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第13話 真オロチ

大分時間が空いてしまいました、申し訳ありません。

転職したばかりであまり時間が取れず携帯でちょこちょこ書いていたのですが・・・

え?異世界に転職?あぁ・・・できたらいいなぁ・・・←遠い目

フィアを仲間にした美沙たちはギルドに入るべくゼストの収める街『デガルーダン』の向っていた。

前回は徒歩で行こうといったものの、今回に関しては馬車を手配してデガルーダンまで向かうことにしたのだ。


「ほぇ~!馬車ってすごいね~!町がもう見えなくなっちゃったよ。」


「ほらほらみさっち、あまり顔出してると危ないよ。」


「そんなこと言ったってマリ、私馬車って初めて乗ったんだから仕方なくない?!」


「馬車なんかよりも私の方が早いのじゃ。」


「あ~わたしリナの背中のってみたーい!」


「もー!今回は馬車で行くってじゃんけんで決めたジャン!勝ったのはわたし、もんくいわないの!」


いつも通りワイワイと賑やかな馬車の中に一人浮かない顔をしてショウが、うつむいていた。


「どうしたのじゃショウたん?浮かない顔してるのじ。」


「あ、いえ、なんというか、女性の中に男1人って…出来すぎじゃないですか?」


「何言ってるのショウ君?もしかして欲求不満?」


「ち、ち、違いますよ!みさっちさんなんてこと言うんですか!」


「欲求不満かぁ、まぁ仕方ないね、次の街ではちゃんとショウだけ別部屋にして上げるから。」


「ま、ま、マリさんまで!」


「私が一緒に寝てあげるのじゃ、むしろ寝かせないのじゃ!」


「リナ、あっちで私と少し話をしよっか?」


「みさっちの顔が般若になってるのじゃ、冗談なのじゃ!嘘なのじゃ!」


美沙は獣の首をムンズと掴むと場所の最後尾に連れていった。


「ショウってやっぱりアレなの?女たらしなの?わたし気をつけなきゃ!」


「ちょ、フィアさん!変な噂流さないでください!たらしじゃないですから!」


フィアのショウを見る目が著しくかわった。ショウの悩みが1段と増えた。ショウのレベルが上がった。新しいスキルを覚えた。新スキル『フリーコール』色んな悩み事が常時降り注ぐ。新スキル『耐える人』忍耐が極限upす。『残念すぎた突っ込み』の称号を新たに手に入れました。

そんなやり取りの中乗っていた馬車が急に停止した。馬車の周りを数人の人間が取り囲み、馬車の所有者に対して何か脅しをかけているようだった。

そんな様子を見ていると荷台の扉が勢いよく開かれて一人の賊が大声を上げて入ってきた。


「大人しく武器を捨てて外に出ろ!下手なことするんじゃねぇぞ!」


まくしたてる賊に対して冷静すぎる美沙たち、その中で一人あたふたするフィアをショウがなだめつつ馬車を降りる。


「御頭!馬車の中にいた奴らです。どいつもこいつも一人を除いたら上玉ですぜ!」


「おう!テメーら痛いことされたくなかったら素直に言うこと聞けや!」


美沙たちにとって何の脅しにもならない言葉を意気揚々とぶつけてくる。


「うるさいなぁ、もう少し静かにしゃべってくれない?」


「なんだとテメェ!自分の立場が分かってんのか?!」


「みさっちーこんな奴らにそんなこと言ってもむりむり、品性のかけらなんてあったもんじゃないんだから。」


「あーやっぱそうだよねー。」


「テメェら!お頭がしゃべってんだから少し黙れや!本当にやっちまうぞ!?」


「あぁ~んショウたん!賊が私のこといじめるのじゃ~!」


「あ!リナ!そんなこと言って一人だけショウに守ってもらおうとするなんてずるい!わたしもこ~わ~い~!」


「あの、リナもフィアさんもこんな時にあまりふざけない方が・・・」


既に賊達は頭に血が登っており、剣を鞘から抜いている奴もいる。


「おい!テメーらいい加減にしやがれ!野郎ども!こいつらやっちまえ!」


「「「うぉー!」」」


「ほら!やっぱりこうなったじゃないですか!どうするんですか!?」


「そんなの決まってるじゃん!ねー、みんな!」


「じゃのー」


「だな。」


「だね。」


「くぅー!」


「「「「「ショウ君やっちゃえー!」」」」」


結局はショウが厄介事に巻き込まれる、スキルのせいもあるかもしれないけと、基本的には体質なんだろう。

そんなこんなしている間に、賊共がショウ目掛けて一斉に切りかかってくる。迫ってくる賊ひとりひとりの剣を全てさばき同時に峰打ちで切り返していく。え?両刃の剣の峰ってどこだだって?多分そこだよその部分。ショウの尋常ではない速さと体さばきを見て賊のお頭は目を丸くしている。


「お頭!あいつやばいっすぜ!人間にできる動きを超えてやがるっす!」


「う、うるせぇ!てめーら!全員で一斉に切りかかれ!」


お頭の一声で賊の全員がショウにめがけて一斉に刀を振り下ろす。魔法使いや弓使いも混ざっていたらしく、火の玉や氷の矢、木製の矢、鉄の矢が四方八方からショウを襲う。

ショウの動きが一瞬止まったと思われたときに、お頭はにやりと笑い勝ったと確信した。

しかし、残念ながら相手は人知を超越した存在、しかも勇者である。たった男一人といえどもそんじょそこらの人間が太刀打ちできるような存在ではない。


「はぁ!剣技・真オロチ!」


ショウが剣技を使いすべての剣や魔法、弓を打ち落としていく。剣技オロチとは一本の剣を気によって8本に枝分かれさせる剣技である。剣一本一本が意思を持つかの如くうねり向かってくる剣や矢を叩き落していく技であるが、ショウの見せた真オロチは8本に分かれた剣からさらに一本一本が8本に分かれるという身もふたもない技である。ショウしか使えない固有スキルになっているもので、通常のオロチであればショウにかすり傷ぐらいは付けられたかもしれないが、結果ショウは無傷で賊のお頭の前に立っていた。


「あの~、もうやめませんか?いくらやってもあなたたちに勝ち目はないと思うんですが。」


「ひっ、ば、ばけもの!よるな!あっちにいけ!」


賊のお頭は腰を抜かしてへたり込んでいる。子供の喧嘩のように素手で砂利を拾ってはショウに投げつけ半べそでお漏らしをしているなんとも情けない姿なのである。


「じゃ、僕たち行きますので、追ってきてもいいですが同じ目にあいたくなければおすすめはしないです。」


ショウはそう言って剣を鞘に納める。

振り向くと美沙たち以外にショウの戦いをまじまじと見て感心している人がいた。馬車の所有者である行商人だ。ショウの剣舞ともいえる戦いを見てあっけにとられるように開いた口がふさがらずずーっとうんうんと縦に首を振ってうなずいている。それを見ている美沙たちは行商人が壊れてしまったと思っていたようだ。ショウが仲間のところに戻ると行商人がショウの両手を取り、一生懸命お礼を言っていた。


「ありがとうございます!本当に!もうだめかと思ってました!このお礼はどうしたらよいか・・・」


「いえ、お礼なんていいですよ。」


「そんな!ぜひお礼させてください!この先のデガルーダンの街に私の知り合いがやっている宿がありますので、ぜひそちらでおもてなしさせてください!」


結局断ることができなかったショウはすでに馬車に乗り込んでいる美沙たちにこのことを説明した。


「やったじゃんショウ君!さすが勇者様!」


「え!?ショウってて勇者だったの!?知らなかった!」


「あらフィア?この間ショウの冒険者カード見てたじゃない。」


「あ~・・・あの時は残念な突込みにしか目がいかなかったから。」


「しょうたんは勇者なのじゃ、あそこも立派な勇者なのじゃ。」


「ちょっと!リナ!いきなり何言ってるの!?一回も見せてないですけど!」


「そこはあれなのじゃ、私はワイグラーノだから千里眼とかいろいろとなのじゃ。」


「マリ、そこのエロトカゲ捕まえておいて、簀巻き《すまき》にして引きずっていくから。」


「いつも思うんだけどさーみさっちってショウのこと好きなの?」


「ふぇ?!な、なにいってるのフィア!そ、そんなわけないじゃん!」


「だってさーいつもリナがショウにちょっかい出すとみさっちがリナを懲らしめるというか調教してるというか・・・ねぇマリ?」


「ん~まぁそうだよね~、でどうなのみさっち?ほんとはショウが好きで好きでたまらな~い!って感じなんでしょ?」


耳まで真っ赤に染まり上げた美沙が普段隠しているはずのドラゴンホーンと九本のシルクのようなかわいらしい短い尻尾を露見し下を向きながらプルプルと震えだした。それを見たマリが焦りを感じてヤバイやりすぎたと思ったがすでに遅かった。


「みんなの・・・ばかーーーーーーーーーーーーーー!!」


美沙が叫びながら手のひらから魔力を開放する。馬車の荷台がものの見事に跡形もなく消し飛んだが、マリ、リナ、フィア、クーはショウを盾にして回避したのである。


「み・・・みんな・・・ひどいで・・す・・・。」


そう言ってぱたりと倒れたショウをしり目に美沙が言い放った。


「ショウ君は私が見つけたんだから私のものなの!所有物なの!それを横取りみたいにするのはいくらリナだって許せないんだもん!好きとかじゃなくって自分のおもちゃを勝手に使うお友達みたいな感じ?」


みんないっせいに「あ~、納得した。」といって屋根の吹き飛んだ荷台に座りなおした。


「そんなことなら言ってくれたらよかったのじゃ、これからはみさっちに断ってからやるのじゃ。」


「いや、別に断らなくってももういいよ、なんだかすっきりしたし。でもやりすぎたら・・・」


般若の顔が美沙の後ろに浮かび上がる。それを見てリナはやはりあまりからかったりするのはやめておこうと心に誓うのであった。


「お客さん、もうすぐでデガルーダンの城下町につくよって、はれ!?屋根が吹き飛んじまってるじゃないか!?」


やばいと思った一行だったがマリが思わぬ機転を利かせた。


「賊の攻撃がこの馬車にもあたってたみたいでね・・・さっき吹き飛んで行っちゃったよ。」


嘘なのに、嘘なのになぜか信じてしまう口調でリナが言い放つ。みんな一斉とコウコクと頷き話を合わせた、一人を除いて。そんなやり取りをやっているさなか前方についにデガルーダンの街が見え始めていた。

冒険者ギルドに行く美沙たちはこれから始まる新たな冒険にワクワクしていた。


これからも時間がある限り書いていきます。更新が遅くなってしまいましたが、できるだけ早く更新できtるように頑張ります。

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