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アマゾネスにつかまった!  作者: abso流斗
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アマゾネスの集落はぜっけいだった!ほかのも!part2








「カーマ・リザ! そのものは?!」

いきなり小屋に入ってきていたアマゾネス戦士の一人が、鋭い声で誰何し俺に棒を突きつけた。

武器ではない。何かの作業に使っていた長い棒だ。

いきなりで驚いたが、ちょっと仰け反るぐらいで頑張って我慢した。


「押さえろ。アニェーゼ。マキタだ。この集落を見せるために登ってきた。カーマ・リザの名でこれを許可する」

朗々と満ち張りきった声で、リザレオが宣言する。

その声に押されたのか、そのアニェーゼの突きつけた棒が少し下がり、突きつけた腕から力が抜ける。

「ですが……ここは最重要……」

「だからこそ……このマキタに見せる必要がある……と、判断した。私のインシュレイル……聞いているはずだ」

「…………」

納得はしづらいようだったが……何せ本人、カーマ・リザの許可だ。

引き下がらないわけにはいかないのだろう。

しぶしぶと、棒先を板床まで下げ、はぁ……と、一息ついた。


「……集落を何度も救った……カーマ・リザのインシュレイル……信じないわけには行きません……理解はしかねますが……それでは、お望みのままに……カーマ・リザ……」

一礼して、アニェーゼは小屋から出て行った。まだ外で作業があるらしい。

てか、この高さでか……それはそれですごい話だな。



「ごめん……マキタ……こんなのばかりだな……」

少し落ち込んでいるリザレオが、肩を落とした。

その肩を掌の中にすると……とても細く、少しどきりとするほど。

力強く握り、俺は優しく揺らしながら慰める。

「だいじょぶ。だいじょぶ……これから。これからさ。ところで……そのインシュレイル……ってーのは何?」

「インシュレイル……正しく見る力……今はないものでも……やがて現れるものを見る力……アザルーゾではそう習った……何度かうまくいった」

並んで、眼下の一望を眺める。

視界の全てがこのアマゾネス集落だ。紛れもない。リザレオが命を賭けて守ってきたのだ。

「だから、リザレオはこれを信じてる……マキタにはインシュレイルがあった……必ず皆を助ける力になる……そう信じてる……ね、マキタ」

緩やかに吹き抜ける風に囁くようにリザレオが呟く。

どこよりも高いところを通り過ぎていく風に乗せるように。


俺はその期待に応えられるか。しばし、沈思黙考した。




下りは地獄だった。なんと言ってもリザレオ尻が遠い。

「まだー?……マキター」

何度も足を止め、振り返るリザレオに申し訳ないと思いつつ。

下を向けばどうしても目に入ってしまうスカスカの足下と、果てしない地面までの距離にくらくらきながら……なんとか幹にしがみつきつつのろのろずりずりと降りていった。



長い時間を経て。

最後の一歩が地面に付いたとき。

思わず倒れてしまった俺を、心配そうにリザレオが覗き込んでくる。

「大丈夫かー?……マキタ……疲れた?」

そう言う問題じゃないが、ちょっと待って。心が折れかけている。はー。

ああ……地面ってステキ。

命綱付けようよ。今度絶対言ってやる。


「もう一人!マキタに会わせたい人がいる!……こっち!」

なんとか立ち上がった俺の腕を取り、いそいそと歩き始める。その表情が一際明るい。

「リザレオが、アザルーゾから来たとき、いっぱいお世話になった! すっごい綺麗で優しい人……リザレオのヤーオだ!」

「えっと……ちょっと待って……いくつか質問してもいいか?」

教授翻訳システムが回りきってない。回りきってないのは俺の頭か?

「ん!何?」

「アザルーゾ、とは?」

「アザルーゾは故郷だ。小さい頃リザレオが過ごしていたところ。ほら!ザイーアの絵本があったとこ!(シークレットナイト版part3参照)ハファエラもそこにいた!そこからこの集落に来た。もう戻れないけど……いつも胸の中にある」

「リザレオはどこから……?……そのアザルーゾに来たんだ?」

「んー……それはわからない。小さかったから……気がついたらいた」

ふーん……。ふーん……。中々香ばしい話だね。それは。

「他にはヤーオ、とか」

「ヤーオは……えっとむつかしい。ヤーオだ。この集落に来たとき、まだ色々わかってない頃、一緒に住んで、ここの集落のことを教わる。一緒に寝て、一緒にご飯を食べる。すごく優しくて……キレイで……リザレオがここでやっていけるようになるまで……助けてくれた人……大好きな人! 他の人にもみんなそれぞれヤーオがいる!」

ほう。この集落における保護者的なスタンスか。それでさっきからすっげえ嬉しそうなんだな。

浮き上がらんばかりに、足取り軽く歩いて行くリザレオはもう嬉しくて仕方が無い様子。

「ここのところ忙しくてヤーオ・エリゼのところもいけなかったから楽しみ! マキタ紹介できるのも嬉しいし!」

「そっかー。お母さんみたいなものなんだな」

「……なに?……お母さん?……ヤーオと違う……?」

「ン……?」

知らない……? それに相当する言葉がない??

それがヤーオなのだとしても……生みの母親のことは?

また……話が香ばしくなってきたな……。


「今はー。エリゼのところに別の娘がいる。アザルーゾから来たばかりだ! アミリーニャ! まだ若くて!ちっちゃい! 可愛いって言うんだっけ?……リザレオ、ネワザ教えたい!」

何を言い出すかと思えば。リザレオ!

それとこれはどう繋がっているのか?(シークレットナイト版part3参照)

ヘンなこと教えたかなー。



上々機嫌のリザレオは俺の手を握り、ぶんぶんと振りながら、スキップせんばかりに軽やかに歩んでいく。

俺は未だ残る心の疲労と、リザレオにつられた上機嫌と……。

胸の奥に湧き上がる……黒い疑問に気付いていた。







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