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アマゾネスにつかまった!  作者: abso流斗
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リザレオの仲間達にしょうかいされたっ! part3








集会所は無人になりつつある。

各々指示が出ているのだろう。足早に部屋を後にするもの、誰かを探しながらゆっくりと出て行くもの。装備を入れ替え、少し遅れて出立するもの。

皆バラバラに動いているが、次々と集会所から立ち去りつつある。


その流れに逆らって残り続けていたのが、俺とリザレオ。そして、その前、正確にはリザレオの前にだな、出ていく人の波に逆らい、三人の娘がゆっくりと集まってきていた。


一人はリザレオと変わらないか少し背が高い。あとの二人は小柄で若い。

全員、額の革鉢には小ぶりの羽、房もリザレオよりかなり小さめだがしっかりついている。そして、皆、腰にはアガールを下げていた。


背の高い娘は褐色具合がリザレオよりも淡く、髪はベリーショートに刈り込んでいる。アガールであんなに短く刈り込めるものなのだろうか? 女性にしては逞しく、筋骨隆々とまでは行かないが、見るからに筋肉質だ。一目でパワー系とわかるが、その乳の方も大パワーだ。実りまくっている。


その隣の娘は褐色具合はリザレオと同じ位か。ボブヘアで簡単に裾を整え、前は片目を軽く隠している。きりっとリザレオの前に立った姿はりりしかったが、緩やかな垂れ目がその雰囲気を裏切っている。リザレオより少し背は低いが、乳はほとんど一緒(目測)サイズ感からよりデカく見えるのがスゴい。


一番遅れてきた娘は、ものの見事におかっぱヘアだ。真一文字に眉で切りそろえ、あとは長くならないように整えているだけ。一番の小柄でやせ形、敏捷な感じ。胸も控えめだが、それでもしっかりとブラを押し上げている。くりくりの目がとても大きい。どこかリスのような。ぱっと見はアマゾネス、というより女忍者か? 俺が日本人だからそう思うのか? 入り口で会ったハファエラと同じぐらいの濃褐色。その肌の色も相まって、忍者的なイメージを俺には抱かせた。


服は三人ともリザレオと同じ、アマゾネス戦士の服装。布面積の少ないブラに巻いただけのショートスカート。その中身は知らん。

戦闘集団らしく、直立に一直線に並び、一声に揃えて声を上げた。



「揃いました! カーマ・リザ!」

「ありがとう。カーマ・リザの小さな頭脳達よ。かぎ爪に行き渡る小さな知恵よ。今日の互いの無事を神アウロラに感謝する」

かっこいー……

きりっとしたリザレオが副官に訓示する様に惚れ惚れと見とれる。

昨日の夜のあまあま、ぐだぐだ、めろめろな甘えん坊リザレオちゃんはどこに???(シークレットナイト版参照)

こりゃ確かに別人だわ。

武器庫の前の少女兵ジオヴァーナが目を丸くしていたのも今なら納得。

そっかー………これが普段のリザレオなんだな……。はぁ。

夜のリザレオの方が精神年齢だだ下がりなんだな、と。

尻でも撫でたろか、と言う気が一瞬したが。それは死に直結するのではないか、と思い直し、止めとく。

シャレ、冗談が通じる雰囲気では無い。

考えても見ろ! 女が! 生真面目そーな女性が!戦闘員!なんだぞ!

オトコのゆるゆるな品のない冗談なぞっっ!

警告無しでアガールで一刀両断だ。きっと。




「カノ・ミレル、負傷の具合はどうだ?」

リザレオが少し柔らかくなった声で語りかけた背の高いベリーショートはピン、と背筋を張って、はきはきと答える。

「はい。カーマ・リザ。回復は順調です。もう、訓練所の巨樹も一気に登れますっ!ご心配おかけしました!」

「我らカーマ・リザは全員で一つの生き物。身体のどこも痛くないのが理想だ。あまり無理するな」

「……感謝します……しかし、戦闘においては負傷はつきものですから、気にしてなんていられません!死ななかっただけマシかと」

意気軒昂な部下を頼もしげに見ていたリザレオが優しく諭す。

「指の一本に傷が付いても、痛いものは痛いのだ。カーマ・リザは痛がりなんでな。我が身のどこに傷が付いてもたまらなく痛い。気をつけてくれ。カノ・ミレル」

「ああ……感謝いたします。カーマ・リザ……」

心酔しているかのようにうっとりとそのミレルと呼ばれたベリーショートがリザレオを見つめていた。

部下を気遣うリザレオはいい上官のようだ。それは残り二人の眼差しにも溢れるように現れていた。


「でも、カーマ・リザ……ミレルは頑丈ですから……お心遣いは無用かと。負傷して帰ってその夜に……こんな!ミレルの頭ぐらいあるバシーニを三個もぺろりと。ふふふっ……心配するだけ損でしたわね」

クスクスと笑いながら、隣のボブヘアのおっとり垂れ目の娘がおかしげにリザレオに報告する。

「フィオレナっ!」

一気にかっと赤面したカノ・ミレルが抗議する。

大食いはここでも女の子には恥ずかしいことなのか。

ふふふ。どこも一緒だな。


フィオレナと呼ばれた娘は、戦闘員、という雰囲気は薄い。まるで普通のお嬢さんのようだ。他の戦闘員達にあまり無い前髪の長さ、柔らかな声と語り口、アマゾネスである以上、戦闘集団の一員となるのが決まりなのかも知れないが、あまり弓矢を持ち、鉈を構えるような姿が想像できない。しかし、その腰にはしっかりとアガールが吊り下がっている。

それは優秀な戦闘員である証明であったはずだ。



一番端のおかっぱは終始無言だった。笑みも無く、しかし、その大きな目でしっかりと仲間の副官をとらえている。

「カノ・イスス。新たな監視場所の件はどうだった?」

「はい。カーマ・リザ。索敵範囲を更に広める監視場所にいくつかの候補が。木の根元にマーキングをしておきました。視界を確保する為の伐採にあと少しかかります」

「あまり大樹を選ぶと、他のものが上り下りで苦労するぞ。必要なら足場を。カノ・イススのように皆、身軽というわけでは無いからな」

「頼むよ、イスス。いつもイススが選ぶ監視の樹は太すぎる。私にはとうていアンタのような身の熟しは出来ないからなぁ……なんか、刻みなり打ち込みなりを入れておいてくんない?」

「ミレルが重すぎ。イススは別に平気だから。すいすいいけるけど? ミレルはもう少し軽くならない?」

「なんないよっ! しょうが無いでしょ!」

「集落一の身の熟しのイススと、身体の大きなミレルでは話が噛み合いませんね……ふふふ」

「フィオレナは、何でも出来るからいいだろうけどさぁ……」

はぁ……と、ミレルが溜息をつく。

「……確かに、フィオレナが何かに困ってるのあまり見たことない……。器用。そつが無い……でも腹黒い」

ぼそり、と呟くイススの大きな瞳が半目になってフィオレナを見つめる。

なんかあったのか?

即座に反応するようにフィオレナが叫んだ。

「ひどくないですかっ?!その言い方っ。敵の弱点を突く方法を考案するのは戦闘の常道です。ちょっとぐらいえげつなくてもいいのですっ!」

「アレを思いつくフィオレナがコワい……」

じとっとした目線でカノ・ミレルが二の腕をすりすりと擦る。なにやら寒気がするようなことをしたようだ。何をいったい?! この屈強なアマゾネス戦士を戦慄させるとは……。

「……ん……わたしも時々そう思う……軽く引くよね……」

同じように両手で二の腕をすりすりするイススがするっとミレルの横に立つ。

「ひどすぎですっ!ミレルっ!イススっ!」

苦笑しつつ手を広げ、リザレオがなだめるように間に入った。

「まあまあ……でも効果的なことが多いぞ。副官として、参謀としてフィオレナには期待している。まず勝たねば……友が連れ去られるのは身を切るように痛い……誰しもが知っているはずだ……」


一同に沈黙が訪れる。目の前の今では無く、過ぎ去った何時かの、まだ癒えぬ心の古傷をさすり、その鈍い痛みに耐えているような感じがする。

後ろで見ているだけの俺にも、意味の全ては汲みづらくとも……その哀しみは伝わってくるような気がした。




そんな沈んだ空気を振り払うようにフィオレナが不意に問いかけた。

「で、後ろの奇妙な生き物は?」

思いっきり冷酷な半目で。

俺のスピーチは無かったことにされたらしい。

ぎこちなく手を振り、なんとか爽やかげな笑みを(自称)浮かべてみたが、あっさり全員にスルーされた。


「ああ……さっきも紹介したが、マキタだ!新しくこの集落の一員になる……予定だ。いろいろと聞いてくると思うが、教えてあげてくれ。強いぞ。ネワザだし」

何度も言うけど。俺=ネワザは誰にも通じないと。何度言えば。




その反応はと言えば。

さっきまでのリザレオを見つめる熱い思慕の瞳は欠片もなく消え去り!一言で言うと……まぁ……ゴミを見るような目つきだ。あははは。

なんで私たちの!カーマ・リザに!このようなゴミがついているのか!

指先でつまんで捨てたい。

言葉にせずとも雄弁に目つきは語る。

半目じゃない者がいない。視線が鋭くない者がいない。

うん。見事なまでの冷淡ぶり。特に真ん中のフィオレナがヒドい。

そのたっぷりと疑いに満ち溢れた見下し目線は、紛れもなくこの娘が見た目通りのお嬢さんじゃないことを示している。

さすが、同僚副官から腹黒い、と評されるだけのことはある。

くっそう。


ミレルの困惑。

フィオレナの冷淡。

イススのシカト。


「ま、まぁ!今日の処は顔合わせ、と言うことだ。また後ほど語り合うこともあるだろう。その時は、えっとー……穏便にな……?」


あせあせと、リザレオがなんとか取り持とうとするが、この件に関しては副官達の反応はよろしくない。

軍規で従わせるようなことでもないのはリザレオ自身も理解している。

俺も、そんなへらへら合わせるようなことはしない。したくない、と言うだけで無く……これからの問題だ。

三人の冷たい視線を平然と受け流し(出来るだけ!)無関心を装って、表情を消して佇んでいた。








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