伊号七〇〇型潜水艦(潜航特化大型潜水艦、潜特大型)
全長:八六米
全幅:八.七三米
速力:水上一〇節
水中二一節
魚雷:前方六基
後方二基
潜特中型を実戦を目的とした艦とし、潜特小型を実験を目的とした艦とすると、潜特大型はその中間に当たる。
技術検証艦として、幾つかの新技術を採用。結果的にはそれが性能向上に繋がる。
この艦は水中性能のみを重視したため、伊号潜水艦にしては小柄である。しかし、能力は十分なもので、対潜対艦両方で使い勝手はよい。航空機に発見されては無力であるが。
だが、現在の技術では航空機によって水中の潜水艦を発見することは極めて困難であるため、補給のタイミングで見つけられない限りは安心してよい。
・潜水艦狩り
潜水艦狩りといえば、水雷戦隊が思い浮かぶ。それが、今までの認識であった。しかし、潜特型の登場により、水雷戦隊による潜水艦狩りはあまり見られなくなった。行われるとしても、潜水艦との協力によるもので、水雷戦隊のみで行うということは、原則としてあり得ない。
潜特型の水中速力をもってすれば、浮上中の潜水艦であっても、相手が余程高速でない限りは、逃がさない。特に水中においては、現状無敵と言ってもよい。
水上の敵は味方部隊を呼んで対処する。ここで水雷戦隊の出番である。いくら多くの潜水艦が砲を搭載しているとは言っても、駆逐艦と同等のものが一門か二門搭載されている程度である。水上に居れば駆逐艦、軽巡洋艦に殴り殺されるだけだ。かといって水中に逃げ込めば、潜特型の餌食となる。
戦争後期、音響誘導魚雷が実用化された後は、例えそのようなことが起きたとしても、味方部隊を呼ぶことは無くなり、一発の魚雷で容易に狩れるようになり、いよいよ敵なしとなる。
だが、他国ではこういった類の潜水艦は積極的に建造されておらず、沖之鷲においても、今後暫くの間は潜特大型と潜特中型を使用することとしている。これは、強力過ぎるこの手の潜水艦を制限し、従来の可潜艦といった、狩りやすくもあるが、戦術的価値もあり、十分に効果を見込める艦を建造することとしているからだ。先日、セントプアーネ条約が列強及び周辺諸国間で結ばれ、正式に保有トン数が定められたため、幾つかの艦が退役することとなっている。
保有トン数が定められているとは言え、保有は可能であるため、各国はこの手の潜水艦を幾らか建造するだろう。我らが大帝国も、潜特型の後継艦を建造するだろう。一体どんな艦が造られるのか、楽しみである。
潜特型の登場により、時代は『可潜艦』から『真の潜水艦』へと移り変わるかのように思われたが、そうはいかなかった。時代がどのように移り変わるかは予測不能だ。だからこそ楽しい。だからこそ恐ろしい。
次は何にしよう…。




