リザレオのヤーオをしょうかいされたっ!part2
エリゼは声も無く驚いている。固まっている、と言ってもイイ。シャッター現象か?
ふと気付くとふらりとどこかに消えてしまいそうだ。
しかし……今まで近くで見た女性が極めて若いのばかりだったせいか……年増と言ってもいいこの集落の女性はエリゼが初めてだった。
服が違う。リザレオのような小さいブラ、小さい腰巻き一つではなく、貫頭衣のようなシンプルなワンピース状のものを着ている。
その腰を緩く紐で巻き、房飾りをつけている。スカートは短く、膝から下は丸見えだ。足下はリザレオと同じ巻き付けるタイプの革靴。これは共通しているのか。
しかしなんと言っても大きな違いは……その、グラマーッぷりだった。
シンプルな服からはみ出んばかりの肉肉肉。そして紐で締めたウエストのきゅんと絞られたシルエットがえろい。熟女系エロスの固まりのようだった。
今まで見てきた戦闘員を兼ねた若い女性と違い、溌剌たる生気はないが……その分母性感がとてつもない。南米のおっかさんの分厚い母親感、とでも言おうか。
どっしりと大地に根付いたような……安心感がある。
その上……何という乳。もう一度言おう。大地の如くおおらかで母なる乳。
擬音で言えば……どたぷ~~ん~!とでっかく背後に書かれているような感じだ。
決してありがちな丸太体系ではない。その緩みを見せながらも上下とのコントラストできゅううっとくびれたウェスト。そしてザ☆南米女性尻としか言いようのない形のいい巨大尻へと続いている。リザレオと同じぐらいの上背があるせいで、寸の詰まった感じは欠片もない。これもまた外人規格の長い長い脚。
つまり……端的に言えば、実りまくったリザレオ。
ボンキュッボンがリザレオならば、ボボン!キュッボボボン!すらーり、という感じなのだ。
その上優しげな垂れ目はしっとりと潤み、全てを受け入れ抱きしめるような母性に溢れている。ふうわりとカールして流れる青みを帯びた黒髪は肩に柔らかく掛かり、肌色はリザレオよりもさらに淡い褐色。
しかし、リザレオのような戦闘用具は身につけていない。
じろじろとフィールドワーカーの無遠慮な視線で眺めている俺に、ようやっとエリゼが反応した。
「……ガンツォ……ではないのね?……リザ」
「違う!全くない。安心していい。エリゼ。リザレオがこの目で確認した」
会話の一部がわからないが、雰囲気の押し問答はなんとなく肌でわかる。
エリゼは俺という存在を呑み込むのに苦労している様子だった。
「ふぅ……マキタ……リザレオの隣が馴染んでいます……ありがとうね……リザに力を分けてくださって……このスーランに幸いを届けてください、ね……」
ようやっと動揺を抑えたのか、初めてエリゼが俺に話しかけてきた。
善かったシカトされなくて。空気のように無視される、と言うことがおおうにしてあるからなこういう場合。
「はい。出来ることがあるならば。しばらくこの集落に滞在する予定ですので、お力添えあれば嬉しいです」
「もう戦闘からは身を引いた者ですが……何かしらお役に立てましたら……」
ゆらりと頭を下ろし、身を屈ませる。その巨大すぎる乳房がふるふるん、と揺れ、乳の谷間が丸見えである。思わず手を突っ込みたくなった。
「エリゼ。久しぶりに家に入ってもいい?……アミリーニャにもマキタ!紹介したいし」
リザレオが明るく言い放ったその言葉に、エリゼの瞳の中に動揺がさざめいた。
ちらと俺の方を見て、微かに身を固くしたのがわかる。
「……ごめんなさいね……リザ……アミーにはその……刺激が強い、と言うか……まだ……アザルーゾから来て日が経ってないから落ち着いていないの……まだマークル・ガンツォにも参加してないし……今ここで不安が大きいのは少し……」
「……。そっか……アミリーニャ……まだ……小さいしね……」
「ごめんなさい……せっかく久しぶりに来てくれたのに……今は少し難しい時期なの……訓練も進んで、ガンツォに何回か参戦すれば、落ち着くのだと思うんだけど……」
「……そうだね。エリゼ。突然すぎた。ごめんエリゼ」
リザレオの身体が俺の腕から離れ、しゅん、と小さく縮んでいく。ただでさえ小さななで肩がさらにかくり、と下がる。
「アミリーニャには、徐々に話しておくから……また日を改めていらしてね……今日は申し訳ありません……」
話の後半は俺に向かって言っていた。ま、アポ無しだからね。
とはいえ電話とかありそうに無いけど。
人伝に、と言う形が一番自然だろうか。
小屋の方を見やると、その入り口の所で少女が恐る恐るこちらを覗いていた。
その扉に半分身体を隠し、出ようかどうしようか迷っているようなアミリーニャは、以前武器庫の前で警備していた少女よりも更に幼く、儚げな感じだった。
どこもかしこもまだ細い身体は育ちきっておらず、若芽のようだ。背もまだまだ伸びきっていない。リザレオよりヘタすれば頭二つ小さいだろう。おどおどと、しかし好奇心を抑えられないようなキラキラとした瞳でおれ達オトナに見入っている、と言う感じだ。やせっぽちの身体に合う小さな貫頭衣を着て、エリゼと同じように腰紐でくくっている。房はなかった。
軽く黙礼すると、ぴくっと怯え、目を逸らして恐る恐る頭を下げた。
「リザレオ。俺はここに居るから、挨拶してこいよ。久しぶりなんだろ?」
「……ん。ごめんねマキタ……ちょっと行ってくるね……アミリーニャ!」
たっと駆けだしたリザレオが、あっという間に扉の前まで走り寄ると、アミリーニャの手を取ってぶんぶんと振っている。
結構親しげな様子のようだが、アミリーニャは緊張しているのか、どこか目が泳ぎ、身体が固まっている。真っ赤に赤面した顔が強ばっていた。
「緊張しているのかな?」
「……アミーのあこがれのヒトですから……カーマ・リザは。わたしもカーマ・リザに入りたい、と、日々頑張っています。まだまだ先は長いですけど」
意外にも俺の所に残ったエリゼが、俺の言葉に応えてくれた。
そのおっとりとした垂れ目が優しげに少女を見つめている。その視線は母親のものとまったく同じだ。
「俺はこの集落のことをいろいろ理解したいと思っています。いくつか質問してもいいですか?」
「……お答えできることでしたら……。それは余りないかと存じます」
穏やかな声の中に鉄のような拒絶が感じられた。まだ一員となっていない、と言うことなのか。そのこと自体が一つの答えなのか。
「では……エリゼのことなど……以前は、リザレオのように戦士だったのですか?」
「……ええ。参戦しておりましたわ。しかしもはやその季節も過ぎ……一線を退いてヤーオとなりました。穏やかな日々をリザに守っていただいてます」
「リザレオは小さい頃やんちゃだったでしょう」
「ええ……ええ……あのまんまですわ……今の姿はそのまま縦に引き延ばしたよう。気がつくと木に登っていて、気がつくと水の中でした。走り回ってましたわね。うふふっ……いつも寝るときはお話ししてあげないと寝ようとしないあの子が、今はあんな……カーマ・リザになるなんて思いもしませんでしたわね……ふふふ」
リザレオが身をかがめて、アミリーニャと目線を合わせ、なにやら熱のこもった話をしている。弓矢の獲物のことで盛り上がっているようだ。
アミリーニャのリザレオを見つめる瞳がキラキラと輝いている。
腕を大きく広げているのはこんな大きいのを獲ったぞ!という話なのか、アミリーニャが、目を丸くして驚いていた。
「あの少女はアザルーゾ、という所から来たそうですが……それはどういう施設なのですか?リザレオも元々そこから来た、と言ってましたが……」
「…………」
エリゼの口が止まった。しかし、娘二人を見つめる暖かな視線には変わりない。
ただうっとりと仲よさげに話をしているリザレオとアミリーニャを見つめていた。
答えは返ってこないか……俺は深く頷いた。
システムに関しての返答はきっと無い、と予測してはいた。この歪なシステムをより深く見聞きしているだろう彼女からは。
そこには何か“禁”がある。
情報が得られない、と言う情報を得て、俺の確信は深まった。




