六八式駆潜艇
全長:四三米
全幅:六.五米
速力:二三節
主砲:一〇糎単装両用砲一基
機銃:一〇粍機関銃四挺
対潜兵装:爆雷投下機二基
対潜迫撃砲一基
停泊中の艦艇は非力である。特に、潜水艦・潜水艇による奇襲には弱い(航空機も奇襲に使われるが、撃墜すれば無力化できる)。我らが沖之鷲帝国海軍も、多数の奇襲用小型潜水艇を保持している。
駆潜艇の主任務は、それらの眼下に潜む敵を、早期に発見し、攻撃前に仕留めることにある。
その重要性の高さ等から、ソナー等は常に最新式のものがまわされており、それらの性能は最前線の駆逐艦よりも優れているという。
・見えない敵
潜水艦・潜水艇の一番の魅力は、その隠蔽性の高さにある。音響装置の発展により、それはやや薄れはしたが、依然として高い。
駆潜艇は、基地に忍び寄るそれらの見えない敵を、極力排除し、被害を最小限に抑えることを一番の目的としている。つまり、任務は妨害であって、撃滅ではないのだ。
二基の爆雷投下機も、一基の対潜迫撃砲も、非常に強力な武装であり、速力も可潜艦相手には十分である。だが、再装填までは数分を有し、速力も可潜艦相手に必要な程度に抑えられているため、潜航艦の捕捉は困難といえる。
六八式駆潜艇は計一五〇〇隻建造され、軍民問わず、全ての港に配備されている。また、六八式をもとに設計している、潜航艦相手にも十分な戦闘能力を持つ駆潜艇が、現在計画されている。
・船団護衛のエキスパート
鈍足で大きく、装甲を持たない商船の集まりである船団の天敵が何か、説明するまでもなくわかるだろう。そう、潜水艦だ。
ところで、六八式の任務は、前途した通り潜水艦狩りである。つまり、港湾防御の他、船団護衛にも頻繁に使用されるのである。
小型であり、航続距離等の制限も多いが、中近距離の輸送なら参加できる。遠距離輸送では、対潜能力を向上させる改装を受けた、旧式の駆逐艦が盛んに使用される。
しかし稀に、例えば国内外の要人の護衛といった任務である場合、距離に関係なく参加することがある。つい先日も、常陽王国の王室艦隊の護衛に参加し、尾長背港から佐々凪港までの区間を、途中洋上補給を受けつつ往復したようである。
潜水艦が急速に進化し続けている今日この頃において、六八式駆潜艇は時代遅れのものとなりつつある。恐らく、戦術的寿命は、もう僅かにしか残されていない。
だが、六八式が引退しても、新しい、より優れたものがそのあとを継いでいく。それを繰り返せばよいのだ。
古きものにも良さはある。だが、それに縛られてはいけない。時代に合わせて進化させていくことこそ、我々人類の『進化』であるのだ。今後、人類がどのような『進化』を遂げるのか、実に興味深い。
戦術的寿命…兵器が、実際の戦闘において、費用対効果から考えたとき、十分な価値を持ち続ける期間のこと




