リザレオの仲間達にしょうかいされたっ! part4
結局、副官達のいずれも冷淡か、困惑か、シカトか。
それはリザレオ隊長が相手であっても、また相手であるからこそ、副官として、慎重を期する意味と進言として。
諄々と繰り広げられる讒言の数々。
穏やかながら、言葉の内に剣を秘めた物言い。
あまり俺もリザレオも聞いていて居心地がいいとは言えない……心苦しいようなお言葉の数々でございました。はぁ……。
リザレオも、自重する、慎重に対処する、心する、と言う言葉を連発し、なんとか副官達の突き上げを躱すと、現在の監視位置に対する変更点、と言う戦略的な指示を出して、今一度場を引き締め、解散とした。
「では、カーマ・リザの隅々まで届く声たちよ。言葉を行き渡らせてくれ。頼んだぞ」
「一つの生き物に一つの意思を!カーマ・リザの言葉を!」
一つに揃えて返答する副官達はそれでざっと身を翻し、各自の持ち場の小隊に向かって歩き始めた。
頼もしげに見ていたリザレオが……副官達が集会所から出たと同時に。
ふぅぅぅ………と長い溜息をついた。
「ごめん……マキタ……失礼だったか?……怒る?……」
「気にしなくていい。リザレオ。こんなもんです。フィールドワークの最初、というものは。ここからどう俺が振る舞うか、これこそ大事なところだから」
「ちょっと行きすぎていたような気もする……彼女らなりに心配なのだろうが……」
「それはリザレオ隊長が慕われている、好きなんだ、ということだよ。だからとても心配になる。言葉がとげとげしくなる、と言うことと理解している。いいことですよ。リザレオちゃん」
「そうだと……いいが……マキタ……すまない……」
「そう思うなら……あとで返してくれ。太陽が隠れたあたりでね。こんな感じで……ふふふ」
リザレオのぷりぷり尻を軽くにぎにぎとする。
「あん……マキタ……わかった……空の灯りが沈んだら……ねっ……」
少しだけ、昨日の夜のリザレオの目に戻った。とろりと妖艶な輝きを秘めた瞳が俺を熱っぽく見上げている。
「……ああ……おしり……これは……マキタのっ……リザレオがあげちゃった……マキタにあげちゃった……ものだから……あんっ……」
くねりくねりとしなやかに腰を振るたび、俺の手は縦横無尽にそのふっくらと盛り上がる尻肉を撫で回す。それで、リザレオの息が甘く溶けた。
「マキタが好きにしていい……マキタの……ためのおにく……だけどっ」
そしてしっとりと柔らかく微笑んで言った。
「ここでは絶対ダメ」
リザレオの手が後ろに回り、リザレオ尻を彷徨う俺の手を捕らえ、ぎゅーと握る。
いててて。
そうだよね。やっぱり。あははは。
集会所を並んで出ると、もう集落の中心部は近くだった。
段々家々も大きく、数多くなっていく。が、集落の一部が妙な形に並んでいる。
ジャングルに向けて列をなして密集している。
外々からの襲撃を防ぐように並んでいるその間の広間は、土の地面が幾つも盛り上がり、横に長く堤となっている。
いくつかの堤を超えると、その下はくぼみ、また盛り上がり、くぼんでいる。
何層にも波状に並んでいるその先には、もう明らかに家ではない施設がぐるりと。
その中央に高々と1本の細長い岩がそそり立っていた。
施設は四つ、その1本の縦長岩を取り囲むように建てられている。
これは明らかに生活の為の構造ではない。
リザレオとその2メーターほどの見上げる高さの堤をいくつか超え、比較的平坦なところを選んで歩いて行く。
「なんだこれは……? リザレオ?」
「グロルル。あれを守っている……忌々しい岩だ」
リザレオの表情が硬い。苦々しげに言い放ち、指さす先には、その縦長の岩があった。
正直……下世話な話だが。男性器のようにも見えた。
リザレオは足早だった。出来るだけ早く通り抜けたい、とするかのように。
これがなんなのか、フィールドワーク的には重要なところだ。最重要な印象、匂いがする。
しかし、硬い表情の影に悲しさのようなものを浮かべているリザレオに聴くのは躊躇した。
きっと繊細な事項なのだ。傷だらけの記憶がどうしてもうずいている。
そんな陰鬱な影がリザレオの横顔に差している。
もっと、タイミングを見計らい、聴くべき、と決断した俺は、ただ目に構造を叩き込んでおくだけで済まし、早足で通り抜けるリザレオの後に続いた。
グロルルを抜けると、全てはまた平坦に戻り、数多い家が建ち並んでいる。
「マキタ! よく見えるところに行こう! スゴいぞっ!リザレオ達しか入れないトコ!マキタもどうぞ!」
リザレオが俺の腕を引き、ジャングルの方に足先を変えた。
少し気を変えるためだろう、リザレオの声は明るく弾んでいた。
「ん。どこだ? 入っていいのか?」
「ああ! 王宮がいっぺんに見える! みんな、一目で見えるぞ!すっごい景色だ!」
楽しげに俺の腕を引くリザレオに素直に従い、ジャングルに近づいていくと、1本の大樹に周り階段式に足場が埋め込まれていた。
「上がるぞっ!」
打ち込んだ足場の幅は狭く、せいぜい三十センチぐらいだろう。手すりとかもなし。ひえっ。しかもその階段は回り回って……どんどん高いところに続いている。
見上げると遙か先に小さな小屋が。
「あそこ行くのか? リザレオ」
「ん! 落ちるなよ。マキタっ!」
リザレオはそう言い放つと、すたすたとためらいなく登っていく。
えっとー……命綱とかは?




