子は私のかけがえのない親友だもん!」
「・・・」
「他にもあるよ?聡子は忘れたかもしれないけど、中学生の時に男子生徒に告白されて困ってた私は聡子が好きだからとか変な理由でその場を逃げて・・・そのあと」
「あんときは大変だったよ・・・訳も分からずみさっちとレズってるとか言われて。」
「うん、おぼえてたんだ、ごめんね。」
「ほかにもあるし、ナンパしてきたくそやロー撃退するのに・・・」
「どっからどう見ても女なのに俺の女にてぇだしてんじゃねぇとかいったね。」
「あんときはさすがにあきれたよ・・・」
「私もなんであんなこと言ったのかわからないや。」
「ねぇ・・・本当にあなたは・・・」
「美沙だよ!聡子の親友の美沙だよ!」
「みさっ・・・・ちぃ・・・」
「聡子!」
二人は抱き合いながらワンワン泣いた、ケリーがいることも忘れて泣きまくった。
泣きながら昔話を何度もしてお互いを確かめあうように、何度も何度も、そこにはただただ少女二人がお互いの無事を確かめ、今までの話をしてケリーが呆れんばかりに笑いあっていた。
「お二人さん、こんなとこで話の腰を折るのも野暮かもしれないけど、そろそろ現実に戻らないとみんなが心配しますよ?」
「そうだった・・・戻らないと。聡子ももう戻ってこれるよね?」
「うん、ナタールさんにわるいことしちゃったな・・・」
「ナタールさんって・・・あんた。」
「無理やり体を奪われたんじゃないの、私が心を閉ざして今にも死にそうだったからって、ナタールさんがね・・・」
「うそ、そんな風にしてくれた人を私は・・・」
「え!?ちょ!みさっち!?ナタールさんになにしたの!?」
「えー・・・いや、今は言えないかな?あははははは」
「何その乾いた笑い!私の命の恩人に変なことしたらみさっちだってぶっ飛ばすからね!」
「・・・現実世界でぶっ飛ばされたいと思います。」
こうして、聡子の心の世界へのダイブが終わりケリーと美沙は現実世界に戻ったのである。
現実世界に戻った美沙たちをショウたちは心配そうにのぞきこんでいた。
「大丈夫?ミサ?」
「う・・・うん、心配かけてごめんね。」
「あ、聡子さんも目が覚めたみたいだよ?」
「う、うぅ~ん・・・」
聡子が目を覚ますと同時に聡子から別の体が分身したように現れた。
ウェーブがかった赤い髪が肩まであり、褐色色の肌にナイスバティの小柄な体型、この姿こそがナタールの本体だと皆、直ぐにわかった。
「・・・皆さん、すみませんでした。私がナタールです。」
「ナタールさん!謝らないで!わたしが悪いんだから!」
「何を言ってるの聡子!あなたは私に体を貸してくれていただけじゃない!」
「ちがうよ!わたしが弱いから!だから!」
「取り合えす落ち着きなさいあんたたち。みんなが混乱してるから。」
「「はい。」」
美沙がすかさず仲裁に入る。今までおこった経緯をひととおり説明する。もちろん美沙に関してはまだ話さないでいた。
「というわけで、聡子をだましていたのはゼストのパパと悪魔のような女。私はてっきりナタールさんの事だと思ってたんだけど、どうも違うみたいなの。」
「う~ん。とりあえずうちの親父は俺がシメとくとして、みさっちの説明だと悪魔のような女がもう一人絡んでくるってことだろ?あんたは何か知らないのか?ナタールさんよ?」
「一人だけ心当たりが・・・」
「誰なんですかそれは?」
「数日前グレリア山にディアトが入る前に接触してきた女です。その女にあってからディアトはグレリア山に向かい帰ってくると一振りの剣を持っていました。それからです彼が・・・人間である彼が変わってしまったのは、自分を魔王と言い出し城を異次元から召喚して魔物を次々に召喚していきました。」
「まさか!人間が魔王になるなんて!あの偽勇者さんたちと同じじゃないか!」
「ショウ!もしかして・・・剣に封印されていた魂がディアトさんをのっとったんじゃ!?」
美沙とショウがハッと顔を合わせて同じ考えにたどり着く。
「ディアトはごく普通の人間でした、私は見てのとおり魔物ですが、こんな私にもあの人は優しくしてくれました。そのうち私も彼の優しさにひかれて・・・将来を誓い合う中になりました。」
「それってもしかして!」
「はい、彼が私にプロポーズしてくれたんです。しかし私たちは人間と魔物・・・そんなこと許されることはないと思っていたんです、そんなときディアトがある女から情報をもらってきたんです。グレリア山に人間と魔物が一緒になれる方法があると・・・」
「そんなバカな話し聞いたことないよ!そんなのがあるならみさっちもショウも私たちだって!」
「マリ、落ち着け。俺たちはこれでいいんだ。」
「ご、ごめんなさい・・・。」
「グレリア山から戻った彼は変わり果て、私のこともあまりわからないようでした。そんな時に私は聡子に出会いました。聡子は異世界から渡るときに特別なスキルを持っていたんです、私はそれを使って彼を元に戻す計画を立てました・・・ですが・・・」
「僕らが現れてしまったと・・・」
「はい。」
みながみな、やるせない気持ちでいっぱいになる。美沙もショウもマリもフィアもリナもアカネもゼストも・・・聡子も、ナタールも誰も声を出せずにいた。
「やれやれ、なぜ皆さんは魔物だ人間だとそんなもので区別するのですかね?」
静寂を切り裂く声を出したのはケリーだった。
「だってそうでしょう?この世界に生きているのですからそんな些細なことにとらわれていても仕方ないじゃないですか。」
「そんな簡単に考えられたら争いごとなんて起こらないわ、単純なことではないのよ。」
「今の時代はそうゆうもんなんだね、マリ。でも僕はそんな君たちが大好きだからいくらだって力を貸すよ。また呼んでくれるよね?」
「えぇ・・・とりあえず次はそのチャライの直してきてね。せっかくまた会えたんだから。」
そうしてケリーは帰っていった。
「ねぇ?私たち鬼族は人間と結婚する人も多いわよ?」
鬼の人このに全員が鬼を凝視した。
凝視された鬼は『おぉうぅ!』みたいな心の声を出しながら後ずさりした、まさか自分の国では普通の出来事がこんな風に議題に上がりかなりの揉め事になっていることすら鬼には不思議なことに思えて仕方なかったのであった。
話しはどんどん前に進んでいきます。
誤字脱字はなるべく直していますが、それでも出てしまいます、反省しています。
次回もお楽しみください。




