念願の一人部屋!(中学2年生)
中学二年生の時、念願の一人部屋を持つことに成功した。
しかし、この一人部屋ゲットの流れまでが、長かった。
我が家は兼業農家である。
母方の祖父母と両親、私、弟二人の七人家族。
母屋は築七十年以上で古い。
農作業のための離れの家も、同じように古い。
しかし、私が中学一年生の時にさすがにガタのきすぎていた離れだけが新築になった。
新築と言っても、倉庫兼2階建ての家で、1階と2階にそれぞれ1部屋だけ6畳ほどの部屋があるのみ。
完全に農作業用のスペースだ。
しかし、2階だけは、母が「子ども部屋にしていいよ」と言った。
2階も6畳あり、畳で砂壁の純和風とはいえ、新築はテンションが上がる。
子ども部屋……。
我が家は、3人姉弟で、弟が二人いる。
一番下の弟は重度の障がいを持っており、子ども部屋ではなく、常に両親と過ごしている。
というか、過ごさなければいけない。
まあ、そいうわけで、私と二番目の弟が離れの二階をもらったわけだが……。
ケンカになった。
なにがって、まずは弟が
「俺が離れをもらった。姉ちゃんは結婚すればどうせ家を出ていくんだから」
みたいなことを言った。
時代錯誤もいいところだが、まあ、これは20年以上前の出来事なので。
しかし、それで食い下がる私ではない。
「結婚するかどうかなんてわからない。私はずっとこの家に住むかもしれない」
なんて寂しい言い分なんだ。
ってゆーか、ずっと実家に住む気満々である。
中学二年生の私は、家族と離れて暮らすことなんて、想像もできなかったのだ。
むしろ、家族みんなでずっと暮らしていく。
結婚なんてまだよくわからない、と考えていた。
で、弟とケンカはしたものの、だんだんお互いにどうでも良くなってくる。
というかケンカするくらいなら、冷静に話し合うほうがいい。
そんなわけで話し合いの末に決まった。
・離れの部屋は私と弟で半分に分ける。
こんな感じで決着がついた。
しかし、それでお互いに気が済んでしまい、離れの部屋は手つかずになっていたのだ。
それが、中学二年生の時に、私の楽しみが増える。
それは海外ドラマを観ることだった。
NHKで夕方6時30分からフルハウスとかを放送していたのだ。
私はそのドラマ枠を非常に楽しみにしていた。
そして、海外ドラマを観るうちに、自分と同じ歳ぐらいの女の子の部屋がかわいいことに感動。
白い棚やパステル調の壁紙、凝った家具などなど。
まるでお姫様のような部屋だ。
私もこんなふうに自室をかわいくしてみたいと思うようになった。
そして弟に頼んだ。
「離れの部屋、真ん中に仕切りつけてさ、それで完全に分けようよう」
いい案だと思った。
そしたら、弟はこう言った。
「もう部屋とかどうでもいい。あっちの部屋、姉ちゃんだけで使って」
弟はあっさりとそう言ったのだ。
どうも弟は、完全に新しい一人部屋への興味を失っていたらしい。
「その代わり、母屋の部屋は俺一人で使うからね」
もちろんOKだ。
こうして私は、一人部屋をゲットし、そちらへのプチ引っ越し(?)を進める。




